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岐阜市交通事業部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
岐阜市営バス いすゞ・キュービック 撮影:岐阜駅前

岐阜市交通事業部(ぎふしこうつうじぎょうぶ)は岐阜県岐阜市でバス事業を行っていた交通事業部局(地方公営企業)である。通称は岐阜市営バス[1]

概要

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1949年昭和24年)設立。12路線を運行していたが、モータリゼーションの進展を背景にした慢性的な混雑にみられる走行環境の悪化からほとんどの路線が不採算となり、赤字額は年間で合計10億円を超えていた[2]ことから、2001年平成13年)に観光バス事業を廃止。路線バスについても、2003年(平成15年)度から岐阜乗合自動車(岐阜バス)へ3年かけて段階的に路線や車両を譲渡し、2005年(平成17年)4月1日に廃止された[3]。なお、譲渡された路線については、譲渡後3年間は運賃・本数を維持するという条件が付された。岐阜市南柿ヶ瀬にあった庁舎も岐阜バスに引き継がれ、同社の柿ヶ瀬営業所となっている。

バスカード

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1997年(平成9年)に導入。岐阜市営バス、岐阜バス(高速・空港線除く)および岐阜地区の名鉄バス(当時は名古屋鉄道本体の運営)[4]の3事業者で共通利用できた。カードの種類は、誰でもいつでも使用できる普通バスカード、平日10時から16時までと休日終日に誰でも使える昼間バスカード、学生がいつでも使用できる通学バスカードの3つである。

名鉄バス岐阜地区撤退後の2004年(平成16年)10月1日以降も、岐阜市営バスでは最後まで名鉄バス発行のカードが使用できた。岐阜市営バス廃止の2005年(平成17年)4月1日以降も、発行済みの市営バスカードは岐阜バスで使用できた。また、岐阜市役所に岐阜バスカード自販機が設置されていた[5]

その後、岐阜バスでは2008年(平成20年)3月31日限りでバスカードの取り扱いが終了し、3事業者発行分すべてのカードが使用できなくなった。払戻も2008年(平成20年)9月30日限りで終了している。[6]

利用可能額
発売額\種類 普通 昼間 通学
1,000円 1,050円分 1,150円分 1,150円分
2,000円 2,200円分 2,600円分 2,600円分
3,000円 3,350円分 3,950円分 3,950円分
5,000円 5,750円分 6,750円分 6,750円分

路線

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2003年(平成15年)4月1日に譲渡された路線
  • (7)・(77)曽我屋線(2024年令和6年)現在、岐阜バス「曽我屋線」※ 経路変更あり)
  • (13)・(33)三田洞線(2024年(令和6年)現在、岐阜バス「三田洞線」※ 区間廃止あり)
  • 市立短大線
  • (14)椿洞線(期間限定路線)(2019年(平成31年)4月1日廃止)[7]
  • 上加納線(期間限定路線)(2019年(平成31年)4月1日廃止)[7]
  • 鏡島弘法線(期間限定路線:毎月21日運行。2019年(平成31年)3月21日を最終運行として同年3月31日限りで廃止)[8][7]
2004年(平成16年)4月1日に譲渡された路線
  • (2)・(21)・(22)加納島線(2020年(令和2年)現在、岐阜バス「加納島線」)
  • (5)・(55)鏡島市橋線(2020年(令和2年)現在、岐阜バス「鏡島市橋線」※ 区間廃止あり)
  • (8)鏡島大橋線(2010年(平成22年)廃止)
  • (9)・(99)岩戸入舟線(2020年(令和2年)4月廃止)[9][7]
2005年(平成17年)4月1日に譲渡された路線
  • (1)・(11)・(101)・(111)長良線(2024年(令和6年)現在、岐阜バス「市内ループ線」※ 経路変更あり)
  • (6)加納南線(2024年(令和6年)現在、岐阜バス「加納南線」)

車両

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移管された岐阜バスの車両。旧岐阜市営バスの塗色が残されている。

長年岐阜県内(各務原市)にバス製造工場があった川崎重工業製(旧川崎航空機[10])の車体のバスのみを導入していた。川崎重工製車体がいすゞ純正ボディに指定され、川崎重工がいすゞ自動車のみのバスを製造するようになった後は、いすゞ製バスのみ導入した[11]。ただし、日産ディーゼル(当時、現在の「UDトラックス」)製中型車(車体:富士重工業)も一部導入された。

岐阜バスへの路線移管に伴い、ほとんどの車両は岐阜バスへ譲渡され、岐阜バス色に塗り替えて(一部の車両は側面の塗装は岐阜市交通局の塗装のまま)運用されたが、この他に1台は岐阜バスコミュニティに、2台はエスラインギフに譲渡された。岐阜バスでは2013年(平成25年)秋までにすべて廃車となっている。

岐阜バスは東日本大震災で車両を失ったミヤコーバスへの支援で10両を譲渡したが、そのうち3台は旧・岐阜市営バスの車両だった。2018年(平成30年)現在、そのうち1両(側面は岐阜市営バス時代の塗装)は予備車として運用されているが、2019年(令和元年)廃車予定である[12]

脚注

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  1. ^ この名称は2003年平成15年)度からで、それまでは岐阜市交通部と称した。
  2. ^ 平成14年3月議会(代表質問)”. 本会議の質問(会議録). まつばら和生 岐阜市議会議員 松原和生 公式Web (2002年3月). 2016年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月6日閲覧。
  3. ^ 岐阜新聞 2005年4月1日 30面『岐阜市営バスも幕』
  4. ^ 岐阜市内と高富(現・山県市)を結ぶ路線のみ。
  5. ^ 2014年(平成26年)12月現在では、岐阜バス・ayuca自動入金機となっている。
  6. ^ バスカード”. 岐阜乗合自動車. 2015年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月7日閲覧。
  7. ^ a b c d バス路線に係る休廃止一覧” (PDF). 岐阜県. 2024年8月19日閲覧。
  8. ^ 『鏡島弘法臨時バスの運行終了について』(岐阜バス:2019年(平成31年)3月1日)
  9. ^ 『4月1日(水)ダイヤ改正を実施いたします』(岐阜バス2020年3月19日)
  10. ^ のちに分社化により川重車体工業、アイ・ケイ・コーチ(この時期に宇都宮市へ移転、いすゞ自動車が資本参加)、いすゞバス製造(この時期に川重が撤退しいすゞ完全子会社化)を経てジェイ・バス(宇都宮事業所)となっている。
  11. ^ 公営事業者で特定メーカー限定で導入している事例は他に伊丹市交通局兵庫県)があり、こちらもいすゞ車に統一されている。
  12. ^ “鵜を描いたバス、宮城で今も 震災復興支援、最後の1台活躍”. 岐阜新聞. (2018年10月21日). https://www.gifu-np.co.jp/news/20181021/20181021-83502.html 

関連項目

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  • 浜松市交通部 - 通称浜松市営バス。同じく地元の事業者(遠鉄バス)に路線と車両が引き継がれた。ここと同じく市営バスと遠鉄バスとでは車両の仕様が違っていた。

外部リンク

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