尾上克郎
おのうえ かつろう 尾上 克郎 | |||||
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2016年、『シン・ゴジラ』ワールドプレミアにて | |||||
生年月日 | 1960年6月4日(64歳) | ||||
出生地 | 鹿児島県 | ||||
国籍 | 日本 | ||||
血液型 | A | ||||
職業 | 特撮監督、監督、VFXスーパーバイザー | ||||
ジャンル |
実写映画 テレビドラマ アニメーション映画 | ||||
活動期間 | 1985年 - | ||||
著名な家族 |
尾上彰(Idealink取締役、息子) 河中あい(タレント、彰の妻) | ||||
主な作品 | |||||
「メタルヒーローシリーズ」 『のぼうの城』 『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』 『シン・ゴジラ』 『シン・ウルトラマン』 | |||||
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尾上 克郎(おのうえ かつろう[1][2]、1960年[1][2]6月4日[3][4] - )は、日本の特撮映画・テレビの特撮監督。鹿児島県出身[出典 1]。
来歴
[編集]学生時代に自主制作映画へ携わったのをきっかけに、テレビ番組の装飾・小道具を手掛ける大晃商会でアルバイトを入る[4]。以後、映画、コンサートを中心に美術、装飾、特殊効果マンとして活躍[4]。1982年の映画『爆裂都市 BURST CITY』で美術スタッフとして映画キャリアをスタートした。
1985年に特撮研究所所属となる[出典 2][注釈 1]。スーパー戦隊シリーズやメタルヒーローシリーズなどで操演技師を務めた後、1994年『ブルースワット』で特撮監督としてデビュー[出典 1]。東映特撮のデジタル化を推進した[4]。その後、同専務取締役となる[5]。
2011年10月27日、「VFX-JAPANキックオフミーティング」ではパネルディスカッションに登壇した[6][7]。
2013年2月23日、VFX-JAPANアワードの「CM、博展映像部門」を受賞した[8]。
2023年、芸術選奨文部科学大臣賞受賞[9]。
人物
[編集]映画監督の緒方明とは佐賀県立佐賀西高等学校時代の同級生で、緒方のデビュー作『東京白菜関K者』(1980)では主役の白菜男を演じた[4]。
特撮研究所では、矢島信男から効率重視の精神を叩き込まれたといい、自身の仕事においても自分がやりたいことに注力するよりもそれを切って作品全体の質を向上させることを重視している[4][1]。スケジュールは初日をきっちりこなすことでスケジュール通りに進むようになると持論を述べている[4]。周囲からも監督よりプロデューサーの考え方に近いと言われるという[1]。
特撮監督
[編集]テレビドラマ
[編集]- メタルヒーローシリーズ
- ブルースワット(1994年 - 1995年)
- 重甲ビーファイター(1995年 - 1996年)
- ビーファイターカブト(1996年 - 1997年)
- 黒部の太陽(2009年)
- ウルトラマンZ 第9話・第10話(2020年)
映画
[編集]- 白痴(1999年)[1]
- 式日(2000年)
- アナザヘヴン(2000年)
- 陰陽師(2001年)[1]
- リターナー(2002年)
- 明日があるさ THE MOVIE(2002年)
- COSMIC RESCUE(2003年)
- 陰陽師II(2003年)
- NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE(2004年)
- 戦国自衛隊1549(2005年)
- バブルへGO!! タイムマシンはドラム式(2007年)
- 西遊記(2007年)
- 私は貝になりたい(2008年)[1]
- のんちゃんのり弁(2009年)
- 死刑台のエレベーター(2010年)
- 太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-(2011年)
- のぼうの城(2012年)
- 進撃の巨人 ATTACK ON TITAN(2015年)[1][2]
- 進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド(2015年)[1]
- パンク侍、斬られて候(2018年)
- 劇場版 ラジエーションハウス(2022年)
その他参加作品
[編集]- 爆裂都市 BURST CITY(1982年) - 美術
- 兄弟拳バイクロッサー(1985年) - 操演
- おもいっきり探偵団 覇悪怒組(1987年)
- スーパー戦隊シリーズ
- 光戦隊マスクマン(1987年 - 1988年) - 操演
- 超獣戦隊ライブマン(1988年 - 1989年) - 操演
- 高速戦隊ターボレンジャー(1989年 - 1990年) - 操演
- 地球戦隊ファイブマン(1990年 - 1991年) - 操演
- 鳥人戦隊ジェットマン(1991年 - 1992年) - 操演
- 恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992年 - 1993年) - 操演
- 五星戦隊ダイレンジャー(1993年 - 1994年) - 操演
- 忍者戦隊カクレンジャー(1994年 - 1995年) - 操演
- 超力戦隊オーレンジャー(1995年 - 1996年) - 操演
- 激走戦隊カーレンジャー(1996年 - 1997年) - 操演
- 電磁戦隊メガレンジャー(1997年 - 1998年) - デジタルエフェクト
- 星獣戦隊ギンガマン(1998年 - 1999年) - デジタルエフェクト
- 救急戦隊ゴーゴーファイブ(1999年 - 2000年) - デジタルエフェクト
- 未来戦隊タイムレンジャー(2000年 - 2001年) - デジタルエフェクト
- 百獣戦隊ガオレンジャー(2001年 - 2002年) - デジタルエフェクト
- 劇場版 百獣戦隊ガオレンジャー 火の山、吼える(2001年) - デジタルエフェクト
- 忍風戦隊ハリケンジャー(2002年 - 2003年) - デジタルエフェクト
- 仮面ライダーシリーズ
- 仮面ライダーBLACK(1987年 - 1988年) - 操演
- 仮面ライダーBLACK RX(1988年 - 1989年) - 操演
- 仮面ライダーJ(1994年) - 操演
- 劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4(2001年) - あかつき号特撮
- 仮面ライダー龍騎(2002年 - 2003年) - スーパーバイザー
- ドン松五郎の大冒険(1987年) - 操演
- ドラゴンクエスト ファンタジア・ビデオ(1988年) - 特殊効果
- ウルトラマンVS仮面ライダー(1993年) - ストーリー構成、操演
- ラブ&ポップ(1998年) - デジタル操演
- あぶない刑事フォーエヴァー(1998年) - 操演
- ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒(1999年) - 操演、特技別働隊(B班)隊長
- ゴジラ2000ミレニアム(1999年) - 操演助手
- さくや妖怪伝(2000年) - 技術統括
- 陰陽師☆安倍晴明〜王都妖奇譚〜(2002年) - 特撮アドバイザー
- CUTIE HONEY キューティーハニー(2003年) - 監督補
- ローレライ(2005年) - 監督補、特撮監督補
- 北の零年(2005年) - VFXプロデューサー
- 蟬しぐれ(2005年) - 視覚効果
- 日本沈没(2006年) - 特殊技術統括、監督補[1]
- 陽気なギャングが地球を回す(2006年) - 第二班監督
- 隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS(2008年) - セカンドユニット監督
- 木枯し紋次郎(2009年) - VFXスーパーバイザー
- 救命病棟24時(2009年) - VFXディレクター
- 20世紀少年 最終章 ぼくらの旗(2009年) - 特撮コーディネーター
- 誰かが嘘をついている(2009年) - CG制作
- 長髪大怪獣ゲハラ(2009年) - スペシャルサンクス
- 救命病棟24時〜2010スペシャル〜(2010年) - VFX
- 太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-(2011年) - セカンドユニット監督
- 宇宙兄弟(2012年) - スペシャルエフェクトスーパーバイザー
- 巨神兵東京に現わる(2012年) - 監督補、特殊技術統括[1]
- のぼうの城(2012年) - セカンドユニット監督[1]
- ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年) - アニメーション・マテリアル
- ガッチャマン(2013年) - VFXスーパーバイザー(素材撮影)
- 杉原千畝 スギハラチウネ(2015年) - セカンドユニット監督[1][2]
- シン・ゴジラ(2016年) - B班監督・特技総括、准監督、特技総括[1][3]
- シン・ゴジラ:オルソ(2023年) - 監修(上記のモノクロ版)
- いだてん〜東京オリムピック噺〜(2019年) - VFXスーパーバイザー
- 劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス(2020年) - VFXスーパーバイザー[10]
- シン・エヴァンゲリオン劇場版(2021年) - プリヴィズ制作協力、特殊技術素材/パネル美術撮影(特殊技術)
- 桶狭間 OKEHAZAMA〜織田信長〜(2021年) - シニアVFXスーパーバイザー
- シン・ウルトラマン(2022年) - 准監督[11]、撮影
- Ribbon(2022年) - 特撮プロデューサー
- 仕掛人・藤枝梅安(2023年) - VFXシニアスーパーバイザー
- シン・仮面ライダー(2023年) - 准監督、撮影、特撮班監督
- 仕掛人・藤枝梅安2(2023年) - VFXシニアスーパーバイザー
- 鬼平犯科帳 血闘(2024年) - VFXシニアスーパーバイザー
- 新宿野戦病院(2024年)- シニアVFXスーパーバイザー・タイトルロゴデザイン
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p ジ・アート・オブ シン・ゴジラ 2016, pp. 476–480, 「インタビュー / 尾上克郎」
- ^ a b c d e f シン・ゴジラGENERATION 2017, pp. 88–89, 「スタッフインタビュー 尾上克郎」
- ^ a b 野村宏平、冬門稔弐「6月3日 / 6月4日」『ゴジラ365日』洋泉社〈映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、152頁。ISBN 978-4-8003-1074-3。
- ^ a b c d e f g h i j 「[対談]尾上克郎×野中剛」『宇宙船』vol.169(SUMMER 2020.夏)、ホビージャパン、2020年8月3日、112-113頁、ISBN 978-4-7986-2243-9。
- ^ a b 「インタビュー 尾上克郎」『宇宙船』Vol.118(2005年5月号)、朝日ソノラマ、2005年5月1日、41頁、雑誌コード:01843-05。
- ^ VFX-JAPANの設立目指す キックオフミーティング
- ^ 「VFX-JAPAN」キックオフミーティングをふりかえる | FEATURE | CGWORLD.jp Archived 2013年10月8日, at the Wayback Machine.
- ^ 「三丁目の夕日’64」、もののけ島、巨神兵など VFX-JAPANアワード受賞 | アニメ!アニメ!
- ^ 令和4年度(第73回)芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞の決定について
- ^ “作品紹介”. 劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス. 2019年12月15日閲覧。
- ^ “2021年初夏公開決定!『シン・ウルトラマン』立像が初お披露目、“特撮の神様”円谷英二の出身地・須賀川にてシン・ウルトラマンの“スペシウム光線ポーズ”が明らかに!”. 円谷ステーション – ウルトラマン、円谷プロ公式サイト. 2020年11月4日閲覧。
出典(リンク)
[編集]参考文献
[編集]- 『宇宙船』(Vol68、朝日ソノラマ)「特撮基本大図鑑」第四回「操演」
- 『ジ・アート・オブ シン・ゴジラ』企画・責任編集 庵野秀明、企画・編集・発行:カラー 販売:グラウンドワークス、2016年12月30日。ISBN 978-4-905033-08-0。
- 『シン・ゴジラ GENERATION』ホビージャパン〈ホビージャパンMOOK〉、2017年7月31日。ISBN 978-4-7986-1417-5。
外部リンク
[編集]- 尾上克郎 (@ono_katsu) - X(旧Twitter)
- 尾上克郎 (Katsu.Onoue) - Facebook