菅平高原
菅平高原(すがだいらこうげん)は、上信越高原国立公園に属し、長野県上田市の北部から須坂市にまたがる、標高1,250〜1,650mの高原地帯である。
概要
[編集]夏でも冷涼な気候であるため、古くから林間学校やラグビー合宿のメッカとして知られ、サッカー、テニス、ゴルフ、陸上競技、パラグライダー、乗馬、スキーなど多種多様なスポーツが盛んに行われている。また、十ノ原地区は別荘地となっている。夏の冷涼な気候を利用した高原野菜の栽培も盛んである。
1927年に矢追秀武によって「日本のダボス」と命名され[1]、同年には菅平スキークラブが誕生した[2]。1928年(昭和3年)1月には菅平高原スキー場が開設された[3]。
1929年には来日したハンネス・シュナイダーによって「日本のシュヴァルツヴァルト (Japanisch Schwarzward)」として海外に紹介された。
1931年(昭和6年)には、ラグビー合宿所として法政大学ラグビー部を初めて誘致[4][5]。翌年には早稲田大学も利用し、ラグビーのグラウンドが増えていった[4][5]。
1999年(平成11年)、天然芝グラウンド5面と全天候型の第3種公認陸上競技場を備える「菅平高原スポーツランド」(愛称・サニアパーク菅平)が完成。ラグビー、サッカー、陸上競技などの試合や練習に使われる[6][5]。
2018年(平成30年)には屋内トレーニング施設を備えた「菅平高原アリーナ」がオープンした[7][5]。
2020年(令和2年) コロナ禍で困窮するラグビー夏合宿の聖地・菅平支援としてクラウドファンディング「WE ARE スガダイラーズ PROJECT」で支援を呼びかけ、60,188,372円の支援金を得た[8]。
2024年(令和6年)4月1日、3年間のネーミングライツ契約により、菅平高原スポーツランドは「アンダーアーマー菅平サニアパーク」に、菅平高原アリーナは「アンダーアーマー菅平アリーナ」へと名称変更した。
自然
[編集]山
[編集]周辺部に、日本百名山に数えられる四阿山 (2,354m) を最高峰に、花の百名山に数えられる根子岳 (2,207m) といった2,000m級の山がある。
気候
[編集]菅平 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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雨温図(説明) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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夏季冷涼・冬季厳寒の亜寒帯湿潤気候である。
最暖月(8月)平均気温は、19.5℃と過ごしやすい。特に朝晩は非常に涼しく、夏季でも最低気温が一桁となる日がある。また9月下旬には、最低気温が氷点下になることもある。夏季の最高気温は、基本的に30℃を超えることはない。気象観測開始以来、30℃以上の真夏日を記録したのは3日のみで、直近では、2000年7月23日に30.3℃を記録して以降、真夏日は観測されていない。日差しは強いものの、運動するのに適した気候である。
高原地帯でありながら盆地状の地形かつ晴天率が高いため、冬季は放射冷却が非常に起こりやすい。最寒月(1月)平均気温は-6.2℃、1月の平均最低気温は-13.0℃であり、北海道内陸部に匹敵する寒さである。最低気温は、毎年のように-20℃を下回る。2012年2月19日午前4時頃には-29.2℃を記録しており、これは、公式記録としては本州で最も低い気温である。また、2023年1月25日には、歴史的寒波により日最高気温が-12.5℃までしか上がらず、観測史上最も低い最高気温となった。
平均気温に関して、1991〜2020年のデータを反映した最新の平年値に更新されたが、従前(1981〜2010)の平年値とさほど変わっていない。例えば、1月の平均最低気温は、-12.8℃→-13.0℃と、むしろ寒冷化している。他の地域と違って、地球温暖化の影響をそこまで受けていないと言える。
内陸に位置しているため、年間平均降雪量は648cm、平均最深積雪量は104cmと、豪雪地帯の中では少ない方である。しかし、気温が低いため雪は溶けづらい。 西高東低の冬型の気圧配置の時よりも、南岸低気圧が通過する時に大雪となりやすく、最深積雪記録トップ10のうち殆どが、2月後半〜3月にかけて記録されている。過去最高の積雪量は、2014年2月16日に記録された152cmである。
地形
[編集]盆地状の地形になっており、中央部に湿原がある。
観光
[編集]ゴルフ場
[編集]- 上田菅平高原グランヴィリオゴルフ倶楽部[9](旧:菅平高原CC)(上田市)
- 菅平グリーンゴルフ(須坂市)
スキー場
[編集]- 菅平高原スノーリゾート
- ハーレースキーリゾート
- パインビークスキー場
その他
[編集]- アンダーアーマー菅平サニアパーク(菅平高原スポーツランド)- ラグビー、サッカー、陸上競技などの総合運動施設)
- アンダーアーマー菅平アリーナ(菅平高原アリーナ)- バスケットボール、バレーボールなどの屋内スポーツ施設
- 根子岳トレッキングコース
- 四阿山トレッキングコース
- ダボスの丘・菅平牧場ハイキングコース
- 菅平湿原
- 菅平高原自然館
- 菅平牧場
- 唐沢の滝
- 菅平ダム(菅平湖)
施設
[編集]- アンダーアーマー菅平サニアパーク(菅平高原スポーツランド)
- アンダーアーマー菅平アリーナ(菅平高原アリーナ)
- 電気通信大学菅平宇宙電波観測所
- 筑波大学実験センター 樹木園 (サニアパークの北に隣接する)
- 日本大学経済学部菅平研修所
- 学校法人塚本学院菅平高原研修センター
- 学校法人大原学園菅平ビガークラブ(研修所)
脚注
[編集]- ^ “なぜ、旧真田町とスイス ダボスが姉妹都市になったか? - まわりくどくてまとまらないブログ”. goo blog. 2023年5月6日閲覧。
- ^ “長野県スキー100年の歴史 -信州の旅.com-”. www.shinshu-tabi.com. 2023年5月6日閲覧。
- ^ 『菅平:スキー場開設四十周年記念』菅平観光協会、1968年。
- ^ a b “[ラグnote]「合宿の聖地」菅平 始まりは法大- 特集:ラグビーワールドカップ 2019 日本大会:読売新聞”. 【ラグビーワールドカップ2019】日本大会のニュース・実況解説:読売新聞 (2019年9月3日). 2023年5月6日閲覧。
- ^ a b c d “スポーツ合宿の聖地 菅平高原のあゆみ - 上田市ホームページ”. www.city.ueda.nagano.jp. 2023年5月6日閲覧。
- ^ “菅平高原スポーツランド(サニアパーク菅平) - 上田市ホームページ”. www.city.ueda.nagano.jp. 2023年5月6日閲覧。
- ^ “菅平高原アリーナ - 上田市ホームページ”. www.city.ueda.nagano.jp. 2023年5月6日閲覧。
- ^ “【ラグビー夏合宿の聖地・菅平支援】 WE ARE スガダイラーズ PROJECT | MOTION GALLERY”. motion-gallery.net. 2024年12月9日閲覧。
- ^ グランヴィリオゴルフ倶楽部
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]座標: 北緯36度31分36.27秒 東経138度19分59.95秒 / 北緯36.5267417度 東経138.3333194度