宮地充子
宮地 充子(みやじ あつこ、1965年ないし1966年[1] - )は、日本の数学者、情報科学者。大阪大学大学院工学研究科教授。元北陸先端科学技術大学院大学教授[2]。
経歴
[編集]小学生のとき、「クレタ人の嘘つき」に関心をもち、数学に興味を抱く[3]。
大阪府立生野高等学校卒業[4]後、大阪大学理学部数学科から大学院に進み[3]、その後、1990年から1998年まで、松下電器産業のマルチメディア開発センターに勤務した[2]。その間、1997年に、「Studies on security and efficiency of elliptic curve cryptosystems(楕円曲線暗号の安全性と効率に関する研究)」により、大阪大学から博士(理学)を取得した[5]。
1998年12月に、北陸先端科学技術大学院大学教授となり、2002年から2003年にかけては文部科学省在学研究員として派遣され、カリフォルニア大学デービス校客員研究員となった[2]。その後、2015年10月から大阪大学大学院工学研究科教授に就任。
研究領域は、「情報セキュリティ、数論アルゴリズム、暗号理論」であり、研究テーマのキーワードとしては、「クラウドセキュリティ、ビッグデータプライバシ、暗号解析、プロトコル設計、センサーNW」が挙げられている[2]。特に楕円曲線暗号については、その開発の初期から研究に従事している[6]。
2014年には、「安全で効率的な楕円曲線暗号に関する研究」により、平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を受けた[1][6]
北陸先端科学技術大学院大学では附属図書館長も務めた[3]。2024年紫綬褒章受章[7][8][9]。
おもな著書
[編集]単著
[編集]- 代数学から学ぶ暗号理論:整数論の基礎から楕円曲線暗号の実装まで、日本評論社、2012年
共著
[編集]脚注
[編集]- ^ a b “平成26年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞 受賞者一覧” (PDF). 文部科学省. p. 15. 2015年6月5日閲覧。 “36 研究 みやじ あつこ 宮地 充子 48 女 国立大学法人北陸先端科学技 術大学院大学 情報科学研究科 教授 安全で効率的な楕円曲線暗 号に関する研究”:2014年4月時点で48歳。
- ^ a b c d “研究者紹介 宮地充子”. 北陸先端科学技術大学院大学. 2015年6月5日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b c d 宮地充子. “Knowledge is power. 知識が力になり、将来をひろげる”. 河合塾. 2015年6月5日閲覧。
- ^ “宮地 充子 高36期 大阪大学大学院 工学研究科 教授”. 2020年9月19日閲覧。
- ^ “Studies on security and efficiency of elliptic curve cryptosystems(楕円曲線暗号の安全性と効率に関する研究) 宮地充子”. 国立国会図書館. 2015年6月5日閲覧。
- ^ a b 岡本健. “宮地充子先生の文部科学大臣表彰 科学技術賞受賞(研究部門)に寄せて” (PDF). 日本数学会. 2015年6月5日閲覧。
- ^ 『官報』号外259号、令和6年11月5日
- ^ 秋の褒章786人 五輪・パラメダリストら 朝日新聞2024年11月2日
- ^ “令和6年秋の褒章受章者(大阪府)” (PDF). 内閣府. p. 2 (2024年11月3日). 2024年11月10日閲覧。