山下菊二
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山下 菊二(やました きくじ、1919年10月8日 - 1986年11月23日)は、日本の画家。
経歴
[編集]徳島県三好市に生まれる。1937年、香川県立工芸学校卒業。翌1938年に上京し、福沢一郎の絵画研究所に入る。
1944年から1949年まで東宝映画教育映画部に勤務[1]、この間、応召による戦場体験と1946年から1948年までの東宝争議を体験した。1946年、高山良策、大塚睦らと「前衛美術会」を結成。
1949年、美術文化協会の会員になるが、翌年、退会。以後、多くの会を結成、あるいは参加。また、日本共産党に入党し、山村工作隊にも参加した。
1952年、小河内村でのダム反対闘争に参加。以後、松川裁判、安保闘争、狭山裁判などに関与。兄の谷口董美も画家。新潮文庫の大江健三郎作品の表紙を描いた。1975年に、筋萎縮症と判断される。1986年、死去。
権力や差別、天皇制や庶民意識の問題と向かい合い、渾沌たる現実を超現実主義の方法で戯画化したり、探訪絵画を創案して、事件を紙芝居化するなど、その絵画は、戦後史の証言ともなる重要なものである。家の中で梟を飼っていた[2]。
代表作に《あけぼの村物語》(1953年)《見られぬ祭》(1965年)《葬列》(1967年)《転化期》(1968年)などがある。
画集など
[編集]- 『くずれる沼 - 画家・山下菊二の世界』(すばる書房) 1979年
- 『山下菊二画集 1919-1986』(美術出版社) 1988
その他著書
[編集]展覧会
[編集]- 「山下菊二展」 神奈川県立近代美術館ほか編 1996
- 「谷口董美、山下菊二兄弟故郷のイメージを描く」 徳島県立近代美術館 2009
- 「山下菊二コラージュ展」 神奈川県立近代美術館 2011
- 2021年1月9日から3月28日まで三重県立美術館にて「ショック・オブ・ダリ ― サルバドール・ダリと日本の前衛」展が開催されサルバドール・ダリに影響を受けた日本の作家として山下菊二他、 靉光、浅原清隆、池田龍雄、石井新三郎、小牧源太郎、斎藤長三、島津純一、白木正一、高山良策、難波架空像(香久三)、浜田浜雄、早瀬龍江、尾藤豊、福沢一郎、藤田鶴夫、古沢岩美、森堯之、矢崎博信、杉全直、山本昌尚、吉井忠、米倉壽仁、渡辺武の24人とダリの作品が展示され[3]、同年4月24日から6月27日まで諸橋近代美術館でも同展覧会が開催された [4]。