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土井八郎兵衛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

土井 八郎兵衛[1](どい はちろうべえ、1872年11月10日明治5年10月10日[2][3] - 1954年昭和29年〉8月12日)は、明治 - 昭和時代の日本林業家、実業家、三重県多額納税[2][4][5][6][7]。土井林業代表取締役[2]。尾鷲索道社長[8][9]。尾鷲銀行頭取[2][10]百五銀行[8]、三重共同貯蓄銀行、北山索道各取締役[2][7][10]。族籍は三重県平民[2][6][10]

来歴

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三重県牟婁郡尾鷲に生まれる。土井嘉八郎の長男[2]。4歳の時に父・嘉八郎が病のため早世する[1]

専修大学理財科を卒業する[7]。祖業の山林業及び林産物製出販売業を継承し、三重県多額納税者に列し、傍ら銀行会社の重役を兼ねる[2]

植林方法を改善して、水力応用の挽材機や原動機を用い、経営を飛躍的に発展させる[11]1897年、尾鷲銀行(現・百五銀行)頭取に就任[11][12]1903年、『紀州尾鷲地方森林施業法』を編纂し、同年第四回大阪内国勧業博覧会に「林業の方法」を出品し名誉金牌を受領する[13]

人物

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『商工資産信用録 第36回 愛知県・三重県・岐阜県・福井県・石川県・富山県』によると、土井八郎兵衛(調査年月・1935年2月)は「正身身代・Gb、信用程度・Aa、職業・植林業」である[14]貴族院多額納税者議員選挙の互選資格を有する[3]。趣味は植木樹木栽培[7][9]。宗教は浄土宗[7][9]。三重県北牟婁郡尾鷲町大字南浦[1][15](現・尾鷲市)。

栄典

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  • 1926年11月26日 - 紺綬褒章[16]
  • 1927年11月19日 - 紺綬褒章[16]
  • 1928年6月6日 - 紺綬褒章[16]
    • 1927年8月、三重県立尾鷲中学校建築費金3万円を寄付する[16]
  • 1944年2月11日 - 緑綬褒章[15]
    • 夙に父祖の業を継ぎて森林業に従事し、施業方法を改善し森林の増殖に努め、又自ら製材工場を創設して正量品の製作に竭力す。其の他県山林会副会長並に尾鷲港山林物産改良組合及小原野土工保護森林組合の組合長として規格の統一品質の改善販売の拡張に努め、又林道を開設して搬出費の軽減を図る等洵に実業に精励し衆民の模範たる者とす[15]

家族・親戚

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土井家

家系について『明治・大正・昭和日本徳行録』によると、「土井家の祖は遠く南朝の忠臣大舘彦五郎氏兼より出て、新田氏に属して臣節を全うした。後元和年間に及び、大舘氏の後裔某土井氏を嗣ぎ、徳川時代に至って紀州家に仕え、後に紀州浜中に帰農し、更に2代を経て尾鷲に移り住んだ。以来200余年間代々八郎兵衛及び嘉八郎を襲名して苗字帯刀を許され大庄屋を勤めた家柄である」という[1]

  • 父・嘉八郎[2]
  • 妻・ふさ1882年 - ?、三重、味岡又八郎の二女)[2][7][9]
  • 長男・靖夫(のち八郎兵衛、1903年 - ?)[7]
    • 同妻・信子1912年 - ?、大河原栄之助の三女)[7]
    • 同長女・由紀子(桑原善次郎の妻)[8]
    • 同二女・樹美子(北村林業社長・北村又左衛門の妻)[8]
    • 同三女・津弥子三田商店会長・三田義三の妻)[8]
    • 同四女・四海子菊正宗酒造社長・嘉納毅人の妻)[8]
    • 同養子・善次郎(のち土井八郎兵衛、十六銀行頭取・桑原善吉の次男)[8]
  • 二男・茂夫1907年 - ?、土井林業会社員)[7]
  • 三男・久夫1909年 - ?、土井林業会社員、群馬、大河原源五郎の養子となる)[7][9]
  • 四男・匡夫(1912年 - ?、三重、味岡眞二郎の養子となる)[7][9]
  • 六男・1919年 - ?)[7][10]
  • 長女・利子1905年 - ?、北村又左衛門の妻)[7]
親戚

著書

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  • 『紀州尾鷲地方森林施業法』[18]

脚注

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  1. ^ a b c d e 『明治・大正・昭和日本徳行録』306頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2024年2月17日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j 『人事興信録 第5版』と11頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2022年1月28日閲覧。
  3. ^ a b 『全国貴族院多額納税者議員互選人名総覧』77頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2022年1月28日閲覧。
  4. ^ 『日本紳士録 第37版附録 多額納税者名簿』32頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2022年1月28日閲覧。
  5. ^ 『日本紳士録 第17版』全国多額納税者 三重県之部(明治45年4月1日調)8頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2022年12月7日閲覧。
  6. ^ a b 『人事興信録 第7版』と12 - 13頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2022年1月29日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m 『人事興信録 第13版 下』ト15頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2021年8月27日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g 閨閥学 (2020年7月31日). “土井家(土井八郎兵衛の家系図・子孫)”. 閨閥学. 2021年5月1日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g 『人事興信録 第14版 下』ト15頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2022年1月28日閲覧。
  10. ^ a b c d 『人事興信録 第6版』と10頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2022年1月29日閲覧。
  11. ^ a b 日本人名大辞典+Plus, デジタル版. “土井八郎兵衛とは”. コトバンク. 2021年4月29日閲覧。
  12. ^ 20世紀日本人名事典. “土井 八郎兵衛とは”. コトバンク. 2021年4月29日閲覧。
  13. ^ 土井八郞兵衞 (第8版) - 『人事興信録』データベース”. jahis.law.nagoya-u.ac.jp. 2021年4月29日閲覧。
  14. ^ 『商工資産信用録 第36回 愛知県・三重県・岐阜県・福井県・石川県・富山県』三重県と之部11頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2022年12月10日閲覧。
  15. ^ a b c 『紅・緑・藍綬褒章名鑑 明治15年〜昭和29年』247頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2024年2月18日閲覧。
  16. ^ a b c d e f 『紺綬褒章名鑑 賞勲局百年資料集 大正8年〜昭和16年』160、208、230頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2024年2月17日閲覧。
  17. ^ a b c d 閨閥学 (2019年12月23日). “北村家(北村謹次郎・北村又左衛門の家系図)”. 閨閥学. 2021年8月28日閲覧。
  18. ^ 紀州尾鷲地方森林施業法 - 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2021年4月29日閲覧。

参考文献

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  • 交詢社編『日本紳士録 第17版』交詢社、1912年。
  • 人事興信所編『人事興信録 第5版』人事興信所、1918年。
  • 人事興信所編『人事興信録 第6版』人事興信所、1921年。
  • 人事興信所編『人事興信録 第7版』人事興信所、1925年。
  • 読売新聞社編『明治・大正・昭和日本徳行録』読売新聞社、1929年。
  • 『全国貴族院多額納税者議員互選人名総覧』銀行信託通信社出版部、1932年。
  • 交詢社編『日本紳士録 第37版附録 多額納税者名簿』交詢社、1933年。
  • 『商工資産信用録 第36回 愛知県・三重県・岐阜県・福井県・石川県・富山県』商業興信所、1935年。
  • 人事興信所編『人事興信録 第13版 下』人事興信所、1941年。
  • 人事興信所編『人事興信録 第14版 下』人事興信所、1943年。
  • 総理府賞勲局編『紅・緑・藍綬褒章名鑑 明治15年〜昭和29年』総理府賞勲局、1980年。
  • 総理府賞勲局編『紺綬褒章名鑑 賞勲局百年資料集 大正8年〜昭和16年』大蔵省印刷局、1986年。

外部リンク

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