青来有一
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青来 有一(せいらい ゆういち、本名:中村 明俊、1958年12月13日 - )は、日本の小説家。
来歴・人物
[編集]長崎県長崎市生まれ[2]。長崎市立城山小学校、長崎市立淵中学校、長崎県立長崎西高等学校とすべて爆心地から3km以内で育った。長崎大学教育学部卒業後、長崎市役所職員として勤める傍ら、1995年に「ジェロニモの十字架」で第80回文學界新人賞を受賞し作家デビュー。2001年、「聖水」で第124回芥川龍之介賞を受賞。「ジェロニモの十字架」「ウネメの家」「泥海の兄弟」「信長の守護神」に続く5度目の候補での受賞だった。
その後も2019年3月末に定年退職するまで役所勤めを続けながら執筆活動を行った。2005年に市平和推進室長、2010年に長崎原爆資料館長に就任。2007年、長崎を舞台にした連作集『爆心』で第18回伊藤整文学賞、第43回谷崎潤一郎賞受賞。同作は2013年に『爆心 長崎の空』のタイトルで映画化された。
ペンネームは「セーラームーン」に由来するとされていたが[3]、2013年のインタビューで「誤解です。本当は違います。観たこともない。でももう面倒なので放置しています」と答えている[4]。
両親が被爆者。自身、被爆2世である[5]。長崎市役所を2019年3月末で定年退職するとともに9年務めた長崎原爆資料館長を退いた。
2019年4月から、長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)の客員教授[6]に就任[5]。執筆活動、講演会活動[7]等を継続している。
作品リスト
[編集]- 『聖水』(2001年、文藝春秋/2004年6月、文春文庫)
- 「ジェロニモの十字架」(『文學界』1995年6月号)
- 「泥海の兄弟」(『文學界』1996年12月号)
- 「信長の守護神」(『文學界』1999年4月号)
- 「聖水」(『文學界』2000年12月号)
- 『月夜見の島』(2002年、文藝春秋)
- 「月夜見の島」(『文學界』2002年7月号)
- 『眼球の毛』(2003年、講談社)
- 『爆心』(2006年、文藝春秋)のち文庫
- 「釘」(『文學界』2005年2月号)
- 「石」(『文學界』2005年7月号)
- 「虫」(『文學界』2005年8月号)
- 「蜜」(『文學界』2006年1月号)
- 「貝」(『文學界』2006年3月号)
- 「鳥」(『文學界』2006年7月号)
- 『てれんぱれん』(2007年、文藝春秋)
- 『夢の栓』(2012年、幻戯書房)
- 「夢の栓」(『文學界』2008年1月号)
- 「3という数字」(『文學界』2008年7月号)
- 「ブーゲンビリア号の船長」(『文學界』2009年4月号)
- 「夜の息子、眠りの兄弟」(『文學界』2009年1月号)
- 「一万年のパートナー」(『文學界』2008年4月号)
- 『悲しみと無のあいだ』(2015年、文藝春秋)
- 「愛撫、不和、和解、愛撫の日々」(『文學界』2014年3月号)
- 「悲しみと無のあいだ」(『文學界』2014年7月号)
- 『人間のしわざ』(2015年、集英社)
- 「人間のしわざ」(『すばる』2012年1月号)
- 「神のみわざ」(『すばる』2013年1月号)
- 『小指が燃える』(2017年、文藝春秋)
- 「沈黙のなかの沈黙」(『三田文学』2017年春季号)
- 「小指が燃える」(『文學界』2017年1月号)
単行本未収録作品
[編集]- 「ウネメの家」(『文學界』1996年6月号)
- 「芳香」(『文學界』2007年2月号)
- 「ことばの蟻たち」(『文學界』2010年1月号)
- 「スズメバチの戦闘機」(『文學界』2010年4月号)
- 「余命零日」(『文學界』2010年7月号)
- 「小指が重くて」(『文學界』2010年11月号)
- 「惑乱」(『文學界』2011年7月号)
- 「ルンビニ」(『文學界』2012年1月号)
- 「タスケテー」(『三田文学』2014年冬季号)
- 「珊瑚礁の外で」(『文學界』2018年5月号)
- 「フェイクコメディ」(『すばる』2018年9月号)
- 「ノンセクトラジカル」(『三田文学』2019年夏季号)
脚注
[編集]- ^ 青来有一(セイライユウイチ)とは - コトバンク
- ^ 『人間のしわざ』青来有一|担当編集のテマエミソ新刊案内|集英社 WEB文芸 RENZABURO レンザブロー
- ^ 青来有一「聖水」 / 千年書房・九州の100冊 / 西日本新聞
- ^ 長崎大学広報誌 CHOHO Vol.43(春季号:2013年4月発行)
- ^ a b “【ひと】長崎原爆資料館長を退任する作家 青来有一さん”. 西日本新聞. 2021年6月6日閲覧。
- ^ “スタッフ紹介長崎大学 核兵器廃絶研究センター(RECNA) (nagasaki-u.ac.jp)”. 長崎大学 核兵器廃絶研究センター(RECNA) (nagasaki-u.ac.jp). 2021年6月6日閲覧。
- ^ “長崎原爆 継承へ「考え続ける」 芥川賞作家・青来さん大村で講演”. 長崎新聞. 2021年6月6日閲覧。