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島清恋愛文学賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

島清恋愛文学賞(しませれんあいぶんがくしょう)は、金沢学院大学が主催・運営する[1]恋愛小説を対象とした日本文学賞

1994年石川県美川町が町村合併40周年を記念して、同町出身の作家島田清次郎にちなんで創設[2][3]2005年の市町村合併により白山市主催となった。2011年を最後に廃止されたが、推薦委員が独自に存続させる意向を示し、地元の文芸者を中心に設立された民間団体「日本恋愛文学振興会」に運営を移行するかたちで2013年より再開[4]。しかし継続が困難になったことから、2014年からは北陸地方で唯一文学部を有する金沢学院大学が運営を継承した[5]。2024年現在の選考委員は小池真理子村山由佳、秋山稔(金沢学院大学長・泉鏡花記念館長)の3人。受賞者には正賞として賞状、副賞として50万円が贈られる(白山市主催時代は、正賞にブロンズ像、副賞として100万円が贈られていた)。

同時開催で、市内に居住または通学する小・中・高校生を対象とした「島清ジュニア文芸賞」もある。(2012年度からは白山市主催の「白山市ジュニア文芸賞・島清部門」[6]。)

受賞作一覧

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第1回から第10回

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回(年) 受賞者 受賞作 刊行
第1回(1994年度) 受賞 高樹のぶ子 『蔦燃』 1994年9月 講談社
第2回(1995年度) 受賞 山本道子 『瑠璃唐草』 1995年3月 講談社
第3回(1996年度) 受賞 坂東眞砂子 『桜雨』 1995年10月 集英社
第4回(1997年度) 受賞 野沢尚 恋愛時代 1996年12月 幻冬舎
第5回(1998年度) 受賞 小池真理子 『欲望』 1997年7月 新潮社
第6回(1999年度) 受賞 藤田宜永 『求愛』 1998年5月 文藝春秋
第7回(2000年度) 受賞 阿久悠 『詩小説』 2000年1月 中央公論新社
第8回(2001年度) 受賞 藤堂志津子 『ソング・オブ・サンデー』 2000年11月 文藝春秋
第9回(2002年度) 受賞 岩井志麻子 『自由戀愛』 2002年3月 中央公論新社
第10回(2003年度) 受賞 谷村志穂 海猫 2002年9月 新潮社
候補 唯川恵 『今夜 誰のとなりで眠る』 2002年12月 集英社
佐藤亜有子 『抱いて、そしてそのまま殺して』 2003年5月 河出書房新社

第11回から第20回

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回(年) 受賞者 受賞作 刊行
第11回(2004年度) 受賞 井上荒野 潤一 2003年11月 マガジンハウス
候補 唯川恵 『100万回の言い訳』 2003年9月 新潮社
辻仁成 『いまこの瞬間愛しているということ』 2003年11月 集英社
三浦しをん 『私が語りはじめた彼は』 2004年5月 新潮社
第12回(2005年度) 受賞 小手鞠るい 『欲しいのは、あなただけ』 2004年9月 新潮社
候補 関口尚 『あなたの石』 2004年8月 集英社
村山由佳 天使の梯子 2004年10月 集英社
第13回(2006年度) 受賞 石田衣良 眠れぬ真珠 2006年4月 新潮社
候補 有村かおり 『リサレクション』 2005年11月 講談社
野中柊 『きみの歌が聞きたい』 2006年4月 角川書店
第14回(2007年度) 受賞 江國香織 『がらくた』 2007年5月 新潮社
候補 山田詠美 『無銭優雅』 2007年1月 幻冬舎
東野圭吾 夜明けの街で 2007年6月 角川書店
第15回(2008年度) 受賞 阿川佐和子 『婚約のあとで』 2008年2月 新潮社
候補 大崎善生 『スワンソング』 2007年8月 角川書店
第16回(2009年度) 受賞 村山由佳 ダブル・ファンタジー 2009年1月 文藝春秋
候補 角田光代 『三月の招待状』 2008年9月 集英社
伊藤たかみ 『カンランシャ』 2009年6月 光文社
第17回(2010年度) 受賞 桐野夏生 『ナニカアル』 2010年2月 新潮社
候補 唯川恵 『雨心中』 2010年6月 講談社
有吉玉青 『カムフラージュ』 2010年5月 角川書店
第18回(2011年度) 受賞 あさのあつこ 『たまゆら』 2011年5月 新潮社
候補 西加奈子 『白いしるし』 2010年12月 新潮社
白川道 『冬の童話』 2010年11月 ポプラ社
第19回(2012年度) 受賞 桜木紫乃 『ラブレス』[7] 2011年8月 新潮社
第20回(2013年度) 受賞 林真理子 『アスクレピオスの愛人』[8] 2012年9月 新潮社
千早茜 『あとかた』 2013年6月 新潮社

第21回から

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回(年) 受賞者 受賞作 刊行
第21回(2014年度) 受賞 島本理生 Red[9][10] 2014年9月 中央公論新社
第22回(2015年度) 受賞 吉村萬壱 『臣女』[11] 2014年12月 徳間書店
第23回(2016年度)[12] 受賞 乙川優三郎 ロゴスの市 2015年11月 徳間書店
山崎ナオコーラ 『美しい距離』 2016年7月 文藝春秋
第24回(2017年度) 受賞 朝倉宏景 『風が吹いたり、花が散ったり』[13] 2017年6月 講談社
第25回(2018年度) 受賞 三浦しをん 『ののはな通信』[14] 2018年5月 KADOKAWA
第26回(2019年度) 受賞 綿矢りさ 『生のみ生のままで』[1][3] 2019年6月 集英社
第27回(2020年度) 受賞 山本文緒 自転しながら公転する 2020年9月 新潮社
第28回(2021年度) 受賞 吉川トリコ 『余命一年、男をかう』[15] 2021年7月 講談社
第29回(2022年度) 受賞 吉田修一 『ミス・サンシャイン』 2022年1月 文藝春秋
第30回(2023年度) 受賞 一穂ミチ 『光のとこにいてね』[16] 2022年11月 文藝春秋
上田岳弘 『最愛の』 2023年9月 集英社

選考委員

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  • 藤堂志津子 - 1994年から1999年まで
  • 渡辺淳一 - 1994年から2013年まで
  • 高樹のぶ子 - 1997年から2009年まで
  • 小池真理子 - 2000年から
  • 藤田宜永 - 2010年から2020年まで(2020年の選考会直前に死去)[1]
  • 村山由佳 - 2015年から
  • 秋山稔 - 2015年から

脚注

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  1. ^ a b c “綿矢りささん受賞に喜び 金沢で島清恋愛文学賞贈呈式”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(北國新聞). (2020年11月29日). https://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000025896 2021年1月5日閲覧。 
  2. ^ 「島清恋愛文学賞」とはどのような賞か。”. レファレンス協同データベース (2006年11月26日). 2015年7月21日閲覧。
  3. ^ a b “島清恋愛文学賞 綿矢さん「恋愛に古いも新しいもない」”. 朝日新聞デジタル. (2020年11月29日). https://www.asahi.com/articles/ASNCX76Z9NCWPISC02B.html 2021年1月5日閲覧。 
  4. ^ 「しぶとく」…島清恋愛文学賞受賞の桜木さん”. YOMIURI ONLINE (2013年3月24日). 2013年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月5日閲覧。
  5. ^ 「島清恋愛文学賞」運営継承”. 金沢学院短期大学 (2014年5月28日). 2024年8月29日閲覧。
  6. ^ 白山市ジュニア文芸賞”. 白山市公式ホームページ (2023年12月28日). 2024年8月29日閲覧。
  7. ^ 島清恋愛文学賞が『ラブレス』に決定”. 新潮フラッシュニュース. 新潮社 (2013年3月19日). 2015年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月5日閲覧。
  8. ^ 島清恋愛文学賞に2氏 林真理子さんと千早茜さん 石川”. 朝日新聞デジタル (2013年10月26日). 2014年5月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月5日閲覧。
  9. ^ 島本理生さんの「Red」が受賞 「新生」島清恋愛文学賞”. 北國新聞 (2015年2月11日). 2015年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月5日閲覧。
  10. ^ 『Red』が第21回「島清恋愛文学賞」を受賞”. 受賞情報. 中央公論新社 (2015年2月17日). 2015年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月5日閲覧。
  11. ^ 吉村萬壱さんの「臣女」に 島清恋愛文学賞”. 北國新聞 (2016年2月11日). 2016年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月5日閲覧。
  12. ^ 島清恋愛文学賞に乙川優三郎さん、山崎ナオコーラさん”. 北國新聞 (2017年2月16日). 2017年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月5日閲覧。
  13. ^ 島清恋愛文学賞に朝倉宏景さん 「風が吹いたり、花が散ったり」”. 北國新聞 (2018年2月9日). 2018年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月5日閲覧。
  14. ^ “女同士の愛描いた三浦しをんさん、島清恋愛文学賞に喜び”. 朝日新聞デジタル. (2019年3月31日). オリジナルの2019年4月1日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190401041230/https://www.asahi.com/articles/ASM3K62NKM3KPJLB009.html 2021年1月5日閲覧。 
  15. ^ 島清恋愛文学賞に吉川さん:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年6月30日). 2022年8月23日閲覧。
  16. ^ 一穂ミチさんの『光のとこにいてね』が、第30回 島清恋愛文学賞を受賞!”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2024年7月12日). 2024年7月14日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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