川口軌外
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川口 軌外(かわぐち きがい、1892年11月10日 - 1966年6月5日)は、日本の洋画家。和歌山県生まれ。1920年代、パリでアンドレ・ロート、フェルナン・レジェ、マルク・シャガールらに学ぶ。帰国後の1930年代、独立美術協会の結成に参加。幻想的で色彩豊かな作風で評価を得た。戦後は国画会に所属し、抽象的な作風へと展開した。東京都で没した。
略歴
[編集]- 1892年(明治25年) : 和歌山県有田郡御霊村(現在の和歌山県有田郡有田川町)に生まれる。本名は孫太郎。
- 1909年(明治42年) : 和歌山県師範学校に入学。
- 1911年(明治43年) : 洋画夏期講習会に参加し油絵を始める。
- 1912年(大正元年) : 上京し太平洋画会研究所に学ぶ。
- 1913年(大正2年) : 和歌山県師範学校を放校となる。
- 1914年(大正3年) : 日本美術院洋画部に学ぶ。
- 1916年(大正5年) : 戸井田忍と結婚。
- 1917年(大正6年) : 第4回二科展に初入選。安井曾太郎に学ぶ。
- 1918年(大正7年) : 長男、京村が生まれる。
- 1919年(大正8年) : フランスに渡り、パリで学ぶ。
- 1923年(大正12年) : 一時帰国。翌年、妻子をともない再度フランスに渡る。パリ郊外のクラマールに住み、小島善太郎、里見勝蔵、佐伯祐三、前田寛治らと親交を結ぶ。アンドレ・ロート、フェルナン・レジェらに学び、マルク・シャガールにも教えを受ける。
- 1929年(昭和4年) : 帰国。第16回二科展で二科賞を受賞。
- 1930年(昭和5年) : 1930年協会会員となる。その後、独立美術協会の結成に加わる。
- 1931年(昭和6年) : 第1回独立美術協会展。以後、独立展を中心に盛んに発表を行う。
- 1943年(昭和18年) : 独立美術協会を脱退。
- 1945年(昭和20年) : 空襲激化のため和歌山に疎開。
- 1947年(昭和22年) : 国画会会員となる。
- 1950年(昭和25年) : 上京し、国画会展を中心に発表を行う。
- 1956年(昭和31年) : 雅号を「軌厓」とする。
- 1963年(昭和38年) : 国画会を脱退。川口軌外展(和歌山県立美術館)。
- 1964年(昭和39年) : 第1回和歌山県民文化賞を受賞。
- 1966年(昭和41年) : 脳軟化症のため逝去。享年73。
主な作品
[編集]- 「風景(モントバン)」(1926年、福岡市美術館蔵)
- 「車のある風景」(1928年、和歌山県立近代美術館蔵)
- 「静物(マンドリン)」(1931年、東京国立近代美術館蔵)
- 「静物」(1932年、宮城県美術館蔵)
- 「白い花」(1932年、静岡県立美術館蔵)
- 「スヴニール」(1932年、京都国立近代美術館蔵)
- 「少女と貝殻」(1934年、和歌山県立近代美術館蔵)
- 「鸚鵡と少女」(1935年、大原美術館蔵)
- 「群鳥」(1938年、東京国立近代美術館蔵)
- 「円光」(1952年、福岡市美術館蔵)
- 「精油所と船」(1953年、神奈川県立近代美術館蔵)
- 「夏の浜」(1955年、茨城県近代美術館蔵)
- 「作品B」(1955年、横浜美術館蔵)
参考文献
[編集]- 獨立美術 6 川口軌外特輯 建設社 1933
- 川口軌外展 開館10周年記念 和歌山県立近代美術館 1973
- 川口軌外展 ある洋画家の軌跡 和歌山県立近代美術館 1999