キリアコス・コスタ・ニコラウ
Κυριάκος Κώστα Νικολάου K. C. Nicolaouキリアコス・コスタ・ニコラウ | |
---|---|
生誕 |
1946年7月5日(78歳) キプロス、カラヴァス |
居住 | アメリカ合衆国 |
国籍 | アメリカ合衆国 |
研究分野 | 化学者 |
研究機関 |
ペンシルバニア大学 カリフォルニア大学サンディエゴ校 スクリプス研究所 シンガポール科学技術研究庁 |
出身校 | ロンドン大学 |
指導教員 | イライアス・コーリー |
主な指導学生 | フィル・バラン |
主な業績 |
全合成 タキソール全合成 |
主な受賞歴 |
ベンジャミン・フランクリン・メダル(2011) ウルフ賞化学部門(2016) |
プロジェクト:人物伝 |
キリアコス・コスタ・ニコラウ(Kyriacos Costa Nicolaou、ギリシア語: Κυριάκος Κώστα Νικολάου、1946年7月5日-)は、キプロス出身のアメリカの化学者である。数多くの天然物全合成に成功している、この分野の世界的第一人者である。
経歴
[編集]キプロス島カラヴァスに生まれ、18歳まで育った。1964年にイングランドに行き、英語を学び大学への入学の準備のため2年間を過ごした。ロンドン大学では化学を学んだ(B.Sc., 1969, ベッドフォード・カレッジ; Ph.D. 1972, ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン, F. Sondheimer教授およびP. J. Garratt教授)。1972年、アメリカに渡り、コロンビア大学(1972年-1973年)のトーマス・カッツやハーバード大学(1973年-1976年)イライアス・コーリー教授のもとでポスドクとして研究した後、ペンシルベニア大学で職を得た。ペンシルベニア大学ではRhodes-Thompson Professor of Chemistryとなった。ペンシルベニア大学にいる間に、誉れの高いスローン・フェローシップを得た。
1989年、カリフォルニア大学サンディエゴ校で化学の教授、スクリプス研究所で化学科主任となる。スクリプス研究所ではDarlene Shiley Professor of Chemistryとなった。1996年、スクリプス研究所に設置されたSkaggs Institute for Chemical BiologyのAline W. and L.S. Skaggs Professor of Chemical Biologyに任命された。2005年から、シンガポール科学技術研究庁の化学合成研究室を指揮している。2013年からライス大学教授。
研究
[編集]パクリタキセル、ブレベトキシン、バンコマイシン、エポチロン、アザスピロ酸、プラテンシマイシンなど多数の複雑な天然物全合成を達成しており、この分野において傑出した実績を挙げている。また全合成の教科書として著名な「Classics in Total Synthesis I・II」などの単行本、各種総説など旺盛な執筆活動でも名高い。
全合成を達成した化合物
[編集]- エンジアンドリン酸A-D(1982年)
- アムホテロノリドBおよびアムホテリシンB(1987年)
- カリケアミシンγ1(1992年)
- シロリムス(ラパマイシン)(1993年)
- タキソール(1994年)
- ザラゴジン酸A(1994年)
- ブレベトキシンB(1995年)
- バンコマイシン(1998年)
- CP-263,114 および CP-225,917(2002年)
著作
[編集]以下は共著の書籍である。
- Classics in Total Synthesis I, 1996[1]
- Classics in Total Synthesis II, 2003[2]
- Classics in Total Synthesis III, 2011[3]
- Molecules That Changed the World, 2008
- Handbook of Combinatorial Chemistry: Drugs, Catalysts, Materials, 2002
- Selenium in Natural Products Synthesis, 1984
受賞・栄誉
[編集]ニコラウは以下の賞を含む数多くの賞を受賞している。
- Aspirin Prize(スペイン)
- Max Tishler Prize Lecture(ハーバード大学)
- Janssen Prize(ベルギー)
- Inhoffen Medal(スペイン)
- ACS Award for Creative Work in Synthetic Organic Chemistry(米国)
- 1996年 ライナス・ポーリング賞
- 1996年 ウィリアム・H・ニコルズ賞
- 1996年 化学パイオニア賞
- 1998年 アーネスト・ガンサー賞
- 1999年 Yamada-Koga prize(微生物化学研究会 日本)
- 2000年 パウル・カラー・ゴールドメダル
- 2001年 エルンスト・シエーリング賞
- 2001年 名古屋メダル(MSD生命科学財団 日本)[4]
- 2001年 センテナリー賞 (王立化学会 イギリス)
- 2003年 Nobel Laureate Signature Award in Graduate Education (with Phil S. Baran)
- 2003〜2005年 トムソン・ロイター引用栄誉賞
- 2002年 テトラヘドロン賞
- 2005年 アーサー・C・コープ賞
- 2008年 アウグスト・ヴィルヘルム・フォン・ホフマン・メダル
- 2011年 ベンジャミン・フランクリン・メダル化学部門(フランクリン研究所、米国)[5]
- 2013年 王立協会外国人会員
- 2016年 ウルフ賞化学部門
- 2021年 コッホ・ゴールドメダル
科学アカデミー会員
[編集]- American Academy of Arts and Sciencesフェロー
- 米国科学アカデミー会員
- Several honorary degrees
脚注
[編集]- ^ Nicolaou, Kyriacos Costa; E. J. Sorensen (1996). Classics in Total Synthesis: Targets, Strategies, Methods. Wiley-VCH. ISBN 3-527-29231-4
- ^ Nicolaou, Kyriacos Costa; S. A. Snyder (2003). Classics in Total Synthesis II: More Targets, Strategies, Methods. Wiley-VCH. ISBN 3-527-30684-6
- ^ Nicolaou, Kyriacos Costa; J.S. Chen (2011). Classics in Total Synthesis III: Further Targets, Strategies, Methods. Wiley-VCH. ISBN 3-527-32957-9
- ^ “Benjamin Franklin Medal in Chemistry”. Franklin Institute (2011年). 2011年12月23日 閲覧。
- ^ “名古屋メダル受賞者一覧(Gold Medal)”. 公益財団法人MSD生命科学財団. 2022年10月6日閲覧。
外部リンク
[編集]- 20世紀アメリカ合衆国の化学者
- 21世紀アメリカ合衆国の化学者
- ウルフ賞化学部門受賞者
- ロベルト・コッホ賞受賞者
- ベンジャミン・フランクリン・メダル (フランクリン協会) 受賞者
- クラリベイト引用栄誉賞受賞者
- 米国科学アカデミー会員
- アメリカ芸術科学アカデミー会員
- アメリカ哲学協会会員
- アメリカ科学振興協会フェロー
- グッゲンハイム・フェロー
- スローン・リサーチフェロー
- 王立協会外国人会員
- 国立科学アカデミー・レオポルディーナ会員
- ライス大学の教員
- カリフォルニア大学サンディエゴ校の教員
- ペンシルベニア大学の教員
- スクリプス研究所の人物
- コロンビア大学出身の人物
- ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン出身の人物
- キプロス出身の人物
- 1946年生
- 存命人物
- ライナス・ポーリング賞の受賞者