方聞
方聞 | |
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生誕 |
1930年??月??日 中華民国 上海 |
死没 |
(88歳没) アメリカ合衆国 ニュージャージー州プリンストン |
研究分野 | 美術史 |
研究機関 |
プリンストン大学 メトロポリタン美術館 |
出身校 | プリンストン大学 |
主な業績 | 中国美術史 |
配偶者 | 唐志明(コンスタンス・タン) |
子供 | 3人 |
プロジェクト:人物伝 |
方聞 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 方聞 |
簡体字: | 方闻 |
拼音: | Fāng Wén |
英語名: | Wen C. Fong |
方 聞(ほう ぶん、Wen C. Fong、ウェン・C・フォン、1930年 - 2018年10月3日)は、中国系アメリカ人の東洋美術史家である。
プリンストン大学で45年間中国美術史を教えていた。1959年、アメリカ合衆国初の中国美術・考古学の講座を共同で設立し、その後、日本美術にも拡大した。また、プリンストン大学の美術・考古学科長、メトロポリタン美術館のアジア美術の諮問委員長を務めた。
若年期と教育
[編集]方は1930年に上海で生まれた。書家の李健(1881-1956)から書を学び、10歳で個展を開いて神童と呼ばれた。上海交通大学を卒業後、1948年にプリンストン大学に留学した[1]。
プリンストン大学ではクルト・ワイッツマンとジョージ・ロウリーに師事し[1]、ヨーロッパ史で学士、中世美術史で修士の学位を取得した[2]。1954年に博士号(Ph.D)を取得し、プリンストン大学の教員となった[1][2]。博士論文"Five Hundred Lohans at the Daitokuji"は、南宋で描かれ日本の大徳寺に伝来した五百羅漢図に関するもので[3]、1958年に"The Lohans and a Bridge to Heaven"としてフリーア美術館から出版された[2]。
キャリア
[編集]1959年、方はフレデリック・W・モートと共同で、アメリカ合衆国初となる中国美術・考古学の講座をプリンストン大学に開設した[1][2]。1962年には日本美術にも拡張した。1970年から1973年まで、プリンストン大学の芸術・考古学科長を務めた[2]。また、プリンストン大学美術館でアジア美術のキュレーターを務め、中国国外では最大となる中国の書のコレクションを構築した[2]。1971年にエドワーズ・S・サンフォード美術史教授職に就任した。1999年にプリンストン大学を退職した[2]。その後、2004年から2007年まで清華大学で、2009年から2012年まで浙江大学で教鞭をとった[4]。
1971年から2000年まで、メトロポリタン美術館でアジア美術の特別顧問(後に諮問委員長)を務めた[2]。1998年、方の義兄に当たる[5]投資家・慈善家のオスカー・タンが、王己千(C・C・ワン)が保有していた中国絵画のコレクションのうち25点を購入し、メトロポリタン美術館に寄贈した[6]。1999年、美術史家のジェームズ・ケーヒルが、タンが寄贈した作品に含まれる、10世紀に描かれた南宋の董源の作とされる『渓岸図』について、これは20世紀の贋作者・張大千による偽物であると主張した[7]。方はその主張に反対し[1]、方ら真作派とケーヒルら贋作派の間で大論争となった[7]。この論争は、未だに解決していない[7]。しかし、2006年にプリンストン大学で開催されたシンポジウムでは、ケーヒルは方の学識を称えた[8]。
方は台湾の中央研究院歴史語言研究所の客員研究者であり、1992年に中央研究院院士に選出された[9]。同年、アメリカ哲学協会会員にも選出された[10]。
私生活
[編集]1950年代に唐志明(コンスタンス・タン)と結婚した。唐とはボストン美術館で出会った[1]。唐は香港のビジネスリーダーの一人である唐炳源の娘であり、アメリカの投資家・慈善家のオスカー・タン(唐騮千)の妹である。唐との間にはローレンス、ピーター、セレナの3人の子供がいる[4]。
2018年10月3日、ニュージャージー州プリンストンにおいて白血病により88歳で死去した[1]。
著作物
[編集]- Streams and Mountains without End: A Northern Sung Handscroll and Its Significance in the History of Early Chinese Painting, co-authored with Sherman E. Lee (Artibus Asiae, 1955; 2nd edition, 1967).
- The Lohans and a Bridge to Heaven (Freer Gallery of Art, 1958).
- Summer Mountains: The Timeless Landscape (Metropolitan Museum of Art, 1975).
- Returning Home: Tao-chi’s Album of Landscapes and Flowers (George Braziller, 1976).
- The Great Bronze Age of China: An Exhibition from the People’s Republic of China, editor (Metropolitan Museum of Art, 1980).
- Images of the Mind: Selections from the Edward L. Elliot Family and John B. Elliot Collections of Chinese Calligraphy and Painting at the Art Museum, Princeton University (Princeton University Art Museum, 1984).
- Beyond Representation: Chinese Painting and Calligraphy, 8th–14th Century (Metropolitan Museum of Art and Yale University Press, 1992).
- Possessing the Past: Treasures from the National Palace Museum, Taipei (Metropolitan Museum of Art and H. N. Abrams, 1996).
- The Embodied Image: Chinese Calligraphy from the John B. Elliot Collection, co-authored with Robert E. Harrist, Jr., et al. (Princeton University Art Museum, and H. N. Abrams, 1999).
- Along the Riverbank: Chinese Paintings from the C. C. Wang Family Collection (Metropolitan Museum of Art, 1999).
- Between Two Cultures: Late-Nineteenth- and Twentieth-Century Chinese Paintings from the Robert H. Ellsworth Collection in the Metropolitan Museum of Art (Metropolitan Museum of Art and Yale University Press, 2001).
出典:[2]
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g 肖永军 (October 4, 2018). “方闻先生辞世,半个世纪美国亚洲艺术史学界的开拓者与领航者” (中国語). The Paper. October 5, 2018閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “Wen Fong”. Princeton University. October 5, 2018閲覧。
- ^ “専任研究員 方聞”. 中央研究院歷史語言研究所. 2022年11月27日閲覧。
- ^ a b “Wen Fong, 'giant in the field of Chinese art history,' dies at 88” (英語). Princeton University October 23, 2018閲覧。
- ^ Cahill, James. “73. Respecting China”. Jamescahill.info. October 21, 2018閲覧。
- ^ Dobrzynski, Judith H. (May 25, 1997). “Landscapes Were Never The Same”. New York Times October 21, 2018閲覧。
- ^ a b c Bowley, Graham (February 18, 2014). “James Cahill, Influential Authority on Chinese Art, Dies at 87”. The New York Times October 4, 2018閲覧。
- ^ Cahill, James (2006年). “CLP 155: 2006 "Wen Fong and Me." Symposium honoring Wen Fong Princeton”. Jamescahill.info. October 5, 2018閲覧。
- ^ “Academician Wen Fong Has Passed Away”. Academia Sinica (October 11, 2018). October 23, 2018閲覧。
- ^ “APS Member History”. search.amphilsoc.org. 2022年3月28日閲覧。