堀尾貞治
堀尾 貞治(ほりお さだはる、1939年 - 2018年11月3日[1][2])は、日本の現代美術家。兵庫県神戸市生まれ[3]。
三菱重工業神戸造船所に勤める傍ら、1950年代半ばから創作活動を開始する。65年から具体美術展に出品、66年具体美術協会会員となり具体解散まで出品を続けた。兵庫県立近代美術館によるシリーズ展「アート・ナウ」へは76年、81年(1970~1980)に出品。79年に神戸三宮東門筋のうどん屋の二階に「東門画廊」を開設し、85年に同所で個展「あたりまえのこと」を開催。それは、あたりまえすぎて意識にのぼらない存在を、美術の力で可視化しようとする作家としての決意表明であった。これ以降、堀尾のすべての作品に「あたりまえのこと」が冠され、制作コンセプトを貫くバックボーンとなる。85年より身の回りの物に1日1色を塗るという「色塗り」を開始。1997年からは、毎朝起床後10枚程の紙を床にひろげ、一枚1分以内で書き上げる「一分打法」を開始。「色塗り」「一分打法」は終生制作をつづけ、数万点を制作している。定年後は、年に100回を超える個展やパフォーマンス活動を行う。2002年、芦屋市立美術博物館にて個展開催。2005年、横浜トリエンナーレに現場芸術集団「空気」とともに参加。毎日新作パフォーマンスを行うと共に、百円を投入すると“小屋”の中で即席に作られた作品がでてくる「百均絵画」を発表。 The Armory Showでは「Art Vending Machine - 1$ Paintings」(アートの自販機)とした。2010年代に入ると国際的に評価も高まり、アントワープ、ヴェネチア、ニューヨーク、香港で個展を開催。絵画からパフォーマンスまで多彩な活動を展開した。
概要
[編集]1957 第10回芦屋市展 / 精道小学校講堂、芦屋(以後20007年の第59回展まで連続出品)
1963 兵庫県展 知事賞受賞
1964 京都アンデパンダン展 / 京都市美術館(以後1991年まで連続出品)
1966 具体美術協会のメンバーとなり、1972年解散まで在籍[4]
1968 個展 / グタイピナコテカ、大阪
1975 パリに遊学
1981 アート・ナウ '70~'80 / 兵庫県立近代美術館、神戸
空間 - 知覚の拡がり展 '81 / 京都市美術館
1982 明日の美術館に向かって- 美術劇場 / 兵庫県立近代美術館、神戸
1985 個展 / アートスペース虹、京都 (以降2017年閉廊まで毎年年明けに開催)
個展「あたりまえのこと」 / ギャラリークオーレ、大阪
1986 日本・ハワイ現代美術交流展 / ABCギャラリー、大阪
1987 個展「今日の作家シリーズ 20 堀尾貞治展:DAY BY DAY」 / 大阪府立現代美術センター
1988 物+物展 / ギャラリーP&P、韓国・ソウル
1989 墨の世界 / 西武ホール、大津
1990 兵庫の抽象3人展(田中徳喜、吉見敏治、堀尾貞治)/ アートホール神戸
1992 具体美術協会の作家たち / 宮城県美術館
1993 第1回六甲アイランド Water Front Open Air Play / 六甲アイランドマリンパーク、神戸
1994 丹南アートフェスティバル(オープニングパフォーマンス 「音のたし算」)/ 武生市中央公園
心の時代 彫刻と造形 / 高柳の里、豊岡
1995 個展「震災風景展」 / 神戸、武生、福井
2000 個展「神出鬼没★堀尾アート I期&II期」 / 枚方市立御殿山美術センター
2001 個展「あたりまえのこと 白紙に戻す」 / ナノリウム、山梨県富士吉田市
2002 個展「堀尾貞治展 あたりまえのこと」/ 芦屋市立美術博物館(38日間の会期中毎日パフォーマンス)
未来予想図 私の人生劇場/兵庫県立美術館
2003 空気美術館 in 兵庫運河(堀尾貞治+現場芸術集団「空気」)/兵庫運河、神戸
2004 「まち」がミュージアム '2004 / 山梨県富士吉田市
2005 横浜トリエンナーレ 2005(堀尾貞治+現場芸術集団「空気」)/ 山下ふ頭、横浜:連続82日のパフォーマンス
2006 マイ・ルール展 / ボーダレス・アートギャラリーNO-MA、近江八幡
2007 呼応する精神 / カールトン大学、 カナダ・オタワ
2009 イン=フィニタム / フォルチュニー美術館、イタリア・ヴェネツィア
2010 第18回国際丹南アートフェスティバル/越前市民ホール2011 Frankfurter Positionen : Atarimae-no-koto (堀尾貞治+現場芸術集団「空気」)/ Frankfurt LAB、ドイツ・フランクフルト
個展「Sadaharu Horio - Atarimae-no-koto」/ Axel Vervoord Gallery, ベルギー・アントワープ
2012 エクスプロージョン(爆発) - アクションとしての絵画 / ストックホルム近代美術館、スウェーデン
2013 Gutai: Splendid Playground(オープニングパフォーマンス) / グッゲンハイム美術館、米国・ニューヨーク
タピエス 美術家の視点 / フォルチュニー美術館、イタリア・ヴェネツィア
2014 個展「堀尾貞治 あたりまえのこと<今>」/ BBプラザ美術館、神戸
Printemps Japonais(日本の春)(堀尾貞治+現場芸術集団「空気」) / フランス・リール
個展「Atarimae-no-koto」 / チェリーガーデン、スウェーデン・ゴットランド島
2015 アートフェア「Art Brussels」(Axel Vervoordt Galleryからの招へい) / Brussels Expo、ベルギー・ブリュッセル
個展「Sadaharu Horio」 /Axel Vervoordt Gallery Hong Kong、香港
ThinkTank lab Triennale : Two Sticks / ヴロツワフ建築美術館、ポーランド・ヴロツワフ
2016 アートフェア「2016 BAMA」 / 韓国・釜山
Process, Performance, Presence / ブラウンシュヴァイク・アートセンター、ドイツ・ブラウンシュヴァイク
A Feverish Era in Japanese Art(オープニングパフォーマンス)/ BOZAR ブリュッセル美術センター、ベルギー・ブリュッセル
奈良・喜多ギャラリーにて千点以上の絵画を制作(2月〜11月)
2017 アートフェア「The Armony show 2017」(Axel Vervoordt Galleryからの招へい) / Piers 90 & 92, New York
個展「堀尾貞治 あたりまえのこと」/岡山 吉備高原アートハウス
東アジア文化都市2017京都「アジア回廊 現代美術展」(堀尾貞治+現場芸術集団「空気」)/京都芸術センター・二条城
芦屋神社芸術祭」: 劉長煒「陶+(トータス) XXXV」 堀尾貞治「あたりまえのこと」/芦屋神社
2018 個展「Sadaharu Horio」 / Axel Vervoordt Gallery, ベルギー・アントワープ
個展「Sadaharu Horio」 / Axel Vervoordt Gallery, 香港
カタストロフと美術のちから展/森美術館 東京
11月3日 自宅近くの少年時代の遊び場で1970年代から作品展示、パフォーマンスを数多く行った兵庫運河貯木場跡で自死
2022 個展「ALIVE4_堀尾貞治について」 / Gallery NAO MASAKI, 名古屋
地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング/ 森美術館 東京
2023 個展「堀尾貞治 あたりまえのこと 千点絵画」/BBプラザ美術館 兵庫
脚注
[編集]- ^ “ときの忘れもの 堀尾貞治 Sadaharu HORIO”. tokinowasuremono.com. 2021年1月16日閲覧。
- ^ “前衛美術「具体」元メンバー堀尾貞治さん死去 79歳”. 神戸新聞NEXT. (2018年11月4日) 2018年11月5日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “堀尾 貞治|HORIO Sadaharu(1939-2018) | 鳩ノ森美術 HATONOMORI ART”. 2021年1月16日閲覧。
- ^ “堀尾貞治 – GYFA”. 2021年1月16日閲覧。