夏の家 (アールト)
夏の家 | |
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Muuratsalon koetalo | |
夏の家の位置 | |
概要 | |
用途 | 博物館 |
所在地 | ムーラッツァロ |
自治体 | ユヴァスキュラ |
国 | フィンランド |
座標 | 北緯62度6分53.3秒 東経25度44分41.9秒 / 北緯62.114806度 東経25.744972度 |
着工 | 1952年 |
完成 | 1954年 |
技術的詳細 | |
床面積 | 53,650 m2 |
設計・建設 | |
建築家 |
アルヴァ・アールト エリッサ・アールト |
ウェブサイト | |
www |
夏の家(なつのいえ、英: Summer House, フィンランド語: kesämökki)は、フィンランド・ユヴァスキュラにある建築物である[1][2][3][4][5]。
アアルト夏の家(英: Aalto Summer House)[6]、アアルトの夏の家(英: Aalto's Summer House)[7]、ムーラッツァロの実験住宅(フィンランド語: Muuratsalon koetalo, 英: Muuratsalo Experimental House)[8][9]、コエ・タロ(フィンランド語: koetalo, 独: Experimentalhaus)[10][11][2]などともいう。
概要
[編集]建築家アルヴァ・アールトとその妻、エリッサ (en:Elissa Aalto) によって設計・建設された[2][7][9]。セイナッツァロのムーラッツァロ島 (fi:Muuratsalo) に位置する[11][12][2]。パイエンネ湖の入り江に設けられた船着き場から伸びる小道の先に建っている[6][2]。
1952年に着工され、1954年に完成された[11]。面積は 53,650 平方メートルである[3]。1994年より、アールト美術館によって管理されている[13]。現在は、博物館として利用されている[9]。北へ30メートルほど行ったところには、アールトが設計したサウナ小屋がある[14]。北へ5キロメートルほど行ったところには、セイナッツァロの村役場がある[2]。
構造
[編集]母屋は、耐力レンガを用いて造られており、一辺がおよそ14メートルの正方形をしている。南西部に正方形の中庭が設けられており、残るL字型の部分が住宅になっている。L字型のうち、北側の棟にはリビングルームやダイニングルームが配置されており、東側の棟にはベッドルームが配置されている[15][16][9]。L字の角の部分には、キッチンや洗面所が配置されている[17]。
住宅のレンガ壁は、外側だけ白色に塗装されている[7]。中庭の中心には、正方形の暖炉が設けられている[6]。リビングルームの上部には、ロフトがある[18]。ベッドルームの窓からは、ムーラメの教会の塔を望むことができる[14]。母屋の北東側には、木造の客室棟があり、その東側には、物置小屋が設けられている[19][16][20]。
脚注
[編集]- ^ 小田切覚史・田所辰之助. “アルヴァ・アアルトの自然観に関する研究 - 日本文化への接近と「夏の家」での原点回帰について”. 日本大学理工学部. 2019年11月2日閲覧。
- ^ a b c d e f 『セイナッツァロ役場&夏の家』 2014, p. 64.
- ^ a b “MUURATSALON KOETALO”. アアルト財団. 2019年11月2日閲覧。
- ^ 駐日フィンランド大使館 [@FinEmbTokyo] (2012年9月6日). "2012年9月6日のツイート". X(旧Twitter)より2019年11月2日閲覧。
- ^ “フィンランドの夏の家のルール”. フィンランド政府観光局. 2019年11月2日閲覧。
- ^ a b c 『建築ガイドブック』 2009, p. 116.
- ^ a b c 『もうひとつの自然』 2018, p. 194.
- ^ こばやしあやな. “ユヴァスキュラに残るアルヴァ・アールトの建築”. オールアバウト. 2019年11月2日閲覧。
- ^ a b c d “Muuratsalon koetalo”. Docomomo Suomi Finland. 2019年11月2日閲覧。
“Muuratsalo Experimental House”. Docomomo Suomi Finland. 2019年11月2日閲覧。 - ^ “アアルト ~フィンランド~ 建築家の夏の家”. 日本テレビ. 2019年11月2日閲覧。
- ^ a b c “Muuratsalon koetalo (1952–54)”. Visit Jyväskylä. 2019年11月2日閲覧。
“Experimentalhaus (1952–54)”. Visit Jyväskylä. 2019年11月2日閲覧。 - ^ “Alvar Aalto -museon saavutettavuuspalvelut”. Avoin museo. 2019年11月2日閲覧。
- ^ “17-AALTO 夏の家 Koetalo 1952〜53 A.AALTO / Muuratsalo Finland No.0/28”. 多摩美術大学 環境デザイン学科 平山研究室 (2005年5月26日). 2019年11月2日閲覧。
- ^ a b 『セイナッツァロ役場&夏の家』 2014, p. 66.
- ^ 『セイナッツァロ役場&夏の家』 2014, pp. 42, 64.
- ^ a b 『建築ガイドブック』 2009, p. 117.
- ^ 『セイナッツァロ役場&夏の家』 2014, pp. 42, 66.
- ^ 『セイナッツァロ役場&夏の家』 2014, p. 55.
- ^ 『セイナッツァロ役場&夏の家』 2014, pp. 52, 66.
- ^ 田村千夏 (2014年9月13日). “【特集コラム】第3回:「夏の家」にも地域性はある?北欧の巨匠建築家と世界の「夏の家」”. YADOKARI株式会社. 2019年11月2日閲覧。
参考文献
[編集]- 和田菜穂子(編)『アルヴァ・アアルト もうひとつの自然』国書刊行会、2018年10月。ISBN 978-4-336-06289-5。
- Michael Trencher 著、平山達 訳『アルヴァー・アアルト - 建築ガイドブック』丸善、2009年4月。ISBN 978-4-621-08098-6。
- 齊藤哲也『セイナッツァロ役場&夏の家』バナナブックス、2014年1月。ISBN 978-4-902930-30-6。