堀田良幸
堀田 良幸(ほりた よしゆき、1949年[1][2] - )は、日本のアマチュア化石収集家。北海道むかわ町在住[3]。カムイサウルス・ジャポニクスやフィロプチコセラス・ホリタイの発見者として知られる。
化石採集
[編集]アンモナイトを中心とした化石採集を趣味としており[4]、層準を色分けした自作の地質図を使って採集を行っている[5]。
1990年ごろ、現むかわ町の旧穂別町の河川沿いでノジュールを採集し、2002年に穂別町立博物館(現在のむかわ町穂別博物館)に寄贈した。2020年6月から開始されたクリーニング作業の後、ノジュール内の化石は鳥類に近縁な小型獣脚類の恐竜であることが明らかになり、2021年1月6日に公表された[6][7]。
2003年4月9日[5]には、リハビリとして旧穂別町稲里に流れる白船沢沿いを歩いていた際、露頭の中腹が変色していることに気付き、石灰質ノジュールの割れた断面から露出していた脊椎動物の骨化石を発見。ウミガメやモササウルス類と比較して骨組織が密であったことからワニの尾と判断し、直後に穂別町立博物館の櫻井和彦に連絡して同館に寄贈した。化石は2011年にハドロサウルス科の恐竜の尾椎骨であることが判明した。この恐竜は「むかわ竜」と呼称されて幾度もメディアに駆り出され、堀田自身も発見者として記者発表などに足を運んだ[8][9][10]。
2008年ごろには平取町長知内[11]で正体不明のアンモナイト化石を採集した。数年保管した後に2011年に穂別博物館に寄贈した後、フィロプチコセラス属の新種であることが明らかになった。これは日本および北西太平洋地域におけるフィロプチコセラスの初産出となり、2013年7月に記載された際には堀田への献名としてフィロプチコセラス・ホリタイと命名された[12][13]。
また、このほかにも軟骨魚類やカメの化石を蝦夷層群や函淵層群で採集し穂別博物館に寄贈している[14]。
大衆メディア出演
[編集]テレビ番組
[編集]書籍
[編集]- 土屋健『ザ・パーフェクト 日本初の恐竜全身骨格発掘記』(2016年、ISBN 978-4416616369)
- 土屋健『漫画 むかわ竜発掘記』(2019年、ISBN 978-4416519455)
出典
[編集]- ^ 岩本美帆 (2019年9月27日). “化石が眠る土「ほのかに変色」 むかわ竜発見の堀田さん”. 朝日新聞 2021年6月4日閲覧。
- ^ “新種?恐竜の化石発見 むかわ町穂別地区 むかわ竜に続き2例目”. 北海道新聞. (2020年1月6日) 2021年6月4日閲覧。
- ^ 「「むかわ竜」出現 全身の骨、ほぼ発見 恐竜博2019」『朝日新聞』2019年6月15日。2021年2月4日閲覧。
- ^ 「特集 恐竜・化石を活かしたまちづくり」『創る』第5巻、北海道、2017年、6頁、2021年2月4日閲覧。
- ^ a b “よみがえれ むかわ竜! 奇跡の全身骨格化石”. 北海道新聞. 北海道新聞社. 2021年2月4日閲覧。
- ^ 「穂別で2例目の恐竜化石、北大・小林教授「新種の可能性高く」」『苫小牧民報』2021年1月7日。2021年2月4日閲覧。
- ^ 西川祥一「新型恐竜の化石?北海道で確認 鳥への進化解明に期待」『朝日新聞』2021年1月7日。2021年2月4日閲覧。
- ^ “日本の竜の神 カムイサウルス・ジャポニクス(通称 むかわ竜(むかわ町穂別産))”. むかわ町. 2021年2月4日閲覧。
- ^ 岩本美帆「むかわ竜は放置された 「町長、もっと感動して下さい」」『朝日新聞』2019年9月21日。2021年2月4日閲覧。
- ^ “カムイサウルス発掘展パネル”. むかわ町. 2021年2月4日閲覧。
- ^ “フィロプチコセラス・ホリタイ”. むかわ町恐竜ワールド. むかわ町. 2021年2月4日閲覧。
- ^ 『日本および北西太平洋地域から初めてフィロプチコセラス属アンモナイトを発見 新種フィロプチコセラス・ホリタイと命名』(PDF)(プレスリリース)穂別博物館、2013年7月1日、1,2頁 。2021年2月4日閲覧。
- ^ 「北海道に新種アンモナイト 収集家が発見」『千葉日報』2013年7月1日。2021年2月4日閲覧。
- ^ 櫻井和彦「穂別町立博物館の所蔵する脊椎動物化石」『穂別町立博物館研究報告』第21巻、穂別博物館、2005年、25,37、2021年2月4日閲覧。
- ^ 溝内正剛「学ぶ楽しさ」『NHKティーチャーズ・ライブラリー』第11巻、NHK、2019年、61頁、2021年2月5日閲覧。
- ^ “刷新される恐竜像と私たち~21世紀の恐竜番組~”. NHK. 2021年2月4日閲覧。