寺西信一
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寺西 信一(てらにし のぶかず、1953年 - )[1]は、日本のエンジニア、工学者。
イメージセンサ(撮像デバイス)の研究を行い、デジタルカメラの撮像デバイスの主流となっている埋込フォトダイオード(英: Pinned Photodiode)[2]を発明したことで知られる。2017年のエリザベス女王工学賞の受賞者の一人である[3][4]。
2017年現在、兵庫県立大学および静岡大学の特任教授を務める[1][5][6]。
人物・来歴
[編集]三重県立津高等学校を経て[7]、東京大学の理学系大学院物理学専攻修士課程を修了した[1][8]後、1978年、日本電気(NEC)に入り、1980年に埋込フォトダイオードを発明した[9]。このデバイスは1984年に名付けられた。埋込フォトダイオードは、CCD(電荷結合素子)を発展させた固体撮像素子の一つで、CCDと比較して効率が向上したことで画素サイズが小さくなり画像解像度が向上した[9]。埋込フォトダイオードは、その後、デジタルカメラ技術の重要な構成要素であり続けている[1][10][11]。
2000年までNECで勤務した後、パナソニックに移り2013年まで勤務した。2017年現在は兵庫県立大学および静岡大学の特任教授を務める[1][5][6]。
メディア出演
[編集]- BSフジLIVE プライムニュース:2017年3月3日(金)放送回[12]
栄誉
[編集]主な栄誉、受賞歴は次の通り。
- 全国発明表彰経済団体連合会会長発明賞(1994年)[13]
- 科学技術庁長官賞研究功績者(1997年)[14]
- 映像情報メディア学会丹羽高柳賞業績賞(2000年)[15]
- 映像情報メディア学会フェロー(2003年)[16]
- IEEEフェロー(2010年)[17]
- 英国王立写真協会、"Progress Medal and Honored Fellowship"(2010年)[18]
- アメリカ写真協会、"Progress Award"(2011年)[19]
- 映像情報メディア学会、丹羽高柳賞功績賞(2013年)[20]
- 山崎貞一賞(2013年)[21]
- J. J. エバーズ賞"IEEE EDS J.J.Ebers Award"(2013年)、J. J. Ebers Award[22]
- クイーンエリザベス工学賞(2017年度)、マイケル・フランシス・トンプセット、エリック・フォッサム、およびジョージ・E・スミスとともに受賞した[23]。日本人としては初めての受賞者となった[24][25]。
- 紫綬褒章(2018年)[26]
- NHK放送文化賞(2023年)[27]
- テクノロジー&エンジニアリング・エミー賞、Technology_and_Engineering_Emmy_Awards (2023年)[28]
- 映像情報メディア学会名誉会員(2023年)[29]
著作物
[編集]主なものの一部
- N. Teranishi, A. Kohono, Y. Ishihara, E. Oda, K. Arai (1982). No image lag photodiode structure in the interline CCD image sensor. Proc IEDM (Electron Devices Meeting, 1982 International, 13–15 December 1982): 324–27 doi:10.1109/IEDM.1982.190285
- 電子情報通信学会知識ベース |4編 画像入力とカメラ(『画像入力とカメラ』 (現代電子情報通信選書『知識の森』)2012年、オーム社、ISBN 4274212092)
脚注・参照
[編集]- ^ a b c d e Professor Nobukazu Teranishi, Queen Elizabeth Prize for Engineering, (1 February 2017) 3 February 2017閲覧。
- ^ 「埋め込みフォトダイオード」とも。電子情報通信学会知識ベース |4編 画像入力とカメラ 1-3 CCD (執筆)山田哲生(パナソニック)
- ^ 2017 QEPrize Winners - Queen Elizabeth Prize for Engineering(エリザベス女王工学賞財団は王立工学アカデミーにより運営され、賞の発表を行う。)
- ^ Four IEEE Fellows Share Queen Elizabeth Prize for Digital Cameras - IEEE Spectrum
- ^ a b 兵庫県立大学 高度産業科学技術研究所 放射光ナノ工学分野
- ^ a b 静岡大学 電子工学研究所 イメージングデバイス分野 川人・香川・安富研究室メンバー
- ^ 新着情報 - 三重県立津高等学校同窓会
- ^ 電子工学研究所 寺西信一特任教授が日本人として初めて、クイーンエリザベス工学賞を受賞│静岡大学:ニュース
- ^ a b MST 山崎貞一賞 | 第13回(平成25年度)山崎貞一賞 半導体及び半導体装置分野
- ^ Pallab Ghosh (1 February 2017), £1m Queen Elizabeth Prize: Digital camera tech lauded, BBC 3 February 2017閲覧。
- ^ Samuel K. Moore (2 February 2017), Four IEEE Fellows Share Queen Elizabeth Prize for Digital Cameras, Institute of Electrical and Electronics Engineers 3 February 2017閲覧。
- ^ テキストアーカイブ | BSフジ LIVE プライムニュース
- ^ 平成6年(1994年) < 歴代の受賞者一覧 < 全国発明表彰|公益社団法人発明協会
- ^ 表彰 1978年~1999年度 | NEC R&D
- ^ 表彰 | 映像情報メディア学会
- ^ フェロー認定者 | 映像情報メディア学会
- ^ 2010 New Fellow | IEEE Tokyo Chapter
- ^ Progress Medal - RPS
- ^ Previous Recipients | Photographic Society of America
- ^ 表彰 | 映像情報メディア学会
- ^ [1]|山崎貞一賞
- ^ [2]| IEEE Electron Devices Society
- ^ [3]
- ^ “英の工学賞、寺西氏が受賞 デジカメ心臓部を開発”. 日本経済新聞. (2017年2月1日) 2017年2月26日閲覧。
- ^ NHK科学文化部 (2017年2月2日). “英エリザベス女王工学賞 寺西信一さんが受賞 日本人初 - NHK「かぶん」ブログ:NHK”. NHK 2017年2月26日閲覧。
- ^ 紫綬褒章受章者 時事ドットコム、2018年4月28日 アーカイブ 2018年6月24日 - ウェイバックマシン
- ^ 第74回日本放送協会 放送文化賞受賞者 、日本放送協会. 2023年3月20日閲覧
- ^ | National Academy of Television Arts & Sciences
- ^ 名簿、名誉会員 映像情報学会、2023年6月7日閲覧。
外部リンク
[編集]- 寺西信一「生涯一技術者で」『情報知識学会誌』第67巻第10号、映像情報メディア学会、2013年、doi:10.3169/itej.67.k18。
- 【私の発言】技術者になりたいという子どもを増やしたい | 光と画像の技術情報誌「OplusE」、2017年6月号(第451号)
- CiNii Articles 著者 - 寺西 信一
- About IISS > Board of Directors | International Image Sensor Society
- KAKEN — 研究者をさがす | 寺西 信一 (20738893)
- 【研究者データ】寺西 信一 | 日本の研究.com
- エリザベス女王工学賞受賞決定 寺西 信一特任教授の記者会見 | 大学案内 | 兵庫県立大学
- 電子工学研究所 寺西信一特任教授からの喜びのコメント│静岡大学:ニュース
- 寺西信一氏が英国「エリザベス女王工学賞」を受賞 (2017年2月2日):プレスリリース | NEC