大豆粕
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soybean meal)とは、ダイズから大豆油を絞り取ったあとの大豆の粕を粉砕して作られた粉末である[1][2]。大豆ミールや脱脂加工大豆ともいう。
(だいずかす、英:成分 | 比率 |
---|---|
乾燥固形物 | 89% |
粗タンパク質 | 48% |
粗繊維 | 0.3% |
中性デタージェント繊維 | 7.1% |
概要
[編集]大豆油は、大豆を絞ることで採油するが、単純な圧搾では効率が低いため溶媒抽出法が用いられる。溶媒抽出法で脂質が分離される大豆粕は、相対的にタンパク質や炭水化物の含有率が増加するため飼料や醸造に適した原材料となる[4]。豚、鶏、牛、馬、羊、魚の飼料としてのタンパク質の供給源や飼料の増量剤として使用されるほか、醤油や味噌の原料としても利用される[5][6]。
暗い色の種の皮、または黒い大豆のへそが粉末に望ましくない暗い斑点を残すため、大豆粕は高品質で、健全で、きれいな、脱皮黄色大豆から作られる。アメリカ合衆国のすべての商業用の大豆は黄色または黄褐色のものが使用されている[要出典]。
歴史
[編集]日本
[編集]飼料や食用などへの使用用途が開発されていなかった大正年間では、主に肥料として利用されており、日本国内で消費されていた人造肥料の3割(金額ベース)が大豆粕という時代もあった[7]。また、直接人間の食用となることもあり、1918年の米価暴騰の折には田尻稲次郎が豆粕飯の有用性を提唱し、自ら常食とした[8]ほか、各種加工食品・サプリメントのタンパク源として用いられる。
北朝鮮
[編集]1990年代、北朝鮮は苦難の行軍と呼ばれる深刻な食糧難に陥った。この時、北朝鮮ではブタの飼料として用いられてきた大豆粕から人造肉(インジョコギ)が作られるようになった。食糧難が過ぎたあとも闇市場(ジャンマダン)の屋台などで、大豆粕の皮にコメを詰め、チリソースなどをかけて売られている[9][10]。
脚注
[編集]- ^ http://www.asaimjapan.org/jp_information_hatakenomiracle.html
- ^ http://www.rikkyo.ac.jp/eco/research/pdf/papar/57_2_3.pdf
- ^ Ingredients 101 - Soybean meal
- ^ 横山勉「脱脂大豆は“ダイズカス”に非ず」 香雪社(2013年5月27日)2017年12月5日閲覧
- ^ http://www.asaimjapan.com/information/information_3_2_pdf/2009_07_15_sera_pamphlet.pdf
- ^ http://www5.plala.or.jp/nijiya231-9288/KA-syouyu/syouyu_QA_.htm
- ^ 下川耿史 『環境史年表 明治・大正編(1868-1926)』313頁 河出書房新社刊 2003年11月30日刊 全国書誌番号:20522067
- ^ 下川耿史 『環境史年表 明治・大正編(1868-1926)』p326 河出書房新社 2003年11月30日刊 全国書誌番号:20522067
- ^ “北朝鮮の「人造肉」? 脱北者たち懐かしの「庶民の味」とは”. NHK国際ニュースナビ (2022年10月31日). 2023年5月19日閲覧。
- ^ “「平壌人造肉」懐かしむ駐韓英国大使「チャールズ3世、韓国に関心多い」(2)”. 中央日報 (2023年5月17日). 2023年5月19日閲覧。