コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

如意寺 (京丹後市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
如意寺
所在地 京都府京丹後市久美浜町1845
位置 北緯35度36分35.96秒 東経134度53分21.79秒 / 北緯35.6099889度 東経134.8893861度 / 35.6099889; 134.8893861座標: 北緯35度36分35.96秒 東経134度53分21.79秒 / 北緯35.6099889度 東経134.8893861度 / 35.6099889; 134.8893861
山号 宝珠山
宗派 高野山真言宗
本尊 十一面観音菩薩
創建年 (伝)天平年間
開基 (伝)行基
別称 日切のお不動さん
札所等 関西花の寺二十五カ所7番
公式サイト 如意寺
法人番号 1130005011350 ウィキデータを編集
如意寺の位置(京都府内)
如意寺
如意寺
如意寺 (京都府)
テンプレートを表示

如意寺(にょいじ)は、京都府京丹後市久美浜町1845にある高野山真言宗寺院関西花の寺二十五カ所の第7番である。本尊は行基の一刀三礼三年と伝えられる十一面観世音菩薩である。

歴史

[編集]

寺の縁起によれば、天平年間(8世紀)、行基が当地に滞在していた時、山上より霊火が出て海に入り、また海より出て山に昇る奇瑞を見て、漁師に網を引かせたところ、如意宝珠が得られたという。そこで行基は伽藍を建立して如意宝珠を納め、宝珠山如意寺と号したとされる[1]

また、如意寺の建立にまつわる行基の記事に、「太刀宮の宝剣海中に沈没しあらん事を恐れ、漁夫に命じて網を以て探しむるに玉を得たり、依て宝珠山如意寺を起す」の記述が見られる。

鎌倉時代後期の永仁3年(1295年)、伏見天皇は正四位行左馬頭藤原定成を勅使として「如意寺」の勅額を下賜した[2]。当時は寺領500石、院家十二坊の伽藍を有していたが、応永34年(1427年)の兵火で多くを焼失した。しかし、戦国期の天文、江戸時代の寛文寛延寛政、また明治後期に復興事業が行われ、今日に至っている。現在の伽藍は、1963年(昭和38年)より旧地の観音山(久美浜湾西岸)から末寺大円寺跡である飛地境内地に順次移転したものである。

行事

[編集]
  • 1月1日〜3日 - 新年初詣
  • 2月3日 - 節分星供養会
  • 4月1日 - 日切不動尊大祭
  • 8月9日 - 千日会
  • 毎月1日 - 一日護摩

境内

[編集]
ミツバツツジが咲く境内の山斜面からの眺望。山門のむこうに久美浜湾とかぶと山が見える。
不動堂
  • 本堂 - 1670年(寛文10年)、1791年(寛政3年)に改築の記録がある。1918年(大正7年)、大雨で倒壊。現存の堂は1927年(昭和2年)、当時の様式そのままに再建されたもので、昭和51年解体修理し移築された。本尊十一面観音立像は秘仏で、像高二尺八寸の一木造。行基作の寺伝があり、眼守護の利益(りやく)があるという。1918年に本堂裏山が崩れた際、高さ一尺四寸三分の銅尖塔が出土した[1]
  • 不動堂 - 1984年(昭和59年)、中村淳治により新改築。和様・禅宗様・大仏様の三様を折衷した重層宝形造である[3]。「空海の爪彫り」と伝える石造不動明王像(日切不動)を安置する。
  • 仁王門 - 1953年(昭和28年)、1976年(昭和51年)、古い様式をとどめたまま修理された。
  • 六角堂(絵馬堂) - 1983年(昭和58年)、中村淳治の設計施工により新築された。
  • 閼伽井の水 - 境内に湧出する。眼病・諸病に効くとされる。

文化財

[編集]

江戸時代初期に描かれた絹本着色図一対の両界曼荼羅図なども有する。

市指定文化財

[編集]
  • 木造阿弥陀如来坐像 - 持仏堂本尊、一木割矧造、寺伝に恵心僧都作というが、実際の制作は鎌倉時代。京丹後市指定文化財[4]
  • 木造金剛力士像 - 鎌倉時代。阿吽一対の仁王像。京丹後市指定文化財[5]
  • 銅造鰐口 - 応永30年(1423年)。如意寺の鎮守である白山宮の銘あり。京丹後市指定文化財(工芸品)[6]
  • 銅造閼伽桶および灑水器 - 室町時代。京丹後市指定文化財(工芸品)[7]

府指定文化財

[編集]
  • 木造扁額 - 永仁3年(1295年)8月、伏見天皇勅使の藤原定成の銘がある。京都府指定有形文化財。

境内で見られる花

[編集]

ミツバツツジモクレンハギモミジシャクナゲなど年間、約300種の花木や山野草が見られる。

アクセス

[編集]
鉄道
自家用車

脚注

[編集]
  1. ^ a b 『日本歴史地名大系 京都府の地名』、p.838
  2. ^ 如意寺木造扁額(京丹後市サイト)(2013年6月2日閲覧)
  3. ^ 寺では「重層宝形造」と称しているが、建築様式・構造からは「二層塔」ないし「二重塔」と称すべきものである。
  4. ^ 如意寺木造阿弥陀如来坐像 京丹後市
  5. ^ 如意寺木造金剛力士像 京丹後市
  6. ^ 如意寺銅造鰐口 京丹後市
  7. ^ 如意寺銅造閼伽桶および灑水器 京丹後市

参考文献

[編集]
  • 『日本歴史地名大系 京都府の地名』平凡社、1981年
  • 如意寺パンフレット

外部リンク

[編集]