地図状舌
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地図状舌 | |
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地図状舌の一例。溝状舌も併存している | |
概要 | |
診療科 | 口腔内科学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | K14.1 |
ICD-9-CM | 529.1 |
OMIM | 137400 |
DiseasesDB | 29512 |
MedlinePlus | 001049 |
eMedicine | derm/001049 |
MeSH | D005929 |
地図状舌(ちずじょうぜつ、geographic tongue)とは、舌背の一部に発生した灰白色の辺縁で縁どられた赤斑が不規則な病巣として広がる口腔粘膜疾患の一つ。自覚症状はほとんどなく、稀にしみると訴えることがある[1]。地図舌(ちずぜつ)とも。
概要
[編集]地図状舌は外傷性および炎症性疾患群に分類され[1]、組織学的には、上皮角化層は好中球やリンパ球浸潤によりその多くが破壊され消失する。多くは、上皮全層に渡る好中球・リンパ球浸潤を認め、上皮表層に十数個の好中球浸潤巣として微小膿瘍の形成が見られる。上皮下結合組織には好中球、リンパ球、形質細胞などの炎症性細胞浸潤が認められる[2]。溝状舌を併発することが多い[2][1]。
原因
[編集]不明である[3][4]。が、溝状舌を合併することが多いため、微生物による刺激が考えられている[4]。このほか、神経性障害、自律神経失調症、ビタミンB欠乏症など[4]。
疫学
[編集]小児や若い女性に多いとされる[3][4]。地図状舌の有病率はHalperinの1953年の調査では11歳~20歳で1.13%、Mikkonenの1982年の調査では17歳~35歳で3.3%であった。日本人では下野らは成人1~8%、幼児3~15%としている[2]他、東北大学の1989年の調査で4.4%であった[1][注 1]。
症状
[編集]自覚症状はほとんどなく、稀にしみる[1]など軽度の疼痛を訴えるほか、味覚異常を訴えることもある[4]。
治療
[編集]症状がない場合には行われないが、痛みがある場合は対症療法がとられる[4]。
追加画像
[編集]-
Another example of geographic tongue, showing strong color contrast between the red and white areas.
注釈
[編集]- ^ 当該論文では調査対象者が寄宿生活者だったため栄養の偏りがあり、高い値がでたのではないかと考察している。
出典
[編集]参考文献
[編集]- 下野正基、野間弘康、山根源之、田中陽一、井上孝 著、下野, 正基、野間, 弘康、山根, 源之 編『アドバンス・シリーズ 1 口腔外科・病理診断アトラス』監修 石川達也、内田安信、稗田豊治、平沼謙二(第1版第2刷)、医歯薬出版、東京都文京区、1994年8月30日。ISBN 4-263-45161-9。
- 高橋紀子・島田義弘「定期歯科検診で検出された某高専校学生における舌疾患の有病状況」『東北大学歯学雑誌』第8巻第1号、東北大学歯学会、宮城県仙台市、1989年6月、19-27頁、ISSN 0287-3915、2009年2月15日閲覧。
- 南雲正男 著「第2章口腔・顔面の疾患 6.口腔粘膜疾患および類似疾患 7)舌縁および類似疾患」、佐藤, 廣、白数, 力也; 又賀, 泉 ほか 編『口腔顎顔面疾患カラーアトラス』監修 道健一(第1版)、永末書店、京都府京都市、2000年11月26日、100-101頁。ISBN 4-8160-1099-8。
- 由良義明 著「6章口腔粘膜 10.舌の病変 1.地図状舌」、白砂兼光、古郷幹彦 編『口腔外科学』(第3版)医歯薬出版、東京都文京区、2010年3月10日、411-413頁。ISBN 978-4-263-45635-4。 NCID BB01513588。