上田岳弘
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上田 岳弘 (うえだ たかひろ) | |
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誕生 |
1979年2月26日(45歳) 日本・兵庫県明石市 |
職業 | 小説家 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
教育 | 学士(法学) |
最終学歴 | 早稲田大学法学部 |
活動期間 | 2013年 - |
ジャンル | 小説 |
代表作 |
『私の恋人』(2015年) 『ニムロッド』(2018年) 『最愛の』(2023年) |
主な受賞歴 |
新潮新人賞(2013年) 三島由紀夫賞(2015年) 芸術選奨新人賞(2018年) 芥川龍之介賞(2019年) 川端康成文学賞(2022年) 島清恋愛文学賞(2024年) |
デビュー作 | 「太陽」(2013年) |
上田 岳弘(うえだ たかひろ、1979年2月26日 - )は日本の小説家。
来歴
[編集]兵庫県明石市出身。兵庫県立明石西高等学校を経て[1]、早稲田大学法学部卒業[2]。大学卒業後、法人向けソリューションメーカーの立ち上げに参加し、その後役員となる[3]。
2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞しデビュー[4]。
2015年、第28回三島由紀夫賞において「私の恋人」が又吉直樹『火花』を一票差で破って受賞する[5]。
朝日新聞紙上での松浦寿輝と鴻巣友季子との対談「ノーベル賞を語り合う」において、両氏が上田の名前を挙げ、中でも松浦は「卑近な現実から離陸して、観念の高みまで想像力を飛ばそうという意気込みが感じられ」るとし、その作風を評し「新超越派と名付けた」ことを明かした[6]。
2016年、国際文芸誌〈Granta〉日本語版にて「Best of Young Japanese Novelists 2016」に選出される[7][8]。
2017年、小説「キュー」を、雑誌「新潮」とYahoo! JAPANスマートフォン向けサイトで同時連載開始[9][10]。
2018年、「塔と重力」を原作とするオフィス3〇〇の舞台『肉の海』が上演される[11]。
人物
[編集]- 人生で影響を受けた本として、村上春樹『風の歌を聴け』、ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』、カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』を挙げている[13]。
- 同じように経営者と作家の二足のわらじを履く加藤秀行、小佐野彈とは交友がある。
受賞・候補歴
[編集]- 2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞受賞。
- 2014年、「太陽」で第27回三島由紀夫賞候補。
- 2015年、「惑星」で第152回芥川龍之介賞候補。「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞受賞[14]。
- 2016年、「異郷の友人」で第154回芥川龍之介賞候補。『GRANTA』誌のGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出[7][8]。『異郷の友人』で第38回野間文芸新人賞候補。
- 2017年、『塔と重力』で第39回野間文芸新人賞候補。
- 2018年、『塔と重力』で第68回芸術選奨文部科学大臣新人賞(平成29年度)受賞[15]
- 2019年、「ニムロッド」で第160回芥川龍之介賞受賞。
- 2022年、「旅のない」で第46回川端康成文学賞受賞。
- 2023年、『最愛の』で第40回織田作之助賞候補。
- 2024年、『最愛の』で第30回島清恋愛文学賞受賞。
作品リスト
[編集]単行本
[編集]- 『太陽・惑星』(新潮社、2014年11月 / 新潮文庫、2022年2月)
- 太陽 - 『新潮』2013年11月号
- 惑星 - 『新潮』2014年8月号
- 『私の恋人』(新潮社、2015年6月 / 新潮文庫、2018年1月)
- 私の恋人 - 『新潮』2015年4月号
- 『異郷の友人』(新潮社、2016年1月)
- 異郷の友人 - 『新潮』2015年12月号
- 『塔と重力』(新潮社、2017年7月)
- 『ニムロッド』(講談社、2019年1月 / 講談社文庫、2021年2月)
- ニムロッド - 『群像』2018年12月号
- 『キュー』(新潮社、2019年5月)
- 『旅のない』(講談社、2021年9月 / 講談社文庫、2024年4月)
- 悪口 - 『群像』2020年8月号
- つくつく法師 - 『群像』2020年11月号
- ボーイズ - 『群像』2021年2月号
- 旅のない - 『群像』2021年5月号
- 『引力の欠落』(KADOKAWA、2022年3月)
- 引力の欠落 - 『小説 野性時代』2022年2月号 - 3月号
- 『最愛の』(集英社、2023年9月)
- 最愛の - 『すばる』2021年2月号 - 2023年4月号
- 『K+ICO』(文藝春秋、2024年2月)
- K - 『文學界』2021年1月号
- ICO - 『文學界』2022年7月号
- K+k - 『文學界』2022年12月号
- K+ICO - 『文學界』2023年4月号
- 『多頭獣の話』(講談社、2024年8月)
- 「多頭獣の話」 - 『群像』2022年10月号 - 2024年2月号
アンソロジー収録
[編集]- 「重力のない世界」 - 『文学2017』(講談社、2017年4月)
- 初出:『GRANTA JAPAN with 早稲田文学03』
- 「修羅と」 - 『kaze no tanbun 特別ではない一日』(柏書房、2019年10月)
- 「最初の恋」 - 『中国・SF・革命』(河出書房新社、2020年8月)
- 初出:『文藝』2020年春季号
- 「下品な男」 - 『文学2021』(講談社、2021年5月)
- 初出:『新潮』2020年12月号
- 『パンデミック日記』(新潮社、2021年6月)
- 初出:『新潮』2021年3月号「創る人52人の「2020コロナ禍」日記リレー」
- 「メタ・メタバース」 - 『ベスト・エッセイ2023』(光村図書出版、2023年6月)
- 初出:『日本経済新聞』2022年11月27日
単行本未収録作品
[編集]小説
[編集]- 「睡余——『草枕』に寄せて」 - 『文藝別冊 夏目漱石:百年後に逢いましょう』(2016年6月)
- 「かつての魔王」 - 『ランバーロール』0号(2017年2月)
- 「愛してるって言ったじゃん?」 - 『すばる』2018年1月号
- 「最後の恋」 - 『群像』2020年1月号
- 「アマビエ」 - 『文學界』2021年2月号
- 「片翅の蝶」 - 『新潮』2021年9月号
- 「Robots」 - 『群像』2021年10月号
- 「Automata」 - 『群像』2021年11月号
- 「Clowns」 - 『群像』2021年12月号
- 「声」 - 『文學界』2022年9月号
- 「You don’t know what love is.」 - 『文學界』2022年11月号
- 「浮動」 - 『毎日新聞』朝刊2024年5月14日から連載中
- 「関係のないこと」 - 『新潮』2024年7月号
- 「トキシック・フライデー」 - 『すばる』2024年10月号
- 「扉」 - 『新潮』2025年1月号
戯曲
[編集]- 「2020」 - 『新潮』2022年8月号
エッセイ・書評・その他
[編集]- 「領土拡張の要請」(ミシェル・ウエルベック『地図と領土』書評) - 『新潮』2014年2月号
- 「泡」 - 『すばる』2014年2月号
- 「時として、実感は」 - 『文學界』2014年5月号
- 「G・ガルシア=マルケス追悼文:惑星の孤独」 - 『早稲田文学8』
- 「花は咲いたのか?」 - 『群像』2014年10月号
- 「バックボーン」 - 『新潮』2015年7月号
- 「温泉、ミッチー、安易な癒し」 - 『すばる』2016年7月号
- 「「僕」も「私」もやれやれできない 村上春樹『騎士団長殺し』を読む」 - 『新潮』2017年5月号
- 「東アジア文学フォーラム報告 それぞれに、何かに」 - 『文学界』2019年1月号
- 「受賞後のあれこれ 第160回芥川賞 ニムロッド」[16] - 『本』2019年4月号
- 「この世は実にくだらなく、生きる価値などみじんもない」(ミシェル・ウエルベック『セロトニン』書評) - 『文學界』2019年11月号
- 「人称をめぐる冒険殺し」 - 『文學界』2019年12月号
- 「逆張りする私の履歴書」 - 『文藝春秋』2020年6月号
- 「批評家であるために」(東浩紀『ゲンロン戦記』書評) - 『新潮』2021年3月号
- 「ブリーディング・エッジな言語運用 トマス・ピンチョン『ブリーディング・エッジ』を読む」 - 『新潮』2021年6月号
- 「どかーん」 - 『文學界』2022年1月号
- 「書く人へ」 - 『文學界』2022年8月号
- 「村上春樹『街とその不確かな壁』を読む 継承とリライト」 - 『文學界』2023年6月号
- 「テロと戦時下の2022-2023日記リレー」 - 『新潮』2023年9月号
- 「十年一昔、十年一日」 - 『文藝春秋』2023年11月号
- 「Kについて」 - 『現代思想』2024年1月臨時増刊号
- 「身体を記す 報酬系との戯れ」 - 『文學界』2024年7月号
- 「固有の因果」 - 『新潮』2024年8月号
- 「本の名刺 多頭獣の話」[17] - 『群像』2024年9月号
- 「現代人のよろめき」(平野啓一郎『富士山』書評) - 『新潮』2024年12月号
メディアミックス
[編集]- 舞台
- 『肉の海』(原作「塔と重力」)(2018年6月に本多劇場にて上演、脚本・演出:渡辺えり、出演:尾美としのり、屋比久知奈、ほか)
- 『私の恋人』(2019年8月 - 9月に本多劇場他にて上演、脚本・演出:渡辺えり、出演:小日向文世、のん、渡辺えり、ほか)
- 『2020』(2022年7月 - 8月にPARCO劇場他にて上演、脚本:上田岳弘、演出:白井晃、出演:高橋一生、ダンサー:橋本ロマンス)
脚注
[編集]- ^ “芥川賞受賞の上田岳弘さん「震災は死に一番近づいた瞬間」”. 神戸新聞NEXT. (2019年1月16日) 2019年1月17日閲覧。
- ^ “インタビュー : 「予知や予言、文学の使命」 『太陽・惑星』の上田岳弘さん”. BOOK.asahi.com. 朝日新聞社 (2015年1月6日). 2018年3月7日閲覧。
- ^ “上田岳弘(作家)×平本正宏 対談 喜びと悲しみの表現面積”. TeknaTokyo (2014年6月30日). 2018年3月7日閲覧。
- ^ “【第45回新潮新人賞 受賞者インタビュー】小説でどこまで遠くに飛べるか/上田岳弘”. 立ち読み|新潮. 新潮社 (2013年11月). 2013年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月7日閲覧。
- ^ “【関西の議論】ピース又吉、芥川賞候補の前代未聞 「まっとうな職業小説」が良かった!? 春樹超えなるか”. 産経WEST (産経デジタル). (2015年6月26日) 2018年3月7日閲覧。
- ^ “本の記事 : ノーベル賞を語り合う 松浦寿輝さんと鴻巣友季子さん”. BOOK.asahi.com. 朝日新聞社 (2016年10月19日). 2018年3月7日閲覧。
- ^ a b “ついに発表!ノーベル賞作家や村上春樹も登場する世界的文芸誌・日本版が選ぶ「日本の若手作家ベスト11」”. NOSH (TBSテレビ). (2016年3月26日) 2018年3月7日閲覧。
- ^ a b c “「GRANTA JAPAN with 早稲田文学」”. 早稲田文学. 2018年3月7日閲覧。
- ^ a b “上田岳弘の長編『キュー』を読む”. Yahoo! JAPAN. 2018年3月7日閲覧。
- ^ a b “新潮×Yahoo! JAPAN共同企画「キュー」上田岳弘”. News Headlines. 新潮社. 2018年3月7日閲覧。
- ^ “渡辺えり率いるオフィス3○○、40周年記念公演まもなく開幕” (日本語). 朝日新聞デジタル&M(アンド・エム) 2018年6月19日閲覧。
- ^ SFWJのツイート
- ^ “『太陽・惑星』著者 上田岳弘さん bestseller's interview 第64回”. 新刊JP. 株式会社オトバンク. 2018年3月7日閲覧。
- ^ “ピース又吉受賞ならず! 第28回三島由紀夫賞は上田岳弘『私の恋人』に決定”. ダ・ヴィンチニュース (KADOKAWA). (2015年5月14日) 2018年3月7日閲覧。
- ^ “石川さゆりさんら大臣賞=新人賞は菅田将暉さんら-芸術選奨”. 時事ドットコム (時事通信社). (2018年3月7日) 2018年3月7日閲覧。
- ^ “作家には「流されていくとこうなる」に反抗する使命がある(上田 岳弘)”. 講談社 (2019年3月26日). 2024年2月12日閲覧。
- ^ “自作のYouTuberが総出演! 無意識から生まれた「神話」がはじまる”. 講談社 (2024年8月26日). 2024年12月9日閲覧。