宇部伊佐鉱山
宇部伊佐鉱山 | |
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中央が伊佐鉱区。右側(東側)3か所は、上から雨乞・金山・丸山鉱区。画面左下に伸びる道は宇部伊佐専用道路。 | |
所在地 | |
所在地 | 山口県美祢市伊佐町 |
国 | 日本 |
座標 | 北緯34度10分39秒 東経131度13分28秒 / 北緯34.17750度 東経131.22444度座標: 北緯34度10分39秒 東経131度13分28秒 / 北緯34.17750度 東経131.22444度 |
生産 | |
産出物 | 石灰石 |
生産量 | 年産800万トン |
歴史 | |
開山 | 1948年 |
所有者 | |
企業 | UBE UBE三菱セメント |
プロジェクト:地球科学/Portal:地球科学 | |
宇部伊佐鉱山(うべいさこうざん)は山口県美祢市に所在する鉱山である。UBE三菱セメントにより、露天掘りでの石灰石採掘が行われている。
歴史
[編集]1946年(昭和21年)9月に宇部興産 伊佐採石所(現: 宇部伊佐鉱山 伊佐鉱区)を発足し鉱山開発を開始、1948年9月より採掘を開始した[1]。1955年には隣接地に伊佐セメント工場が完成し、シャフトキルンを使用したセメントクリンカーの製造を開始した[2]。1965年より周辺の土地の取得を始め、1973年から丸山鉱区、1982年からは雨乞鉱区での採掘を開始。3鉱区を合わせて、年間約800万トンの石灰石を産出している。2016年11月16日には、累積出鉱量が5億トンに達した[3]。2018年11月4日からは、4番目の鉱区となる金山鉱区からの出鉱を開始している[4]。
特徴
[編集]4鉱区中最大規模の伊佐鉱区は深さ100m以上、直径は約1.2Kmにおよぶ[5]。伊佐鉱区は市街地に近接し、人家に最も近いところで150mほどしかない。発破に制約があることから、奥村組土木興業に発注し、ヴィルトゲン社の岩盤切削機を使用した採鉱が行われている[6]。工場で消費する電力は自家発電で賄い、2014年実績で廃棄物の原料代替利用116万トン、熱エネルギーとして9万トン消費している[2]。伊佐セメント工場の工程はクリンカーの製造までであり、セメントに仕上げる工程は宇部市の宇部セメント工場で行われる。クリンカーおよび他の事業所等で使用される石灰石は宇部伊佐専用道路で輸送される[5]。
同鉱山の伊佐鉱区と丸山鉱区では水がたまりやすいため、石灰石を発破する際、従来のアンホ爆薬よりも耐水性の高いバルクエマルション爆薬が導入されている[7][8]。
脚注
[編集]- ^ “宇部興産、宇部伊佐鉱山の石灰石累積出鉱量が5億トンに到達”. 宇部ジャーナル. (2016年12月13日) 2020年1月28日閲覧。
- ^ a b 「ニッポン・セメント工場探訪23 宇部興産 伊佐セメント工場」(PDF)『セメント・コンクリート』第830巻、セメント協会、2016年4月、2020年1月28日閲覧。
- ^ 『宇部伊佐鉱山、石灰石の累積出鉱量5億トン達成』(プレスリリース)宇部興産、2016年11月24日 。2020年1月28日閲覧。
- ^ 『宇部伊佐鉱山・金山鉱区からの石灰石出鉱開始について』(プレスリリース)宇部興産、2018年11月6日 。2020年1月28日閲覧。
- ^ a b (イカロス出版 2012, pp. 18–19)
- ^ 『2500SM Vario Surface Minerを使用する安全かつ低騒音な日本の石灰石鉱山』(プレスリリース)ヴィルトゲングループ 。2020年1月28日閲覧。
- ^ “宇部伊佐鉱山におけるバルクエマルション爆薬の導入-国内初の移動式製造設備による含水爆薬の現場混合-”. 国立研究開発法人科学技術振興機構. 2024年9月16日閲覧。
- ^ 「UBE三菱セメント・宇部伊佐鉱山」『セメント新聞』2023年5月22日。
参考文献
[編集]- 『鉱山を行く』イカロス出版、2012年9月10日。ISBN 978-4-86320-623-6。