大島良明
大島 良明(おおしま よしあき、1952年11月23日 - )は、新潟県出身の天文家である。
1985年から1990年にかけて財団法人国際文化交友会天文部の月光天文台(静岡県田方郡函南町)に在籍した。
1986年に完成した月光天文台第二観測所に設置された50cm反射望遠鏡により小惑星観測を開始した。
2000年に美星スペースガードセンター(岡山県井原市)において発足した地球近傍小惑星の発見・追跡プロジェクトBATTeRS立ち上げ当初の参加メンバーである。
小惑星番号3843番のOISCAを始め、静岡県函南町の月光天文台において、1987年以降、多数の小惑星を発見した[1][2]。
1988年12月5日、日本で初めて潜在的に危険な小惑星(Potentially Hazardous Asteroid)である1988 XB(7753)を発見している。
鈴木憲蔵と浦田武が1990年11月14日に発見した5592番の小惑星大島は彼の名前にちなむ[2]。
国際小惑星監視プロジェクト
[編集]日本スペースガード協会が天文教育を目的にかつて進めた「スペースガード探偵団 -ホシは小惑星だ!-」(国際小惑星監視プロジェクト) に参加、専門誌に連名でプロジェクト概要を紹介。このプロジェクトでは日本スペースガード協会が開発した画像比較プログラムを使用、小学から高校生まで小惑星の発見と衝突の観測、太陽系の天文学習を促した[3]。このプロジェクトは協会の活動拠点のひとつ美星スペースガードセンターで小惑星の画像を撮影して希望者に配布。また、大西洋カナリア諸島から光学望遠鏡で撮影した画像がインターネットを介して同時刻に配信され、日本で撮影した画像と比較して小惑星を探すという手法がとられ、コンテスト形式で日本の小学生から高校生から参加を募集している。
この国際小惑星監視プロジェクトは日本スペースガード協会が読売新聞社とイギリスの政府機関ブリティッシュ・カウンシルの後援を受け、協会が後者のイギリスの天文教育事業の加盟団体であることから「International Schools' Observatory (ISO) 」(国際学校天文台計画)[注 1]と提携して進めている。読売新聞社はコンテストを主催し、参加団体計438組、参加者総勢1317人から計133組が観測結果をインターネット経由で報告した[注 2]。大西洋で夜空を観測する望遠鏡は英国リバプール・ジョン・ムーア大学のスタッフが操作、日本では時差により昼間であることから、その画像をインターネット経由で受信して授業中に見せ、小惑星の観測に動機と楽しみを広げたものである。このとき開発されたコンピューターソフトは、PC を利用した小惑星観察の手法として評価されている[3]。
共著
[編集]- Isobe, S., Atsuo, A., Asher, D., Fuse, T. (2002). Hashimoto, N., Nakano, S., K. Nishiyama, Y. Oshima, N. Takahashi, J. Terazono, H. Umehara, T. Urata, M. Yoshikawa. “Understanding of a Science through a Practical Activity to Detect Asteroids from Newly Observed Data for the Neo Detection Project”. Proceedings, World Space Congress 2002 (Houston, Texas). この論文はスペースガード探偵団が、Asteroids, Comets, Meteors 連盟 (ACM) 主催の国際会議論文集に提出した。(2002年7月29日より同8月2日開催)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「International Schools' Observatory (ISO) 」とは、英国ブリティッシュ・カウンシルが「教育の場で天体観測を」呼びかけて進め、アジアや欧州の12か国の中学、高校生が参加した活動のこと[4]。
- ^ 2001年3月4日に締め切り日本スペースガード協会 (JSGA) が審査、同3月14日の入賞者決定はブリティッシュカウンシルを交えて行われ、同月20日に読売新聞紙上で入賞者名を発表。同紙は3月27日 (火) の紙面に特集記事を組み、総括、審査講評と入賞者へのインタビューに加え、JSGA から取材した小惑星発見プロジェクトの将来展望を掲載した。事業全体には日本宇宙フォーラム (特別 協力) をはじめ、宇宙科学研究所、国立天文台、宇宙開発事業団、英国リバプール・ジョン・ムーア大学、英国アーマー天文台の協力を受けている[5]。
出典
[編集]- ^ a b “Minor Planet Discoverers 小惑星の発見一覧 (天体番号順、英文)” (英語). 小惑星センター (2016年6月22日). 2016年6月28日閲覧。
- ^ a b Schmadel, Lutz D. (2007) (英語). Dictionary of Minor Planet Names 小惑星命名事典 (5592番) 大島 (英文). Springer Berlin Heidelberg. p. 475. ISBN 978-3-540-00238-3 2016年10月15日閲覧。
- ^ a b Clarke, Chandra K (英語). Space Exploration Advocacy in the 21st Century: The Case for Participatory Science 21世紀の宇宙探査への提唱:参加型科学の事例 (英語). citizensciencecenter.com. p. 27 2016年10月15日閲覧。.
- ^ “スペースガード探偵団 - プロジェクト-”. 日本スペースガード協会. 2016年10月15日閲覧。
- ^ “国際小惑星監視プロジェクト 入賞者決まる”. 読売新聞社 (2001年3月27日). 2007年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月15日閲覧。