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数字に準ずるもの

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
数字に準ずるもの
Number Forms
範囲 U+2150..U+218F
(64 個の符号位置)
基本多言語面
用字 Common
ラテン文字
ギリシャ文字
主な言語・文字体系
割当済 60 個の符号位置
未使用 4 個の保留
Unicodeのバージョン履歴
1.0.0 48 (+48)
3.0 49 (+1)
5.0 50 (+1)
5.1 54 (+4)
5.2 58 (+4)
8.0 60 (+2)
公式ページ
コード表 ∣ ウェブページ
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数字に準ずるもの(すうじにじゅんずるもの、英語: Number Forms)は、Unicodeの78個目のブロック

解説

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分数を1文字で表したものやローマ数字などの特殊な形状の数字類を収録している。

Unicodeのバージョン1.0においても「数字に準ずるもの(Number Forms)」というブロック名で制定されていた[1]

収録文字

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コード 文字 文字名(英語) 用例・説明
分数
U+2150 VULGAR FRACTION ONE SEVENTH 分数の1/7

これらの分数はインチねじなどの規格表記や料理書などにおける計量の指示、縦書き文書における分数の表記などに用いられる。 ARIB外字に由来する。

U+2151 VULGAR FRACTION ONE NINTH 分数の1/9

ARIB外字に由来する。

U+2152 VULGAR FRACTION ONE TENTH 分数の1/10

ARIB外字に由来する。

U+2153 VULGAR FRACTION ONE THIRD 分数の1/3

野球ストライクを数える場合に用いられる。

U+2154 VULGAR FRACTION TWO THIRDS 分数の2/3

野球でストライクを数える場合に用いられる。

U+2155 VULGAR FRACTION ONE FIFTH 分数の1/5
U+2156 VULGAR FRACTION TWO FIFTHS 分数の2/5
U+2157 VULGAR FRACTION THREE FIFTHS 分数の3/5
U+2158 VULGAR FRACTION FOUR FIFTHS 分数の4/5
U+2159 VULGAR FRACTION ONE SIXTH 分数の1/6
U+215A VULGAR FRACTION FIVE SIXTHS 分数の5/6
U+215B VULGAR FRACTION ONE EIGHTH 分数の1/8
U+215C VULGAR FRACTION THREE EIGHTHS 分数の3/8
U+215D VULGAR FRACTION FIVE EIGHTHS 分数の5/8
U+215E VULGAR FRACTION SEVEN EIGHTHS 分数の7/8
U+215F FRACTION NUMERATOR ONE 任意の分母を持つ分子1の分数(単位分数)を表記するために用いる。
ローマ数字
U+2160 ROMAN NUMERAL ONE 大文字のローマ数字の1。

ローマ数字はヨーロッパ全土においてかつて数字として広く使用されていたほか、現在では時計の文字盤、世襲制の地位の何代目かを表す語(日本語における~世にあたる)、音楽理論におけるコードネームなどに用いられる。 ローマ数字は外見上はラテン文字と同一だが、文字の由来が異なり、JIS X 0213では符号位置を分けられているため互換性のため別の符号位置に符号化されている。

U+2161 ROMAN NUMERAL TWO 大文字のローマ数字の2。
U+2162 ROMAN NUMERAL THREE 大文字のローマ数字の3。
U+2163 ROMAN NUMERAL FOUR 大文字のローマ数字の4。
U+2164 ROMAN NUMERAL FIVE 大文字のローマ数字の5。
U+2165 ROMAN NUMERAL SIX 大文字のローマ数字の6。
U+2166 ROMAN NUMERAL SEVEN 大文字のローマ数字の7。
U+2167 ROMAN NUMERAL EIGHT 大文字のローマ数字の8。
U+2168 ROMAN NUMERAL NINE 大文字のローマ数字の9。
U+2169 ROMAN NUMERAL TEN 大文字のローマ数字の10。
U+216A ROMAN NUMERAL ELEVEN 大文字のローマ数字の11。
U+216B ROMAN NUMERAL TWELVE 大文字のローマ数字の12。
U+216C ROMAN NUMERAL FIFTY 大文字のローマ数字の50。
U+216D ROMAN NUMERAL ONE HUNDRED 大文字のローマ数字の100。
U+216E ROMAN NUMERAL FIVE HUNDRED 大文字のローマ数字の500。
U+216F ROMAN NUMERAL ONE THOUSAND 大文字のローマ数字の1000。
U+2170 SMALL ROMAN NUMERAL ONE 小文字のローマ数字の1。

小文字のローマ数字は音楽理論において調によらない相対的な階名の表記に用いられる。

U+2171 SMALL ROMAN NUMERAL TWO 小文字のローマ数字の2。
U+2172 SMALL ROMAN NUMERAL THREE 小文字のローマ数字の3。
U+2173 SMALL ROMAN NUMERAL FOUR 小文字のローマ数字の4。
U+2174 SMALL ROMAN NUMERAL FIVE 小文字のローマ数字の5。
U+2175 SMALL ROMAN NUMERAL SIX 小文字のローマ数字の6。
U+2176 SMALL ROMAN NUMERAL SEVEN 小文字のローマ数字の7。
U+2177 SMALL ROMAN NUMERAL EIGHT 小文字のローマ数字の8。
U+2178 SMALL ROMAN NUMERAL NINE 小文字のローマ数字の9。
U+2179 SMALL ROMAN NUMERAL TEN 小文字のローマ数字の10。
U+217A SMALL ROMAN NUMERAL ELEVEN 小文字のローマ数字の11。
U+217B SMALL ROMAN NUMERAL TWELVE 小文字のローマ数字の12。
U+217C SMALL ROMAN NUMERAL FIFTY 小文字のローマ数字の50。
U+217D SMALL ROMAN NUMERAL ONE HUNDRED 小文字のローマ数字の100。
U+217E SMALL ROMAN NUMERAL FIVE HUNDRED 小文字のローマ数字の500。
U+217F SMALL ROMAN NUMERAL ONE THOUSAND 小文字のローマ数字の1000。
古典的なローマ数字
U+2180 ROMAN NUMERAL ONE THOUSAND C D かつてローマ数字で1000を表していた。CIↃの合字

U+216F Ⅿ ROMAN NUMERAL ONE THOUSANDは元々このように書かれていたが、ラテン文字の普及により字形の混同が生じて現在の字形に変化した。

U+2181 ROMAN NUMERAL FIVE THOUSAND ローマ数字の5000。現在はあまり使用されない。IↃↃの合字。
U+2182 ROMAN NUMERAL TEN THOUSAND ローマ数字の10,000。現在はあまり使用されない。CCIↃↃの合字。
U+2183 ROMAN NUMERAL REVERSED ONE HUNDRED U+2180 ↀ、U+2181 ↁ、U+2182 ↂを合字を使わずに表現する場合など、C、Iと組み合わせて4000以上の大きな数字を形成するために使用される[2]

また、古代ローマ帝国においてクラウディウス帝が制定したラテン語表記用のクラウディウス文字の一つで、ギリシャ文字Ψに対応し、音素列[bs]或いは[ps]を表す。 対応する小文字はU+2184 ↄ LATIN SMALL LETTER REVERSED C[2]

また、製本において製本者がページを正しい順序で並び替えられるようにするための記号の一つとして用いられた[3]

小文字のクラウディウス文字
U+2184 LATIN SMALL LETTER REVERSED C U+2183 Ↄ ROMAN NUMERAL REVERSED ONE HUNDREDに対応する小文字。

碑文のクラウディウス文字は全て大文字だが、学者によって小文字で書き写されることがある[2]

古典的なローマ数字
U+2185 ROMAN NUMERAL SIX LATE FORM 2世紀以降のキリスト教関係の碑文に見られるU+2165 Ⅵ ROMAN NUMERAL SIXの異体字[4]
U+2186 ROMAN NUMERAL FIFTY EARLY FORM U+216C Ⅼ ROMAN NUMERAL FIFTYは元々このように書かれていた[4]。のちにラテン文字の普及により字形の混同が生じ、現在のような字形に変化した。
U+2187 ROMAN NUMERAL FIFTY THOUSAND ローマ数字の50,000。現在はあまり使用されない。IↃↃↃの合字。
U+2188 ROMAN NUMERAL ONE HUNDRED THOUSAND ローマ数字の100,000。現在はあまり使用されない。CCCIↃↃↃの合字。
分数
U+2189 VULGAR FRACTION ZERO THIRDS 野球でストライクを数える場合に用いられる。ARIB STD B24(ARIB外字)に由来する[2]
転置した数字
U+218A TURNED DIGIT TWO アイザック・ピットマンの記法で12進数において10を表す。
U+218B TURNED DIGIT THREE アイザック・ピットマンの記法で12進数において11を表す。

小分類

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このブロックの小分類は「分数」(Fractions)、「ローマ数字」(Roman numerals)、「古典的なローマ数字」(Archaic Roman numerals)、「小文字のクラウディウス文字」(Lowercase Claudian letter)、「転置した数字」(Turned digits)の5つとなっている[2]。本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。また、収録文字が1文字しかない小分類については小分類名が単数形で表現されているが、本記事では単数形か複数形かによる小分類名の表記ゆれについては別の小分類として扱わず、同一の小分類として扱うこととする。

分数(Fractions

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この小分類には分数を1つの文字として表したものが収録されている。

その他の分数の形式は、ラテン1補助ブロックにも存在する[2]

ローマ数字(Roman numerals

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この小分類には基本的なローマ数字が収録されている。

古典的なローマ数字(Archaic Roman numerals

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この小分類には現在はあまり使われなくなった古典的なローマ数字が収録されている。

小文字のクラウディウス文字(Lowercase Claudian letter

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この小分類には古代ローマ帝国においてクラウディウス帝が制定したラテン語表記用のクラウディウス文字の小文字が収録されている。

碑文のクラウディウス文字は全て大文字だが、学者によって小文字で書き写されることがある[2]

転置した数字(Turned digits

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この小分類にはアイザック・ピットマンの記法で12進数を表記するための180°回転した数字が収録されている。

文字コード

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数字に準ずるもの(Number Forms)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
  0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
U+215x
U+216x
U+217x
U+218x
注釈
1.^バージョン16.0時点


履歴

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以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

バージョン コードポイント[a] 文字数 L2 ID ドキュメント
1.0 U+2153..2182 48
3.0 U+2183 1 L2/98-215 Michael Everson (25 May 1998), Additional signature mark characters for the UCS (英語)
5.0 U+2184 1 L2/05-183 Michael Everson; Odd Einar Haugen (2 August 2005), Preliminary proposal to add medievalist characters to the UCS (英語)
5.1 U+2185..2188 4 L2/06-269 David Perry (1 August 2006), Proposal to Add Additional Ancient Roman Characters (英語)
5.2 U+2150..2152,2189 4 L2/07-259 Michel Suignard (6 August 2007), Japanese TV Symbols (英語)
8.0 U+218A..218B 2 L2/13-054 Karl Pentzlin (1 April 2013), Proposal to encode Duodecimal Digit Forms (英語)
  1. ^ 提案されたコードポイントと文字の名前は、最終決定と異なる場合がある。

出典

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  1. ^ 3.8: Block-by-Block Charts”. The Unicode Standard. Unicode Consortium. 2024年11月13日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g "The Unicode Standard, Version 15.1 - U2150.pdf" (PDF). The Unicode Standard (英語). 2024年11月13日閲覧
  3. ^ Michael Everson (1998年5月25日). “Additional signature mark characters for the UCS” (英語). Unicode. 2024年11月13日閲覧。
  4. ^ a b David Perry (2006年8月1日). “Proposal to Add Additional Ancient Roman Characters” (英語). Unicode. 2024年11月13日閲覧。

関連項目

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