天皇親裁
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天皇親裁(てんのうしんさい)とは、(1)天皇が政治に関する全ての決裁を行うべきだとする立場。憲法や議会に拘束された立憲君主制は、西ヨーロッパの制度であるとして排斥する。(2)国政の権威は天皇に由来するとする立場[1]。
かつて中国で、皇帝が失政を行った場合、皇帝をかばう立場の側近は、皇帝が悪いのではなく皇帝を政治利用しようとした「君側の奸」が悪いとした。
天皇親裁を主張する立場でも、天皇主権の明治憲法下で軍国主義の道を歩んだのは、天皇が悪いのではなく官僚機構や軍部・政党に巣食った「君側の奸」が悪いとした(皇道派)[疑問点 ]。
脚注
[編集]- ^ 倉山満「第二章 めざすは立憲政体ー文明国への道」『明治天皇の世界史』PHP研究所、2018年。ISBN 978-4-569-84157-1。「ちなみに、今の日本国憲法でも天皇親政であるといえば驚くでしょうか。もちろん、天皇親ら政治を行う政治を行うという意味では、天皇親政ではありません。その意味では、明治時代だって違います。ただし、国政の権威は天皇に由来するとの意味では、今も昔も天皇親政です。その証拠に、たとえば衆議院の解散などは今でも天皇の御名御璽がある詔書によって行われます。(中略)国政の重要な文書には御名御璽すなわち署名と印鑑が必要なのです。これを一般的な意味の親政と区別して、「親裁」と呼びます。「天皇親裁」という意味では、帝国憲法も日本国憲法も同じなのです。」