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巨勢 豊人(こせ の とよひと)は、奈良時代の官人・歌人。字は正月麻呂(むつきまろ)。姓は朝臣。官職は大舎人。
『万葉集』に以下の歌が一首、収録されている。
土師水通という大舎人の同僚に、巨勢斐太島村の息子の顔が色黒だということで、比較されてあざ笑った歌を詠まれたのに返して、
駒造る 土師の志婢麻呂 白くあれば うべ欲しからむ その黒き色を
([駒造る] 土師の志婢麻呂(水通)よ お前の顔が白いから 欲しがるのも無理はなかろう 巨勢豊人の黒い顔色を)
[1]
と詠んで笑い返した、ということである。