国分寺古墳 (倉吉市)
国分寺古墳 | |
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墳丘残存部(左は護国山国分寺の堂宇) | |
別名 | 伯耆国分寺古墳 |
所在地 | 鳥取県倉吉市国府字東前(護国山国分寺境内)[1] |
位置 | 北緯35度26分10.89秒 東経133度47分48.60秒 / 北緯35.4363583度 東経133.7968333度座標: 北緯35度26分10.89秒 東経133度47分48.60秒 / 北緯35.4363583度 東経133.7968333度 |
形状 | 前方後方墳または前方後円墳 |
規模 | (推定)墳丘長50m |
埋葬施設 | 粘土槨(内部に木棺) |
出土品 | 銅鏡3面・鉄器多数ほか |
築造時期 | 4世紀後半 |
史跡 | 倉吉市指定史跡「国分寺古墳」 |
有形文化財 | 出土品(国の重要文化財) |
地図 |
国分寺古墳(こくぶんじこふん、伯耆国分寺古墳)は、鳥取県倉吉市国府にある古墳。形状は前方後方墳または前方後円墳。倉吉市指定史跡に指定され、出土品は国の重要文化財に指定されている。
概要
[編集]鳥取県中部、国府川左岸の沖積地微高地に築造された古墳で[1][2]、周囲に古墳群を形成しない単独墳である[1]。護国山国分寺(伯耆国分寺)境内の本堂裏手に位置し、江戸時代の本堂建立の際に墳丘の一部が破壊されているほか、1922年(大正11年)に埋葬施設が発見・発掘され、その後の市史編纂に際しては測量調査が実施されている[1][2]。
墳形は破壊のため詳らかでなく、古くは前方後円形とされたが、市史の調査以降は前方後方形の可能性も指摘される[1][2]。墳丘長は推定で50メートル程度[1]。墳丘表面で葺石・埴輪は検出されていない[3][2]。埋葬施設は後方部(後円部)中央部における粘土槨で、主軸を東西方向とし、長さ7.2メートル・幅1.8メートル(中央部)・深さ0.45メートルを測り、内部には木棺残欠と見られる木質が認められている[2]。出土品としては、大正期の発掘の際の銅鏡3面・鉄器多数がある[3]。築造時期は古墳時代前期の4世紀初頭頃と推定され、東伯耆地方では最古級の古墳に位置づけられる[1]。
古墳域は1978年(昭和53年)に倉吉市指定史跡に指定され[4]、出土品は1959年(昭和34年)に国の重要文化財に指定されている[5]。なお、付近では箱形石棺墓が発見されたというが、詳らかでない[1]。
遺跡歴
[編集]- 江戸時代、国分寺本堂の建立の際に墳丘の一部が破壊[3]。
- 1922年(大正11年)、埋葬施設の発見・発掘、銅鏡3面ほかの副葬品出土。その後の梅原末治による調査で前方後円墳と報告[1]。
- 1959年(昭和34年)6月27日、出土品が国の重要文化財に指定[5]。
- 1978年(昭和53年)5月23日、倉吉市指定史跡に指定[4]。
- 倉吉市史編纂事業による測量調査。前方後方墳の可能性が浮上(1996年(平成8年)に『新編倉吉市史 第1巻 古代編』刊行)。
出土品
[編集]- 銅鏡 3面
- 柄付鉇 6-7
- 鉄剣 3-4
- 短冊形刃付鉄板 1
- 刀子 1
- 鉄製小形鎌様品 3
- 鉄製斧頭 3
- 鉄製鍬頭様利器 3
- 鉄鏃 2
その他に朱が相当量検出されているが、一方で玉類などの装身具を伴わず、葺石・埴輪も検出されないという特徴を示す[3]。現在では出土品は国の重要文化財に指定されている[5]。
文化財
[編集]重要文化財(国指定)
[編集]- 伯耆国分寺古墳出土品(考古資料) - 内訳は以下。所有者は国分寺。1959年(昭和34年)6月27日指定[5][7][8]。
- 夔鳳鏡 1面
- 三角縁神獣鏡 1面
- 二神二獣鏡 1面
- (附指定)鉄剣・鉄斧頭等 一括
倉吉市指定文化財
[編集]- 史跡
- 国分寺古墳 - 1978年(昭和53年)5月23日指定[4]。
脚注
[編集]参考文献
[編集](記事執筆に使用した文献)
- 国分寺古墳 説明板(倉吉市教育委員会、2016年設置)
- 伯耆国分寺古墳出土品 説明板(鳥取県教育委員会、2017年設置)
- 「国分寺古墳」『日本歴史地名大系 32 鳥取県の地名』平凡社、1992年。ISBN 4582490328。
- 真田広幸「伯耆国分寺古墳」『日本古墳大辞典』東京堂出版、1989年。ISBN 4490102607。
- 加藤誠司「伯耆国分寺古墳」『続 日本古墳大辞典』東京堂出版、2002年。ISBN 4490105991。
関連文献
[編集](記事執筆に使用していない関連文献)
- 岩本崇「伯耆国分寺古墳の再検討」『大手前大学史学研究所紀要 オープン・リサーチ・センター報告 第6号』大手前大学史学研究所、2006年、123-142頁。
- 『伯耆国分寺古墳の研究 -鳥取県倉吉市-(島根大学考古学研究室調査報告 第18冊)』島根大学法文学部考古学研究室・伯耆国分寺古墳研究会、2019年。
外部リンク
[編集]- 伯耆国分寺古墳出土品 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- 伯耆国分寺古墳出土品 - 鳥取県ホームページ「とっとり文化財ナビ」
- 社地区の文化財 > 国分寺古墳、社地区の文化財 > 伯耆国分寺古墳出土品 - 倉吉市ホームページ