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坂下昭宣

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坂下 昭宣(さかした あきのぶ、1946年11月16日 - )は、日本経営学者神戸大学名誉教授流通科学大学名誉教授。経営学博士(神戸大学・1988年)。専門は経営組織論、組織行動論、社会科学方法論。組織学会会員、日本経営学会顧問、松下社会科学振興財団理事。

略歴

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香川県小豆郡小豆島町生まれ。1965年香川県立小豆島高等学校を卒業。1970年神戸大学経営学部を卒業して日立製作所に入社。のち神戸大学大学院経営学研究科に進学し、学部時代からの師占部都美教授に師事。1975年就職のため神戸大学大学院経営学研究科博士課程を退学し、岡山大学法文学部講師に就任。1979年助教授(1980年の学部再編に伴い、経済学部助教授)を経て、1988年教授に就任。同年、学位論文「仕事モティベーションの理論的および実証的研究」で、神戸大学より経営学博士(論文博士)の学位を取得。

1989年神戸大学経営学部教授に移籍し、1999年同大学大学院経営学研究科教授[1]。 2010年定年退官となり、神戸大学名誉教授[2]。同年、流通科学大学商学部教授に就任し、2012年同大学大学院流通科学研究科長。2015年定年退職となり、流通科学大学名誉教授。

この間、1987年に著書『組織行動研究』で、第3回組織学会高宮賞を受賞。また、組織学会監事(2002年-2005年)、松下社会科学振興財団理事(2003年-)、日本経営学会理事長(2007年-2010年)を歴任。

著書

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単著

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  • 『組織行動研究』白桃書房 1985年
  • 『経営学への招待』白桃書房 1992年
  • 『人を動かす-経営学からみた信長、秀吉、そして松下幸之助-』PHP研究所 1995年
  • 『経営学への招待(改訂版)』白桃書房 2000年
  • 『組織シンボリズム論-論点と方法-』白桃書房 2002年
  • 『経営学への招待(第3版)』白桃書房 2007年
  • 『経営学への招待(新装版)』白桃書房 2014年

共著

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編著

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  • 『日本的経営の本流-松下幸之助の発想と戦略-』PHP研究所 1997年
  • 『経営学大辞典(第2版)』中央経済社 1999年(奥林康司、宗像正幸との共編著)
  • 『次代の経営モデルを懸命に模索する日本企業』関西生産性本部 2001年
  • 『日本企業の戦略インフラの変貌』白桃書房 2004年(加護野忠男、井上達彦との共編著)

翻訳

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  • 『ヴルーム・仕事とモティベーション』千倉書房 1982年(榊原清則、小松陽一、城戸康彰との共訳)

論文

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単著

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  • 「団体交渉の行動科学的モデル」『六甲台論集』第20巻第3号 1973年
  • 「技術と職務満足」『岡山大学経済学会雑誌』第8巻第3・4号 1977年
  • 「条件理論および条件理論的視角の因果論的意味-線型関係の場合を中心に-」『岡山大学経済学会雑誌』第9巻第3号 1978年
  • 「コンティンジェンシー理論の因果論的意味」『組織のコンティンジェンシー理論』白桃書房 1979年
  • 「仕事意欲の決定因の研究」『戦略的決定と組織』白桃書房 1980年
  • 「リーダーシップとモティベーション」『組織の行動科学』有斐閣 1981年
  • 「欲求理論と人間行動」『組織の中の人間行動』有斐閣 1982年
  • 「期待行動のプロセス・モデルの構築とその有効性の検証[Ⅰ]」『岡山大学経済学会雑誌』第16巻第1号 1984年
  • 「期待行動のプロセス・モデルの構築とその有効性の検証[Ⅱ]」『岡山大学経済学会雑誌』第16巻第2号 1984年
  • 「仕事モティベーションの規定要因-期待理論から演繹される仮説とその実証の試み-」『経営学論集』(日本経営学会)第54巻 1984年
  • 「期待行動のプロセス・モデルの構築とその有効性の検証[Ⅲ]」『岡山大学経済学会雑誌』第16巻第3号 1984年
  • 「期待行動のプロセス・モデルの構築とその有効性の検証[Ⅳ]」『岡山大学経済学会雑誌』第16巻第4号 1985年
  • 「期待行動のプロセス・モデルの構築とその有効性の検証[Ⅴ]」『岡山大学経済学会雑誌』第17巻第1号 1985年
  • 「期待行動のプロセス・モデルの構築とその有効性の検証[Ⅵ・完]」『岡山大学経済学会雑誌』第18巻第1号 1986年
  • 「新しい組織論-モチベーション-」『日本経済新聞』(寄稿) 1986年12月
  • 「戦略ビジョンと新事業開発-技術コンセプトを媒介として-」『岡山大学経済学会雑誌』第20巻第4号 1989年
  • 「企業の成長戦略」『税経セミナー』(税務経理協会)第35巻第13号 1990年
  • 「企業の競争戦略」『税経セミナー』(税務経理協会)第35巻第14号 1990年
  • 「企業の組織構造-組織構造論の展開-」『税経セミナー』(税務経理協会)第35巻第15号 1990年
  • 「企業の組織形態-組織編成の原理と方法-」『税経セミナー』(税務経理協会)第35巻第17号 1990年
  • 「企業のインセンティブ・システム」『税経セミナー』(税務経理協会)第36巻第1号 1991年
  • 「企業のリーダーシップ」『税経セミナー』(税務経理協会)第36巻第3号 1991年
  • 「企業の組織文化」『税経セミナー』(税務経理協会)第36巻第6号 1991年
  • 「組織文化とシンボリック・マネジャー」『国民経済雑誌』(神戸大学経済経営学会)第165巻第4号 1992年
  • 「仕事意欲の構造」『ヒューマン・リソース』総合法令 1993年
  • 「創業経営者のビジョナリー・リーダーシップと組織文化」『岡山大学経済学会雑誌』第26巻第3・4号 1995年
  • 「人を動かす二つの仕組み-期待理論再考-」『国民経済雑誌』(神戸大学経済経営学会)第172巻第1号 1995年
  • 「経営理念と企業行動-松下経営文化体試論-」『国民経済雑誌』(神戸大学経済経営学会)第176巻第3号 1997年
  • 「官僚制組織の誤算-大蔵省汚職が示唆する教訓-」『毎日新聞』(寄稿) 1998年3月
  • 「思想家・実践家としての松下幸之助」『松下幸之助研究』VOL.1 1998年
  • 「天地自然の理にかなう経営」『松下幸之助研究』VOL.2 1998年
  • 「日本的人事システムの変革と企業の戦略・組織」『ビジネス・インサイト』第6巻第4号 1998年
  • 「組織シンボリズム研究の視圏」『国民経済雑誌』(神戸大学経済経営学会)第179巻第6号 1999年
  • 「組織シンボリズム論の論点と方法」『国民経済雑誌』(神戸大学経済経営学会)第183巻第4号 2001年
  • 「二つの組織文化論-機能主義と解釈主義-」『国民経済雑誌』(神戸大学経済経営学会)第184巻第6号 2001年
  • 「機能主義的組織シンボリズム論の形成と展開」『研究年報』(神戸大学大学院経営学研究科)第47巻 2001年
  • 「モチベーション理論-人を仕事に動機づけていく理論と方法-」『リーダーシップ・ストラテジー』第1巻第2号 2002年
  • 「日本企業の戦略・組織・人事の動向」『経営学論集』(日本経営学会)第72巻 2002年
  • 「組織文化はマネジメント可能か」『国民経済雑誌』(神戸大学経済経営学会)第186巻第6号 2002年
  • 「「意味の組織論」としての組織シンボリズム論」『組織科学』(組織学会)第37巻第2号 2003年
  • 「組織論の展開過程」『商学論究』(関西学院大学商学研究会)第51巻第4号 2004年
  • 「エスノグラフィー・ケーススタディ・サーベイリサーチ」『国民経済雑誌』(神戸大学経済経営学会)第190巻第2号 2004年
  • 「組織文化論の社会学的基盤」『経営学論集』(日本経営学会)第74巻 2004年
  • 「経営組織論の不連続的展開-組織構造論から組織文化論へ-」『国民経済雑誌』(神戸大学経済経営学会)第193巻第4号 2006年
  • 「経営学の潮流:組織論のメタファー」『ビジネス・インサイト』No.61 2008年
  • 「組織研究の方法と基本仮定-経営学との関連で-」『現代経営学の新潮流-方法・CSR・HRM・NPO-』(経営学史学会編)文眞堂 2008年
  • 「因果分析の方法-ケーススタディとサーベイリサーチの方法論的比較-」『商学論究』(関西学院大学商学研究会)第61巻第4号 2014年
  • 「第53回大会~第55回大会:統一論題論点とその意義」『日本経営学会史-創設51周年から90周年まで-』(日本経営学会編)千倉書房 2017年

他多数。

共著

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  • 「岡山県下企業の会計組織と企業成果」『岡山大学産業経営研究会研究報告書』第21号 1986年(佐藤倫正との共著)
  • 「意味の組織論の展望-「共有された意味体系」概念の再検討-」『国民経済雑誌』(神戸大学経済経営学会)第201巻第2号 2010年(小江茂徳、木佐森健司との共著 )

脚注

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  1. ^ 『現代日本人名録』2002
  2. ^ 坂下昭宣” (PDF). 神戸大学. 2017年12月24日閲覧。
先代
小林俊治
日本経営学会理事長
2007年 - 2010年
次代
高橋俊夫