士幌小屋チセフレップ
士幌小屋チセ・フレップ | |
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チセ・フレップ (2012年1月28日 撮影) | |
情報 | |
用途 | 山小屋 |
事業主体 | 士幌小屋設立委員会 |
管理運営 | 士幌チセ・フレップ管理運営委員会 |
建築面積 | 45.4 m² |
延床面積 | 64.8 m² |
階数 | 2階 |
着工 | 1978年 08月 21日 |
竣工 | 1978年 10月 23日 |
所在地 |
〒080-1200 北海道河東郡士幌町字上音更21-287 |
座標 | 北緯43度14分30.6秒 東経143度07分46.5秒 / 北緯43.241833度 東経143.129583度座標: 北緯43度14分30.6秒 東経143度07分46.5秒 / 北緯43.241833度 東経143.129583度 |
士幌小屋チセ・フレップ(しほろごやチセ・フレップ、アイヌ語 : cise hurep または cise frep)は、北海道大学の恵迪寮にある士幌小屋チセ・フレップ運営特別委員会と、士幌町が共同で管理・運営している山小屋。1978年に恵迪寮の寮生有志が北大OBや士幌町、北海道庁などの支援を受けて設立した[1]。
概要
[編集]木造2階建て、収容人数は30人程度を想定しているが、それ以上の人数でも収容可能な広さを持っている。石油ストーブが備えられており、電気や水道、ガスが使用可能で、炊事場やトイレなどの設備も整備されている[1]。管理人は常駐しておらず、利用するには士幌町役場か北海道大学恵迪寮事務室へ申し込む必要がある。
利用対象者は基本的に北海道大学関係者と士幌町民となっており[2] 、主に北大の研究室やサークルの合宿、恵迪寮生の行事や旅行の拠点として使われている。
北大生と士幌町民との交流の拠点としても活用されており、士幌町内の小中学生を対象に、学習を支援する「子ども学習サポート塾」活動や、サマーキャンプなどが寮生によって実施されている[3]。 これらの活動は地域貢献活動として北海道大学にも認められ、活動主体となっている恵迪寮自治会の士幌小屋チセ・フレップ運営特別委員会は2015年に「北大えるむ賞」を受賞した[4][5]。
2018年には設立40周年記念に合わせて、士幌町と恵迪寮による山小屋の運営・維持管理に関する協定の更新が行われ、 さらに屋根の塗り直しとトイレの洋式化が行われた[6]。
昭和53年第70回記念祭歌『草は萠え出で』
[編集]北海道大学恵迪寮では1907年(明治40年)より、(2022年現在においても)伝統的に毎年新作の寮歌を作り続けており、 特に10年に1回は毎年作られる寮歌とは別に、恵迪寮祭に合わせて記念祭歌が作られている[7]。
チセ・フレップができた年は第70回恵迪寮祭の年であり、この時に作られた昭和53年第70回記念祭歌『草は萠え出で』(作詞:朝倉仁樹、作曲:田坂幸平)3番の歌詞には 「士幌に山小屋(こや)をうち建てぬ」とチセ・フレップのことが歌いこまれている[7]。
気高き野心の男の児等が 士幌に山小屋をうち建てぬ 十勝の山と平原に抱かれ 果てなく魂翔けるなり 厳しき北の大地より 新たな夢に飛びたたん
— 北海道大学恵迪寮寮歌集、昭和53年第70回記念祭歌『草は萠え出で』3番[7]
沿革
[編集]- 1975年(昭和50年)10 月 - 第67回恵迪寮祭の講演会に当時士幌幼稚園長であった結城清吾を招く[1]。
- 1976年(昭和51年)
- 1977年(昭和52年)9 月 - 北大教員、寮OB、寮生などから寄付金を募る活動を行う[1]。
- 1978年(昭和53年)
- 1981年(昭和56年)8 月 - 士幌町の小学生を対象にした第1回林間学校が行われる[1]。
- 1982年(昭和57年)6 月 - 士幌町において「士幌チセ・フレップ設置条例」制定[1]。
- 1988年(昭和63年)9 月 - 設立 10 年記念パーティーが士幌小屋で開かれる[8]。
- 1998年(平成10年)8 月 - 設立 20 周年記念式典が行われる[9]。
- 2008年(平成20年)
- 2013年(平成25年)11 月 - 設立 35 周年記念式典が行われる[12]。
- 2014年(平成26年)8 月 - 士幌町の小中学生を対象にしたサマーキャンプ (林間学校) が復活される[3]。
- 2018年(平成30年)9 月 - 設立 40 周年記念式典が行われる[6]。
名称の由来
[編集]「チセ・フレップ」という名前は1978年8月19日、士幌小屋設立委員会内での投票によって決定された。 アイヌ語で「小屋 (住居)」を意味する「チセ」と「赤いもの」を意味する「フレップ」を組み合わせたものである。 決定後、アイヌ語の文法上「チセ・フレップ」という表現は正しくないことが指摘されたが、響きがよいことからそのまま採用された[1]。
アクセス
[編集]士幌町市街地から車で15分、道道661号士幌然別湖線沿い。 道道で士幌高原ヌプカの里へ向かう途中に、小屋まで車が通れる道があり、小屋の前までアクセスすることが可能である。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k 小屋史編集委員会『士幌小屋活動の記録 -チセ・フレップよ永遠に-』恵迪寮自治会、1983年、102頁。
- ^ “士幌チセ・フレップ設置条例”. 士幌町 (1982年6月28日). 2016年10月13日閲覧。 第4条 (使用者の範囲) より。
- ^ a b “北大生と夏の思い出 士幌小屋を管理 恵迪寮自治会”. 十勝毎日新聞 (帯広市). (2015年8月15日) 2016年10月13日閲覧。
- ^ 北海道大学学務部学生支援課『北大時報 April 2015 No.733』 733巻、北海道大学総務企画部広報課〈北大時報〉、2015年4月、21頁 。 平成26年北大えるむ賞授与式を挙行 より。
- ^ “士幌小屋チセフレップ運営特別委員会が「北大えるむ賞」を受賞”. 士幌町 (2015年4月28日). 2016年10月13日閲覧。
- ^ a b 安倍諒 (2018年9月14日). “チセ・フレップ40周年 学生や住民ら16日に式典 北大寮生との交流拠点の山小屋”. 十勝毎日新聞 (帯広市) 2016年9月18日閲覧。
- ^ a b c “北海道大学恵迪寮寮歌集アプリ -収録曲一覧-”. 村橋究理基 (2018年3月31日). 2018年9月27日閲覧。
- ^ “<まど> 士幌小屋10年”. 北海道新聞夕刊 (札幌市). (1988年9月13日)
- ^ “士幌小屋チセフレップ20周年記念祭” (1998年7月1日). 2016年10月13日閲覧。
- ^ “屋根の塗り替えに行ってきました - 士幌小屋チセフレップ” (2008年8月21日). 2017年7月11日閲覧。
- ^ 原山知寿子 (2008年8月29日). “北大生の成長見守り30年 宿泊所チセ・フレップ”. 十勝毎日新聞 (帯広市). オリジナルの2013年4月28日時点におけるアーカイブ。 2016年10月11日閲覧。
- ^ 津田恭平 (2013年11月18日). “35周年を祝う 北大恵迪寮士幌小屋チセ・フレップ”. 十勝毎日新聞 (帯広市) 2016年10月13日閲覧。