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プリンストン大学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
プリンストン大学
ラテン語: Universitas Princetoniensis
旧称 カレッジ・オブ・ニュー・ジャージー
(1746年 - 1896年)
モットー Dei Sub Numine Vigetラテン語[1]:51
モットー (英語) Under God's Power She Flourishes[1]:51
種別 私立大学
設立年 1746年
資金 約227億ドル(2015年)[2]
学長 クリストファー・L・アイスグルーバー
教員数
1172名
職員数
1103名
学生総数 8088名
学部生 5391名[3]
大学院生 2697名
所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ニュージャージー州プリンストン
北緯40度20分35秒 西経74度39分25秒 / 北緯40.343度 西経74.657度 / 40.343; -74.657座標: 北緯40度20分35秒 西経74度39分25秒 / 北緯40.343度 西経74.657度 / 40.343; -74.657[4]
キャンパス 郊外型、500エーカー (2.0 km2)
(Princeton)[1]:3
ノーベル賞受賞者数 68
スクールカラー 橙と黒[5]
   
運動競技 NCAA Division I
Ivy League, ECAC Hockey, EARC, EIVA
MAISA
ニックネーム タイガー
AAU
URA
NAICU[6]
公式サイト www.princeton.edu
テンプレートを表示
プリンストン・チャペル

プリンストン大学(プリンストンだいがく、英語: Princeton University)は、ニュージャージー州プリンストンに本部を置くアメリカ合衆国私立大学1746年創立[7]

アイビー・リーグの一校に数えられる名門校で、特に物理学・数学の分野で歴史的な研究が数多く行われている[7]

多額の寄付とその投資運用によって長く財政的に安定しており、2023年時点の大学基金額は340億ドル(約5兆3000億円)に達する[8]

2019年12月時点で2人のアメリカ合衆国大統領、68人のノーベル賞受賞者、15人のフィールズ賞受賞者、5人のアーベル賞受賞者、13人のチューリング賞受賞者、209人のローズ奨学生、126人のマーシャル奨学生英語版を輩出している[要出典]

2024年時点の学部合格率は4.0%[9]、1年間の学費(教材費・生活費など含まず)は約5万9000ドル(約920万円)と発表されている[10]

アインシュタインオッペンハイマーら世界的研究者が集まったことで知られる「プリンストン高等研究所(Institute of Advanced Study)」とは提携関係にあるが別の組織である[11][12]

概要

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1746年にニュージャージー大学として設立され、1896年に現在の名称となった。かつては男子校であったが、1969年からは男女共学となった。

ハーバード大学やイェール大学がプロテスタント清教徒会衆派にその設立がさかのぼるのに対して、プリンストン大学はプロテスタント長老派にさかのぼり、隣接する牧師養成機関であるプリンストン神学校と創立の起源を同じくしている[要出典]

高い教育・学術水準で知られ、教壇に立った研究者には、「フェルマーの定理」を証明したことで知られるアンドリュー・ワイルズノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンノーベル文学賞を受賞したトニ・モリスンなどがいる。また国外の芸術関係者の招聘にも熱心で、日本からは作家の村上春樹が1991年から2年間滞在している[13]。(そのほか著名な関係者は後述の「出身者」項を参照)

大学ランキング

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  • USニュース米国内大学ランキング ─ 第1位(2024)[14]
  • THE世界大学ランキング ─ 第6位(2024年)[15]
  • THE米国内学部ランキング ─ 第8位(2024)[15]

USニューズ&ワールド・レポートが毎年行っている米国大学ランキングでは、2001年度以降20年間で18回「1位」にランキングされ、2020年度も単独で9年連続となる1位であった。

THE世界大学ランキングでも常に最上位にランクされている(2009年度と2011年度で2位となったが、それ以外の年度は1位)[16][17][18]。2020年度も単独で9年連続となる1位であった(2位ハーバード、3位イエール・MIT・コロンビア)[19]

THE世界大学ランキングの分野別では、物理科学分野で第1位を最多で獲得しており、2020年度も3年連続で単独の世界ランキング1位[20]

学生像

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人種構成(2023年)[21]

  • 白人:50.4%
  • アジア系:28.4%
  • 混血:10.9%
  • 黒人:8.9%
  • アメリカンインディアン/アラスカ先住民:0.9%

ジェンダー(2023年)[22]

  • 女性:52.9%
  • 男性:45.2%
  • ノンバイナリー:1.4%

批判・不祥事

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賃金格差訴訟

2010年代、労働省から男女間の賃金格差が生じていることを訴えられている。2012年から2014年にかけフルタイムの教授職にあった女性106人が受け取った給与が、男性教授の給与と比べて少なかったことが根拠となった。

2020年、大学は女性教授に未払い分の賃金を支払うことで和解。和解は訴訟が長期にわたることによるリスクを回避するもので、和解に当たり大学が法の精神を順守していたというスタンスを変更することはなく、男女格差の責任を認めることもなかった[23]

改名問題

プリンストン公共大学政策大学院(SPIA)外観。「ウッドロー・ウィルソン・スクール」から改名された。

第28代大統領でありプリンストン大学総長でもあったウッドロー・ウィルソンの名前がキャンパス内の建物に長く残されてきたが、ウィルソンの人種差別的言動が問題視されるようになり、2016年には改名運動が起きている。抗議を受けて設置された特別委員会は改名の要求を斥ける提言を出し、4月に大学の評議会は、「プリンストンは、ウィルソン氏が他の歴史的人物と同様に、正負の両方の影響を持つ複雑な遺産を残したことを公然と率直に認めなければならない」とした上で、「同氏の名前を使用することは、われわれの時代の価値と志に反する見解や行動への支持を意味するものではない」との見解を示している[24]

しかし2020年になってジョージ・フロイド抗議運動が高まると、同年6月27日、大学はウィルソンの名を冠した学部・建物から名前を外すと発表した[25]

エピソード

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  • 黒いリスがキャンパスを駆け回っているなど、構内と周辺の自然環境が保たれており、近くの森に生息する周期ゼミが17年に一度大量発生すると、キャンパス中がセミの声に包まれるという[注釈 1]

出身者

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政治家・政府関係者

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軍人

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宗教界

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実業界

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学術界

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文学界

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美術・音楽界

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芸能界

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スポーツ界

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脚注

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注釈

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  1. ^ 名誉博士号の授与式で大学を訪れたボブ・ディランが「Day of the Locusts(セミの鳴く日)」という曲を制作している。

出典

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  1. ^ a b c Princeton Profile (2015-16 ed.). Princeton. https://www.princeton.edu/pub/profile/PU-profile-2015-16.pdf October 12, 2015閲覧。 
  2. ^ As of June 30, 2015. U.S. and Canadian Institutions Listed by Fiscal Year (FY) 2015 Endowment Market Value and Change in Endowment Market Value from FY 2014 to FY 2015”. National Association of College and University Business Officers and Commonfund Institute (2016年). January 29, 2016閲覧。
  3. ^ “Common Data Set”, Enrollment statistics, Princeton University, (2014), http://registrar.princeton.edu/university_enrollment_sta/common_cds2014.pdf April 5, 2015閲覧。 
  4. ^ "Princeton University". Geographic Names Information System. U.S. Geological Survey. {{cite web}}: Cite webテンプレートでは|access-date=引数が必須です。 (説明)
  5. ^ https://www.princeton.edu/communications/services/image/graphic/color/
  6. ^ Member Directory”. NAICU. 2015年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月12日閲覧。
  7. ^ a b Linke, D., J. (2004). Princeton university. In M. N. Lurie & M. Mappen (Eds.), Encyclopedia of New Jersey (1st ed.). Rutgers University Press.
  8. ^ Aronson, Emily. “Endowment continues to support Princeton’s commitment to affordability, excellence in teaching and cutting-edge research” (英語). Princeton University. 2024年5月13日閲覧。
  9. ^ Princeton Withholds Admissions Stats For Class Of 2028 - Crimson Education NZ” (英語). www.crimsoneducation.org. 2024年5月18日閲覧。
  10. ^ Princeton tuition”. US News. 2024年5月19日閲覧。
  11. ^ Welcome | Institute for Advanced Study” (英語). www.ias.edu (2019年11月15日). 2024年11月30日閲覧。
  12. ^ Frequently Asked Questions | Institute for Advanced Study” (英語). www.ias.edu (2015年11月24日). 2024年5月15日閲覧。
  13. ^ Haruki Murakami | Biography, Books, & Facts | Britannica” (英語). www.britannica.com (2024年4月24日). 2024年5月15日閲覧。
  14. ^ Princeton University ranking”. US News. 2024年5月14日閲覧。
  15. ^ a b Princeton University” (英語). Times Higher Education (THE) (2024年3月22日). 2024年5月14日閲覧。
  16. ^ Honorsadmin (2017年9月13日). “U.S. News Rankings for 57 Leading Universities, 1983–2007” (英語). Public University Honors. 2020年1月3日閲覧。
  17. ^ Honorsadmin (2015年6月13日). “U.S. News National University Rankings, 2008-2015” (英語). Public University Honors. 2020年1月3日閲覧。
  18. ^ Honorsadmin (2016年9月18日). “Average U.S. News Rankings for 123 Universities: 2013-2020” (英語). Public University Honors. 2020年1月3日閲覧。
  19. ^ Princeton Leads U.S. News List for Ninth Straight Year” (英語). Princeton Alumni Weekly (2019年9月9日). 2020年1月3日閲覧。
  20. ^ https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/2020/subject-ranking/physical-sciences#!/page/0/length/25/sort_by/rank/sort_order/asc/cols/stats
  21. ^ Demographics”. projects.dailyprincetonian.com. 2024年5月15日閲覧。
  22. ^ Demographics”. projects.dailyprincetonian.com. 2024年5月15日閲覧。
  23. ^ 米プリンストン大、女性教授らに約1億円支払い 賃金差別訴訟で和解”. CNN (2020年10月13日). 2020年10月13日閲覧。
  24. ^ プリンストン大、人種差別主義の元大統領にちなんだ建物改名せず」ロイター通信(2016年04月05日) 2017年8月20日閲覧
  25. ^ “ウィルソン元米大統領の名前冠した学部・建物の名称変更…米大「人種差別的政策進めた」”. 読売新聞オンライン. (2020年6月28日). https://www.yomiuri.co.jp/world/20200628-OYT1T50115/ 2021年11月10日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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