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小爾雅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

小爾雅』(しょうじが)は、中国古代の類語辞典。『爾雅』の追補にあたる。現在は独立した書籍としては存在せず、『孔叢子』の一部に含まれている。

概要

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漢書』芸文志に『小爾雅』一篇と記す。作者も作られた時代も不明である。

『爾雅』にならった形式の書籍には『方言』『釈名』などがあり、それらを増補した書物には『広雅』『埤雅』などがある。『小爾雅』はそれらの中でも成立年代の古いものである。

現在、『孔叢子』の第11篇に『小爾雅』13章が含まれている。『孔叢子』は孔子の子孫で陳勝の博士であった孔鮒が作ったものであるというが、漢代までの書籍に言及されておらず、通常は後世の偽作とされる。したがって現存の『小爾雅』についても時代の偽作とする説がある[1][2]

構成

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『小爾雅』は『爾雅』と同様の形式で、同義語を集めて羅列した文章が主になっている。ただし、「凡無妻・無夫、通謂之寡。」(妻がないことと夫がないことをともに「寡」という)のように、語の意味を直接説明している箇所も多い。

『小爾雅』は「広詁・広言・広訓・広義・広名・広服・広器・広物・広鳥・広獣・広度・広量・広衡」の13章からなるが、いくつかの章は非常に短い。

「広詁・広言・広訓・広器・広鳥・広獣」はそれぞれ『爾雅』の「釈詁・釈言・釈訓・釈器・釈鳥・釈獣」に対応している。

度量衡に関する「広度・広量・広衡」は『爾雅』に対応する篇が存在しない。

注釈

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隋書』経籍志によると、東晋の李軌による略解があったらしいが、現存しない。北宋の宋咸は『孔叢子』に注し、『小爾雅』に対しても注をつけているが、ごく簡略なものにすぎない。

朝には考証学が発達し、『小爾雅』に対しても多くの研究がなされるようになった。代表的なものに王煦『小爾雅疏』、宋翔鳳『小爾雅訓纂』、葛其仁『小爾雅疏証』、胡承珙『小爾雅義証』などがある。

脚注

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  1. ^ 戴震書小爾雅後」『戴東原集』 巻3http://ctext.org/library.pl?if=gb&file=79120&page=160 
  2. ^ 『四庫全書総目提要』巻91・孔叢子「其中第十一篇即世所伝『小爾雅』。注疏家往往引之、然皆在晋宋以後。惟『公羊伝疏』所引賈逵之説謂俗儒以六両為鋝、正出此書。然謂之「俗儒」則非『漢』芸文志之『小爾雅』矣。」

外部リンク

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