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宇都宮・ジョーンズ彗星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
宇都宮・ジョーンズ彗星
Utsunomiya-Jones
仮符号・別名 C/2000 W1[1]
分類 非周期彗星
発見
発見日 2000年11月18日[2]
発見者 宇都宮章吾[2]
軌道要素と性質
元期:TDB 2451889.5 (2000年12月11.0日)
近日点距離 (q) 0.3212 au[1]
離心率 (e) 1.000002[1]
軌道傾斜角 (i) 160.165 °[1]
近日点引数 (ω) 051.509 °[1]
昇交点黄経 (Ω) 010.766 °[1]
前回近日点通過 2000年12月26日[1]
最小交差距離 0.101 au(地球)[1]
0.838 au(木星)[1]
ティスラン・パラメータ (T jup) -0.661[1]
物理的性質
絶対等級 (H) 12.6(+コマ[1]
Template (ノート 解説) ■Project

宇都宮・ジョーンズ彗星(うつのみや・ジョーンズすいせい、英語: Comet Utsunomiya-Jones、仮符号:C/2000 W1)は、2000年に発見された双曲線軌道非周期彗星[1]

発見

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宇都宮による発見

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2000年11月19日早朝(JST)、熊本県のアマチュア天文家宇都宮章吾は、私設観測所にて南天に低く南中を迎えていたほ座を彗星捜索中、8.5等級・視直径5分角の彗星状天体を発見した。発見は眼視観測でフジノン15cm・25倍の大型双眼鏡が使用された。宇都宮は、この天体が1日あたり5度の速さで急速に南下していることを確認し、FAXで中野主一天文電報中央局・小惑星センターアソシエイツ)を通じて天文電報中央局に報告した。

行方不明

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発見の情報はまず19日夜(JST)に日本国内の一部観測者[3]に伝えられたが、天候悪化のため翌20日早朝には確認できず、20日晩には南半球を含む日本国外の一部観測者にも伝えられた。しかし、位置推算の精度が悪く[4]、彗星は一旦行方不明となった。

ジョーンズによる発見

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11月26日早朝の3時10分(NZDT、日本時間25日23時10分)、ニュージーランドネルソンのアマチュア天文家のアルバート・ジョーンズ英語版は、ふうちょう座の変光星を観測中、8等級4分角の彗星を発見した。7.8cm屈折望遠鏡30倍による眼視発見であった。直ちに31.7cm反射97倍等で確認したが、薄明が進行中で移動は確認出来なかった。ジョーンズの発見した彗星は先に宇都宮が発見した位置から46度離れていたが、2人の彗星が同一であることが判明し、26日21時(UT)にIAUC 7526で新彗星の発見が公表された。ジョーンズによる発見の頃、彗星は地球に0.28auまで最接近していた。

発見時の話題

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宇都宮による彗星発見は宇都宮彗星 (C/1997 T1)以来3年ぶり。半年ぶりに彗星捜索を再開して1分も経たない中での発見であった。彗星が行方不明になった際には捜索のためにオーストラリア行きを検討したという[5]

ジョーンズは1920年生まれで発見時は80歳。数十万の観測を行っている変光星観測家で超新星SN 1987Aを独立発見したほか、ジョーンズ彗星(C/1946 P1)、ミッシェル・ジョーンズ・ゲルバー彗星(C/1967 M1)の発見者でもある。彗星捜索は50年以上行っていなかったが、発見当日は変光星観測中でふうちょう座ζからTに望遠鏡を向ける際に発見し、ふうちょう座T用の変光星図に位置を記入したという[6]

この彗星発見がきっかけで、2002年、宇都宮はジョーンズの元を表敬訪問している

出現

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発見時ほ座から急速に南下し、ふうちょう座に移動していた彗星は、12月には再び北上しいて座を移動した。12月中旬には北半球では夕方のごく低空に姿を現し、6等級で非常に中央集光の強い姿が観測された。

標準等級が暗く近日点距離が小さかったため、12月26日の近日点通過の際に消滅する可能性が指摘されていたが、翌年1月、大幅に減光し10等級で再観測された。その後彗星は精測位置測定が困難なほど拡散し、3月3日の観測を最後に消滅した。

近日点通過直後の12月28日から1月4日までは太陽観測衛星SOHOによっても観測されている。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l C/2000 W1 (Utsunomiya-Jones)”. Small-Body Database Lookup. Jet Propulsion Laboratory. 2022年3月8日閲覧。
  2. ^ a b Green, Daniel W. E. (2000年11月26日). “IAUC 7526: C/2000 W1”. Central Bureau for Astronomical Telegrams. 2022年3月8日閲覧。
  3. ^ 一部日本国外を含む
  4. ^ 日本国内では、21日朝には地平線下まで南下していたことが後に判明した。
  5. ^ 『月刊天文ガイド』2001年2月号 160-161ページ 誠文堂新光社
  6. ^ 『月刊天文ガイド』2001年6月号 104-108ページ 誠文堂新光社

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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