城下まち金沢周遊
城下まち金沢周遊(じょうかまちかなざわしゅうゆう)は、北陸鉄道が石川県金沢市内の観光地を結ぶために観光客向けに運行している路線バスである[1][2][3]。北陸鉄道のウェブサイトあるいはマスメディアでの報道では城下まち金沢周遊バスの表記が使用される[1][2][3][4]。
概要
[編集]1994年(平成6年)[5]、金沢駅東口から武蔵ヶ辻・兼六園下を経由し金沢駅東口へ戻るルートで運行を開始した[1]。運行開始当初の名称は「城下まちかなざわ周遊」[5]、前述のルートで運行していたが、2011年(平成23年)に金沢市が運行実験として逆回りルートを運行した結果を踏まえ、開始当初のルートを「右回りルート」、その逆回りルートを「左回りルート」として2014年(平成26年)から運行している[1][6][7]。
当初は大型バスで運行したが、2000年(平成12年)にボンネットバスを導入[5]。その後、2015年(平成27年)の北陸新幹線開業による観光客の増加を見越して、2014年(平成26年)に新設した「左回りルート」で車両を大型化(車両については後述)[1][6][7]。日中の時間帯に15分間隔のダイヤで[3]、1周約40分のルートで運行している[8]。
歴史
[編集]運行路線
[編集]ダイヤなど詳細は公式サイトを参照。
右回りルート | |||
---|---|---|---|
№ | 停留所 | ふりがな | 備考 |
RL0 | 金沢駅東口 | かなざわえき | |
RL1 | 明成小学校前 | めいせいしょうがっこうまえ | |
RL2 | 小橋町 | こばしまち | 小橋から2016年4月1日に移設改称[要出典]。 |
RL3 | 森山一丁目 | もりやま1ちょうめ | |
RL4 | 橋場町 (ひがし・主計町茶屋街) |
はしばちょう | |
RL5 | 橋場町 (金城楼前) |
はしばちょう | |
RL6 | 兼六園下・金沢城 (石川門向い) |
けんろくえんした・かなざわじょう | 2014年12月「兼六園下」より改称[11]。 |
RL7 | 広坂・21世紀美術館 (石浦神社前) |
ひろさか・21せいきびじゅつかん | 2014年12月「広坂」より改称[11]。 |
RL8 | 本多町 (北陸放送前) |
ほんだまち | |
RL9 | 桜橋 | さくらばし | 2017年4月1日新設[要出典]。 |
RL10 | 広小路 (大桜前) |
ひろこうじ | 2016年4月1日新設[要出典]。 |
RL11 | 片町 | かたまち | |
RL12 | 香林坊 (旧日銀前) |
こうりんぼう | |
RL13 | 南町・尾山神社 | みなみちょう・おやまじんじゃ | 2014年12月「南町」より改称[11]。 |
RL14 | 武蔵ヶ辻・近江町市場 (エムザ 黒門小路前) |
むさしがつじ・おうみちょういちば | 2014年12月「武蔵ヶ辻」より改称[11]。 |
(RL0) | (金沢駅東口) | かなざわえき | |
金沢駅発 | 所要 | 間隔 | |
8:35 - 18:05[1] | 約40分[8] | 15分 |
左回りルート | |||
---|---|---|---|
№ | 停留所 | ふりがな | 備考 |
LL0 | 金沢駅東口 | かなざわえき | |
LL1 | 武蔵ヶ辻・近江町市場 (いちば館前) |
むさしがつじ・おうみちょういちば | 2014年12月「武蔵ヶ辻」より改称[11]。 |
LL2 | 南町・尾山神社 | みなみちょう・おやまじんじゃ | 2014年12月「南町」より改称[11]。 |
LL3 | 香林坊 (アトリオ前) |
こうりんぼう | |
LL4 | 片町 (パシオン前) |
かたまち | |
LL5 | 広小路 (寺町寺院群・にし茶屋街) |
ひろこうじ | |
LL6 | 桜橋 | さくらばし | 2014年4月新設[要出典]。 |
LL7 | 本多町 (金沢歌劇座前) |
ほんだまち | |
LL8 | 広坂・21世紀美術館 (石浦神社向い) |
ひろさか・21せいきびじゅつかん | 2014年12月「広坂」より改称[11]。 |
LL9 | 兼六園下・金沢城 (白鳥路前) |
けんろくえんした・かなざわじょう | 2014年12月「兼六園下」より改称[11]。 |
LL10 | 橋場町 (金城楼向い) |
はしばちょう | 大樋美術館向いから2015年9月16日に移設[要出典]。 |
LL11 | 東山三丁目 | ひがしやま3ちょうめ | 橋場町(主計町・ひがし茶屋街)から2015年9月17日に移設改称[要出典]。 |
LL12 | 小橋町 | こばしまち | |
LL13 | 明成小学校前 | めいせいしょうがっこうまえ | 2016年4月1日新設[要出典]。 |
(LL0) | (金沢駅東口) | かなざわえき | |
金沢駅発 | 所要 | 間隔 | |
8:30 - 18:00[1] | 約40分[8] | 15分 |
車両
[編集]前述のとおり、2014年(平成26年)の左回りルート設定時から車両を大型化している[6]。現在の使用車両は日野・ブルーリボンで[12][13]、原則として右回りルートは赤色、左回りルートは緑色の車両を使用している(写真参照)。2022年(令和4年)時点で7台が運用されている[2][3]。
開業当初は、前後折戸を採用した大型車(日野・ブルーリボン)を城下まち金沢周遊専用車として使用[5][14]。この車両は金沢地区の一般路線に転用されたが、全車両引退している。
2代目はボンネットタイプの三菱ふそう・ローザ[15]で、金沢ゆかりの文人の名前から、鏡花(赤)、秋声(緑)、犀星(青、2両)の名がついた3種類(4両)を2000年(平成12年)に導入[5]。2013年(平成25年)には、北陸鉄道創立70周年の記念事業として1978年(昭和53年)に引退したボンネットバスを当時のカラーリングで復刻させ城下まち金沢周遊で使用した[16][17]。このボンネットタイプは2014年(平成26年)に大型バスが導入された後も右回りルートで使用されたものの、2016年(平成28年)3月で引退している[10][15]。
3代目は日野・ポンチョをベースにしたノンステップレトロバス・鏡花(赤)の計5両のバスで運行されたが、2016年(平成28年)に引退し路線バスのカラーリングで加賀白山バスで使用されている[18]。
乗車券
[編集]1乗車おとな(中学生以上)210円、こども(小学生)110円の均一制。既に発売を終了した金額回数券は使用できるが、定期券は使用できない。利用できる乗車券ならびに過去に利用できた乗車券は以下のとおり。
現在
[編集]2023年(令和5年)時点、期間限定で販売するものも含む。
- 金沢市内1日フリー乗車券[19]
- 「北鉄バス1日フリー乗車券」を2020年(令和2年)4月1日、おとな600円、こども300円に値上げし、西日本JRバスの金沢市内の一部区間もエリアに含みリニューアル[20]。2023年(令和5年)7月1日、おとな800円、こども400円に値上げし、北陸鉄道浅野川線と北陸鉄道石川線の一部区間もエリアに追加[21]。
- 2022年(令和4年)10月17日から、城下まち金沢周遊の全車両7台に導入[2][3][4]。金沢市と国の補助を受けて導入したが[3][4]、交通系ICカードが利用できるのはこの7台のみとなっている[2][3]。
過去
[編集]- 西日本旅客鉄道(JR西日本)の特別企画乗車券。2人以上の利用でかつ「かえり券」提示が必要。
- 金沢・加賀・能登ぐるりんきっぷ[28]
- 東海旅客鉄道(JR東海)の特別企画乗車券。利用条件はJR西日本の「ぐるりんパス」と同じであるが、現在は販売を終了している。
- 金沢加賀tabiwaパス[29]
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)のMaaSアプリ「tabiwa by WESTER」のデジタル乗車券。城下まち金沢周遊のほかに、西日本JRバスの金沢市内の一部区間、加賀市の観光周遊バス「加賀周遊バス キャン・バス」(日本海観光バス)全路線が対象となっている[29]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h “「城下まち金沢周遊バス」に左回りルート-にし茶屋街などへのアクセス向上”. 金沢経済新聞 (2014年4月25日). 2019年3月6日閲覧。
- ^ a b c d e f “金沢周遊バス、スイカやイコカ対応へ 北鉄が支援要望”. 朝日新聞デジタル. (2022年5月20日). オリジナルの2022年5月20日時点におけるアーカイブ。 2023年1月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “Suica(スイカ)使えて県外客「便利」 金沢周遊バスで利用開始 北陸鉄道2路線で”. 北國新聞. (2022年10月17日). オリジナルの2022年10月17日時点におけるアーカイブ。 2023年1月6日閲覧。
- ^ a b c d “全国交通系ICカード対応 金沢周遊バス 17日から”. 北陸中日新聞Web. (2022年10月8日). オリジナルの2023年1月3日時点におけるアーカイブ。 2023年1月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g h バスジャパン 2021, p. 46.
- ^ a b c d “「逆回り」4月から運行 周遊バス 便利に”. 中日旅行ナビぶらっ人 (2013年12月18日). 2015年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月6日閲覧。
- ^ a b c バスジャパン 2021, p. 52.
- ^ a b c バスジャパン 2021, p. 53.
- ^ 3月14日ダイヤ改正 北陸鉄道グループのバス・鉄道がさらに便利に - ウェイバックマシン(2015年3月11日アーカイブ分)
- ^ a b “ボンネットバス:引退へ 「城下町の足」さようなら 大型に切り替え 北鉄鉄道/石川”. 毎日新聞 (2013年9月19日). 2019年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 観光客にわかりやすい「バス停留所名称」への変更および「LED行先表示」の拡大について - ウェイバックマシン(2014年12月19日アーカイブ分)
- ^ バスジャパン 2021, p. 2.
- ^ バスジャパン 2021, p. 31.
- ^ 社号24-411 - 北陸鉄道
- ^ a b 社号90-576 - 北陸鉄道
- ^ “35年前のボンネットバス復刻-金沢・北陸鉄道が創立70周年記念企画”. 金沢経済新聞 (2013年9月19日). 2019年3月6日閲覧。
- ^ “石川県の北陸鉄道、創立70周年記念で1970年代のボンネットバス塗装を復刻”. マイナビニュース (2013年9月11日). 2019年3月6日閲覧。
- ^ 社号28-824 - 北陸鉄道
- ^ 金沢市内1日フリー乗車券 - 北陸鉄道
- ^ 『【金沢一般路線バス】金沢市内1日フリー乗車券でご利用いただけるようになります(4/1~)』(プレスリリース)西日本ジェイアールバス、2020年1月30日 。2023年1月6日閲覧。
- ^ 『金沢市内1日フリー乗車券のリニューアルについて(7/1)』(プレスリリース)北陸鉄道、2023年6月1日 。2023年7月1日閲覧。
- ^ 『クレジットカードやデビットカード等のタッチ決済による新たなキャッシュレス乗車システムを一部エリアで開始します』(プレスリリース)北陸鉄道株式会社・北陸鉄道グループ・株式会社北國フィナンシャルホールディングス、2024年2月22日 。2024年11月29日閲覧。
- ^ “城下まち金沢周遊バスでもICaがご利用いただけるようになります(12/11)”. 北陸鉄道 (2024年11月29日). 2024年11月29日閲覧。
- ^ a b “【石川】金沢 バス乗りまっし 1日券スマホアプリ導入”. 中日旅行ナビぶらっ人 (2021年10月19日). 2023年1月6日閲覧。
- ^ a b “金沢市のデジタル乗車券サービス 航空会社アプリ連携”. 日本経済新聞. (2022年12月8日) 2023年1月6日閲覧。
- ^ JRおでかけネット 金沢・加賀・能登ぐるりんパス - 西日本旅客鉄道
- ^ 『「金沢・加賀・能登ぐるりんパス」を発売します!』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2015年2月26日 。2019年8月8日閲覧。
- ^ 『「金沢・加賀・能登ぐるりんきっぷ」の発売について』(PDF)(プレスリリース)東海旅客鉄道、2015年2月27日 。2019年8月8日閲覧。
- ^ a b 『北陸・せとうち観光ナビ「tabiwa by WESTER」北陸エリアでの「tabiwa周遊パス」・「tabiwaチケット」の発売について』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2022年11月14日 。2023年1月6日閲覧。
参考文献
[編集]- 『バスジャパン ハンドブックシリーズ V107 北陸鉄道』星雲社、2021年10月1日。ISBN 978-4-434-29498-3。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 城下まち金沢周遊バス - 北陸鉄道