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小山信也

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
小山信也
生誕 (1962-05-07) 1962年5月7日(62歳)
日本の旗 日本新潟県新潟市
居住 日本、米国、韓国
国籍 日本
研究分野 整数論ゼータ関数論、数論的量子カオス
研究機関 東洋大学梨花女子大学ケンブリッジ大学プリンストン大学
出身校 東京大学学士
東京工業大学修士
慶應義塾大学博士
博士課程
指導教員
黒川信重
他の指導教員 ピーター・サルナック
博士課程
指導学生
名越弘文、中筋麻貴
他の指導学生 金子生弥
主な受賞歴 井上科学振興財団研究奨励賞(1995)
補足
 
プロジェクト:人物伝
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小山 信也(こやま しんや、1962年[1]5月7日[2] - )は、日本数学者新潟県[1]新潟市[2]生まれ。東京大学理学部数学科卒業[1]東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻修士課程修了[1]博士(理学)慶應義塾大学・1994年)。東洋大学理工学部教授[1]。専門は数学整数論ゼータ関数論、数論的量子カオス、量子エルゴード性など[1]

業績

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  • 数論的多様体のセルバーグ・ゼータ関数が、ラプラシアンの行列式によって表されることを証明した[3]
  • ビアンキ多様体のマース波動形式の L-ノルムに対する評価を改良した[4]
  • ピカール多様体に対する素測地線定理の誤差項を改良した[5]
  • ジャッケ・ラングランズ対応の像を決定し、その応用として数論的コンパクト面の素測地線定理を改善した[6]
  • ヘッケL関数の量指標アスペクトに関する凸評価を改善した。
  • ヘッケL関数の普遍性を、量指標アスペクトに関して証明した(見正秀彦との共同研究)[7]
  • アイゼンシュタイン級数の量子エルゴード性を、ビアンキ多様体に対して証明した[8]
  • 量子エルゴード性のレベル・アスペクトが成立することを発見し、証明した[9]
  • 絶対ゼータ関数を定義し、基本的な諸性質を証明した(黒川信重、Anton Deitmarとの共同研究)[10]
  • 多重ゼータ関数のオイラー積表示などいくつかの実例を計算した(黒川信重との共同研究)[11]
  • 一般化された置換のゼータ関数の行列式表示を与えた(中島さち子との共同研究)[12]
  • セルバーグ・ゼータ関数のオイラー積の収束性を、臨界領域内で初めて証明した(金子生弥との共同研究)。

著書

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  • 『誰も知らない素数のふしぎ ~ オイラーからたどる未解決問題への挑戦』(講談社、2024年8月)[13] ISBN 978-4065368473
  • 『素数って偏ってるの? ~ABC予想,コラッツ予想,深リーマン予想~』(技術評論社、2023年10月)[14] ISBN 978-4297137618
  • 『日本一わかりやすいABC予想』(ビジネス教育出版社、2021年6月)
  • 『「数学をする」ってどういうこと?』(技術評論社、2021年5月)
  • 『数学の力 ~ 高校数学で読みとくリーマン予想』(日経サイエンス社、2020年7月)
  • セルバーグ・ゼータ関数~リーマン予想への架け橋』(日本評論社、2018年7月)
  • 『リーマン教授にインタビューする ~ゼータの起源から深リーマン予想まで』(青土社、2018年4月)
  • 『ゼータへの招待』 (日本評論社、2018年2月)[黒川信重との共著]
  • 『ラマヌジャン・ゼータ関数論文集』 (日本評論社、2016年2月)[黒川信重との共著]
  • 『素数とゼータ関数』(共立出版、2015年10月)
  • 『ABC予想入門』 (PHP研究所、2013年3月)[黒川信重との共著]
  • 『すべての人の微分積分学』 (日本評論社、2013年3月)[中島さち子との共著]
  • 『リーマン予想の数理物理』 (サイエンス社、2011年11月)[黒川信重との共著]
  • 『素数からゼータへ、そしてカオスへ』(日本評論社、2010年12月)
  • 『多重三角関数論講義』(日本評論社、2010年11月)[黒川信重との共著]
  • 『絶対数学』(日本評論社、2010年9月)[黒川信重との共著]
  • 『リーマン予想のこれまでとこれから』(日本評論社、2009年11月)[黒川信重との共著]

訳書

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  • ポール・J・ナーイン『オイラー博士の素敵な数式』(日本評論社、2008年2月/ちくま学芸文庫、 2020年11月)
  • 監訳『数学の教養365』(ニュートンプレス、2020年2月)

テレビ番組の制作・監修

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  • 笑わない数学 シーズン2』(NHK総合テレビ)2023年10月~12月放送
  • 笑わない数学』(NHK総合テレビ)2022年7月~9月放送
  • 『数学者は宇宙をつなげるか? ――ABC予想をめぐる数奇な物語』(NHKスペシャル)2022年4月10日放送
  • 『特捜9 season 4』第7話「殺人パズル」(テレビ朝日)2021年5月17日放送
  • 『素数の魔力に囚われた人々――リーマン予想・天才たちの150年の闘い』(NHKハイビジョン特集)2009年11月21日放送
  • 『魔性の難問――リーマン予想・天才たちの闘い』(NHKスペシャル)2009年11月15日放送
  • 『Q.E.D. 証明終了』(NHK「ドラマ8」)2009年1月8日~3月12日放送

脚注

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  1. ^ a b c d e f Amazon.co.jp: 小山 信也:作品一覧、著者略歴
  2. ^ a b Website of Shin-ya Koyama
  3. ^ Selberg zeta functions and the determinants of the Laplacians”. Proc. Japan Acad.. 2017年9月30日閲覧。
  4. ^ L-infinity norms of eigenfunctions for arithmetic hyperbolic 3-manifolds”. Duke Math. J.. 2017年9月30日閲覧。
  5. ^ Prime geodesic theorem for the Picard manifold under the mean-Lindelöf hypothesis”. Forum Math.. 2017年9月30日閲覧。
  6. ^ Prime geodesic theorem for arithmetic compact surfaces”. Int. Math. Res. Notices. 2017年9月30日閲覧。
  7. ^ Universalilty of Hecke L-functions in the Grossencharacter-aspect”. Proc. Japan Acad.. 2017年9月30日閲覧。
  8. ^ Quantum ergodicity of Eisenstein series for arithmetic 3-manifolds”. Comm. Math. Phys.. 2017年9月30日閲覧。
  9. ^ Equidistribution of Eisenstein series in the level aspect”. Comm. Math. Phys.. 2017年9月30日閲覧。
  10. ^ Absolute zeta functions”. Proc. Japan Acad.. 2017年9月30日閲覧。
  11. ^ Mutltiple zeta functions: the double sine function and the signed double Poisson summation formula”. Composite Math.. 2017年9月30日閲覧。
  12. ^ Zeta functions of generalized permutations with application to their factorization formulas”. Proc. Japan Acad.. 2017年9月30日閲覧。
  13. ^ 誰も知らない素数のふしぎ ~ オイラーからたどる未解決問題への挑戦”. 講談社. 2024年8月22日閲覧。
  14. ^ 素数って偏ってるの? ~ABC予想,コラッツ予想,深リーマン予想~”. 技術評論社. 2023年9月14日閲覧。