大熊川トラス橋
大熊川トラス橋 | |
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西側上空より (2020年4月) | |
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 神奈川県横浜市港北区新羽町、都筑区川向町 |
交差物件 | 大熊川 |
用途 | 高速道路 |
路線名 | 首都高速神奈川7号横浜北線 |
管理者 | 首都高速道路 |
設計者 |
(基本設計) 千代田コンサルタント (詳細設計) 横浜環状北線景観アドバイザー会議 IHI・駒井ハルテック共同企業体[1] |
施工者 |
(上部工) IHI・駒井ハルテック共同企業体 (下部工) フジタ 清水建設・前田建設工業共同企業体[1] |
竣工 | 2014年4月[1] |
開通 | 2017年3月18日 |
座標 | 北緯35度31分3.2秒 東経139度36分8秒 / 北緯35.517556度 東経139.60222度 |
構造諸元 | |
形式 |
単径間鋼床版ダブルデッキトラス橋[1][2] ワーレントラス橋[1] |
材料 | 鉄鋼 |
全長 | 158.0m[1] |
幅 | 13.9m〜25.3m[3] |
桁下高 | 3.4m〜7.1m[3] |
最大支間長 | 155.5m[1] |
地図 | |
関連項目 | |
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大熊川トラス橋(おおくまがわトラスきょう)は、首都高速神奈川7号横浜北線が鶴見川の支流を渡る、全長158mの橋梁である。上下二層構造の単径間(両端の橋脚のみが橋を支える)のトラス橋としては日本最長であり[4][注 1]、2015年度の土木学会田中賞を受賞している。
構造
[編集]首都高速横浜北線は岸谷生麦出入口と新横浜出入口の間が横浜北トンネル、新横浜出入口と横浜港北ジャンクションの間は鶴見川左岸を走る高架構造となる。高架部分では鶴見川左岸に大熊川と江川の2本の小規模な支流が合流する。この大熊川が横浜市港北区新羽町と都筑区川向町の境となる。河川への影響、および希少生物への影響を最小限にするため、大熊川と江川を渡る部分には単純鋼トラス橋構造が採用された[3]。上下線が並行するトンネル部から上段が生麦方面、下段が港北方面の二層構造に移行する区間にあたり、新横浜出入口の分流・合流車線があることから、生麦方面に向かい下り勾配となるとともに主構間隔が拡幅する特殊な形状となる[6]。
本橋は2015年度に土木学会田中賞を受賞[2]。「新横浜公園から見た大熊川トラス橋」の景観は、横浜市による横浜・人・まち・デザイン賞まちなみ景観部門を受賞した[7]。
施工
[編集]216ブロックからなる鋼材は大阪府堺市と千葉県富津市の工場で製作され、港北側の作業構台で組み立てられた。2013年2月25日から3月2日にかけて、ここから生麦側に構築済のトラスに向けて110m移動させる「送り出し架設工法」が実施された[4]。近接する川向ポンプ場と間隔を取るため、一旦本来の位置よりずらした方向に送り出され、その水平方向に2°回転させて生麦側に連結した。送り出し架設工法により、河川内にクレーンを設置する必要がなく、河川内の仮設杭の本数を減らせる利点がある[8]。2016年には、橋梁名が「大熊川トラス橋」と命名された[2]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h 副島直史、武藤圭佑、樋口両、山本茂樹、竹田圭一、齋藤剛「長支間単純鋼床板ダブルデッキトラス橋の設計・施工 ―横浜環状北線 鶴見川並行部―」『橋梁と基礎』、株式会社建設図書、2015年11月、5-10頁。
- ^ a b c “田中賞 作品部門受賞一覧”. 土木学会. 2017年12月23日閲覧。
- ^ a b c 横浜環状北線トラス橋 (PDF) (千代田コンサルタント)
- ^ a b 首都高速道路株式会社神奈川建設局「高架橋の橋脚工事状況をお知らせします」(PDF)『きたせん』第34巻、2013年5月、2017年12月23日閲覧。
- ^ “横浜環状北線高架部(トラス橋)の送り出し架設を行いました - お知らせ”. 首都高速道路株式会社神奈川建設局 (2013年3月2日). 2017年12月27日閲覧。
- ^ 首都高速道路株式会社 神奈川建設局「首都高速道路 横浜環状北線の建設を振り返る」『道路構造物ジャーナルNET』、鋼構造出版、2頁。
- ^ “第8回 まちなみ景観部門 新横浜公園から見た大熊川トラス橋”. 横浜市都市整備局地域まちづくり部地域まちづくり課 (2017年5月15日). 2017年12月23日閲覧。
- ^ 首都高速道路株式会社神奈川建設局「巨大な橋を架ける工事が始まりました」(PDF)『きたせん』第33巻、2013年3月、2017年12月23日閲覧。