少女スーツケース詰め殺人事件
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少女スーツケース詰め殺人事件(しょうじょスーツケースづめさつじんじけん)とは、2005年(平成17年)5月2日に千葉県で発生した殺人事件である。
概要
[編集]2005年(平成17年)5月2日、宮城県加美町一本杉の日焼けサロン店員の女性(19歳)が千葉県松戸市の自称フリーターの男(23歳)に絞殺された[1]。男はJR新宿駅東口で女性と知り合い、自宅アパートに連れ込んだ後、寝ていた女性の財布からキャッシュカードを盗んだ。その後、カードがなくなっていることに気付いた女性に詰問されたため、発覚を恐れて女性の首を腕で絞めて殺害し財布などを奪った[1]。 警視庁捜査一課は5月7日に男を死体遺棄容疑で逮捕[2][3]。男の自供から、柏市名戸ヶ谷の水田に遺棄されたスーツケースの内部から女性の遺体が発見された[2]。5月18日、男は強盗殺人容疑でも再逮捕された[1]。
加害者と被害者
[編集]犯人の男は、自称フリーターでパチンコなどから借金を重ねていた。事件の2年前にも埼玉県の女性をホテルに連れ込んでキャッシュカードを奪って現金7万円を引き出すという、今回と同じような事件を起こしていた。このときは女性との間に示談が成立して起訴猶予処分となる。そして今回、被害者の女性を自宅に誘い込み、キャッシュカードを奪って暗証番号を聞き出そうとしたが、女性に抵抗されたために殺害し、現金1万2000円の入った財布を奪った。
この後、男は被害者女性の携帯電話を使って実家にいた母親に連絡する[2]。「女性に現金を盗まれた。弁償すれば告訴を取り下げる」と自らが被害者であり、女性が加害者であるかのようなふりをしてキャッシュカードの暗証番号を聞き出そうとしたのである[4]。さらに警察官を装って示談金名目で被害者女性の知人から金を騙し取ったりもした[4]。このような行為が、かえって警察に犯人特定を進めさせる決定的要因となった[2]。
被害者の女性は青森県八戸市出身で、3人姉妹の末娘だった[4]。事件前の3月に父が死去したため、宮城県で働くために実家を出た[4]。家族想いの少女で、母の日にカーネーションやチーズケーキを贈り、父が亡くなって寂しい思いをしていた母を気遣ってか、姉たちと1万円を出し合って5月8日の母の日に東京への旅行券をプレゼントする予定だったという[4]。東京に来ていたのは、ゴールデンウィークを利用して下見を兼ねていたという。
裁判
[編集]裁判で被告は起訴内容を全面的に認めた。裁判では無期懲役が求刑され、2005年11月10日、東京地裁で小川正持裁判長は、「パチスロで金に窮し、声をかけて親しくなった女性から金をせびろうと考えた。思い通りにならず殺害して金品を奪ったという動機はあまりに身勝手で愚かしい」とし、求刑通り無期懲役の判決を下した。さらに「被害者は親元を離れて自立した生活を始めたばかりだった。突如として将来のすべてを奪われた無念さは多大だろう」と被害者の心情にも触れている。
参考文献
[編集]- 「実録戦後タブー犯罪史」
脚注
[編集]- ^ a b c “19歳少女殺害、23歳男を強盗殺人容疑で再逮捕”. 読売新聞. (2005年5月18日) 2005年5月24日閲覧。
- ^ a b c d “水田に19歳女性遺体 GWで上京 遺棄容疑で男を逮捕”. 朝日新聞. (2005年5月7日) 2005年5月7日閲覧。
- ^ “GW上京の19歳女性殺される、遺棄容疑23歳男逮捕”. 読売新聞. (2005年5月7日) 2005年5月8日閲覧。
- ^ a b c d e “上京19歳殺害、母の日に東京旅行贈るつもりだった…”. 読売新聞. (2005年5月8日) 2005年5月8日閲覧。