大村幸弘
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大村 幸弘(おおむら さちひろ、1946年[1] - )は、日本の考古学者。中近東文化センター主任研究員、アナトリア考古学研究所長、カマン・カレホユック遺跡調査隊長[2]。
来歴・人物
[編集]岩手県出身。盛岡藩の火業師(砲術師)で、エトロフ島事件に遭遇しロシア人の捕虜となった大村治五平の子孫。兄・大村次郷は写真家。作家の森荘已池は伯父(母親の兄)。父の大村次信は元満州国協和会職員で、終戦直後に満州国から一家での命がけの引き揚げを経験しており、幸弘は一家が盛岡の実家に帰り着いた3日後に生まれている[3]。
早稲田大学第一文学部西洋史科卒業[1]。トルコ給費生としてアンカラ大学言語・歴史・地理学部ヒッタイト学科に留学[1]。中近東考古学科博士課程修了[1]。帰国後、中近東文化センターに勤務[1]。1986年よりトルコのカマン・カレホユック遺跡の発掘調査に従事する[1]。
2017年9月に、トルコ・アナトリア地方の古代遺跡の紀元前2250~同2500年の地層から、製鉄関連の最古級の遺物(酸化鉄を多く含む分銅形をした直径約3センチの塊)を発見し、話題になった[1][4]。
受賞歴
[編集]- 1981年『鉄を生みだした帝国』で講談社ノンフィクション賞受賞
- 2004年『アナトリア発掘記』でパピルス賞受賞
- 2011年 第1回三笠宮オリエント学術賞受賞[5]
著書
[編集]- 『埋もれた古代帝国〈トルコ発掘日誌〉』JTBパブリッシング 1978年
- 『鉄を生みだした帝国-ヒッタイト発掘』日本放送出版協会<NHKブックス> 1981年
- 『トルコ 世界歴史の旅』山川出版社 2000年
- 『アナトリア発掘記-カマン・カレホユック遺跡の二十年』日本放送出版協会<NHKブックス> 2004年
- 『アナトリアの風 考古学と国際貢献』リトン 2018年
共編著
[編集]- 『カッパドキア-トルコ洞窟修道院と地下都市』集英社 2001年。「アジアをゆく」大村次郷写真
- 『トルコを知るための53章』永田雄三・内藤正典共編著 明石書店 2012年。エリア・スタディーズ
- 『トロイアの真実 アナトリアの発掘現場からシュリーマンの実像を踏査する』山川出版社 2014年。
翻訳
[編集]- クルート・ビッテル(Kurt Bittel)『ヒッタイト王国の発見』吉田大輔共訳 山本書店 1991年
出演
[編集]脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g “大村幸弘 による特集記事 発掘一筋に歩み続けて|致知出版社”. 致知出版社. 2022年11月30日閲覧。
- ^ 発掘・一般調査/アナトリア考古学研究所
- ^ 大村次信「あとがき」『私残記 大村治五平に拠るエトロフ島事件』著者は森荘已池、中央公論社〈中公文庫〉、1977年10月、291-308頁。ISBN 412-2004802。復刊1991年
- ^ 鉄の歴史に一石、ヒッタイト起源に異説か 最古級の遺物朝日新聞、2019年3月25日
- ^ 長年にわたるカマン・カレホユック遺跡の考古学発掘調査並びにその定期的調査報告書刊行の業績に対し/一般社団法人 日本オリエント学会
- ^ “歴史に辿(たど)る“自分とは何か””. NHK (2020年9月27日). 2021年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月26日閲覧。