収束的合成
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化学における収束的合成(しゅうそくてきごうせい、英: convergent synthesis)は、多段階化学合成、ほとんどの場合有機合成の効率を改善することを目的とした戦略である。直線的合成では、総収率は各反応段階ですぐに低下する。
A → B → C → D
各反応の収率が50%と仮定すると、AからDの総収率はわずか12.5%である。
収束的合成では、
A → B (50%)
C → D (50%)
B + D → E (25%)
Eの総収率は (25%) は改善しているように見える。収束的合成は複雑な分子の合成に応用されており(全合成を参照)、フラグメントカップリングや独立的合成を含んでいる。
例:
- デンドリマーの収束的合成[1]、予め合成された枝部分が中心核に結合される。
- 300アミノ酸残基を越えるタンパク質は化学ライゲーション法を用いた収束的アプローチによって作られる。
- 全合成での一つの例は、Biyouyanagin Aの最終段階(光化学的[2+2]環化付加)で見ることができる[2]。
脚注
[編集]- ^ Michael Pittelkow, Jrn B. Christensen (2005). “Convergent Synthesis of Internally Branched PAMAM Dendrimers”. Org. Lett. 7 (7): 1295-1298. doi:10.1021/ol050040d. PMID 15787490.
- ^ K. C. Nicolaou, David Sarlah, and David M. Shaw (2007). “Total Synthesis and Revised Structure of Biyouyanagin A”. Angew. Chem. Int. Ed. 46: 4708–4711. doi:10.1002/anie.200701552.