岩崎純孝
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岩崎 純孝(いわさき じゅんこう、1901年4月9日 - 1971年2月27日)は、日本の伊文学者。日本ファシズム連盟創設者。
静岡県出身。かつて平塚市長を務めた作家の戸川貞雄の弟[1]。東京外国語学校イタリア語科卒業。本名は「よしたか」(漢字は同じ)。
人物
[編集]イタリアのファシズムの台頭に応じてファシズム文学、イタリア文学の翻訳家として活躍。1932年に日本ファシズム連盟を結成した。戦後は児童文学の再話・翻訳などを多く手掛け、ボッカッチョ「デカメロン」、ダヌンツィオ「死の勝利」などを訳した。「沙漠の秘密」「馬と少年」などの創作童話も書いた。
没後の1988年に、絶版となって久しいボンテンペルリ『わが夢の女』が、ちくま文庫に収められ話題となった(短編集でその1篇「太陽の中の女」が、『ちくま文学の森4 おかしい話』に所収、新版・ちくま文庫、2010年)。
著書
[編集]- 『死と共に征く』(育生社弘道閣、新世代叢書) 1941
- 『現代のイタリヤ文学』(育生社弘道閣、新世代叢書) 1943
- 『オカッパ太郎モノガタリ』(二葉書房) 1947
- 『ガリレオ』(あかね書房、小学生伝記文庫) 1952
- 『二億円の勝敗 ダービー秘話』(鱒書房) 1956
- 『星姫さま』(講談社、講談社の絵本) 1958
翻訳
[編集]- 『翼』(セム・ベネェリ、新潮社、海外文学新選) 1925
- 『サウウル』(アルフイエーリ、近代社世界戯曲全集刊行部、世界戯曲全集37) 1928
- 『作者を探す六人の登場人場』(ルイジ・ピランデルロ、世界戯曲全集刊行会、世界戯曲全集38) 1929
- 『死せるパスカル(ピランデルロ)悪の道』(デレッダ、有島生馬共訳、新潮社、世界文学全集 第2期第16) 1932
- 『農業の諸問題』( ムツソリーニ、日本評論社、ムツソリーニ全集7) 1935
- 『愛の封印』(グラツィア・デレッダ、山本書店、山本文庫) 1936
- 『離婚の後』(グラツィア・デレッダ、河出書房、新世界文学全集24) 1940
- 『砂漠の中』(グラツィア・デレッダ、今日の問題社、ノーベル賞文学叢書4) 1940
- 『我が夢の女』(マッシモ・ボンテムペッリ、河出書房) 1941
- 『新しき植民地』(ルイーヂ・ピランデルロ、日本出版社、イタリア文化選書) 1942
- 『万能の天才 レオナルド・ダ・ヴインチ』(ヴィンゾ・コミト / ロベルト・グァテッリ、坪内章 / 加茂正一共訳、第一出版協会) 1942
- 『二度死んだ男 故マッティーヤ・パスカル』(ルイージ・ピランデッロ、日本評論社) 1942
- 『或る映画技師の手記』(ルイーヂ・ピランデルロ、今日の問題社、ノーベル賞文学叢書) 1942
- 『灼熱の国々』(マリオ・アッペリュウス、育生社弘道閣、新日本圏叢書) 1943
- 『ムッソリーニの伊太利人』(マリオ・カルリ、今日の問題社) 1943
- 『クオレ』(デ・アミーチス、富士出版) 1948
- 『ピノッキオの冒険』(コローディ、紀元社) 1948
- 『鉄仮面』(デュマ、東光出版社、新選世界名作選集) 1958
- 『死の勝利』(ダンヌンツィオ、河出書房新社、世界文学全集) 1958
- 『ビーバーの冒険』(A・マンツィ、あかね書房) 1959
- 『少女リザ・ベッタ』(ファンチュリ、あかね書房、世界児童文学全集) 1960
- 『南欧むかしばなし集』(下位英一共編訳、宝文館、少年少女世界むかしばなし全集) 1960
- 『密林の少年』(A・マンツイ、あかね書房) 1961
- 『コカイン 麻薬』(ピティグリリ、新流社、世界セクシー文学全集5) 1961
- 『白い粉』(ピティグリリ、新流社) 1962
- 『家なき子』(エクトル・マロ、講談社、講談社の絵本) 1962
- 『ロビン=フッドの冒険』(講談社、講談社の絵本) 1963
- 『あしたあさって』(ルネ・レッジャーニ、あかね書房、国際児童文学賞全集) 1965
- 『バルドビーノのふしぎな冒険』(ルネ・レッジャーニ、あかね書房、こども世界の文学) 1966
- 『イタリアのむかし話』(研秀出版、母と子の世界むかし話シリーズ) 1966
- 『北極洋のとうぞくカモメ』(L・ウゴリーニ、あかね書房、国際児童文学賞全集) 1967
- 『デカメロン』(ボッカッチオ、筑摩書房、世界文学全集7) 1967
- 『アトミーノは戦争がきらい』(M・アルジルリ、講談社、世界の児童文学名作シリーズ) 1974
脚注
[編集]- ^ 『文藝年鑑』1936年