日岡古墳
日岡古墳 | |
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墳丘(左に後円部、右に前方部) | |
別名 | 日ノ岡古墳 |
所属 | 若宮古墳群 |
所在地 | 福岡県うきは市吉井町若宮366-6(若宮八幡宮境内) |
位置 | 北緯33度20分40.40秒 東経130度46分1.92秒 / 北緯33.3445556度 東経130.7672000度座標: 北緯33度20分40.40秒 東経130度46分1.92秒 / 北緯33.3445556度 東経130.7672000度 |
形状 | 前方後円墳 |
規模 | 墳丘長74m |
埋葬施設 | 両袖式横穴式石室 |
出土品 | 馬具片・埴輪片 |
築造時期 | 6世紀初頭 |
史跡 | 国の史跡「日岡古墳」 |
特記事項 | 装飾古墳 |
地図 |
日岡古墳(ひのおかこふん、日ノ岡古墳)は、福岡県うきは市吉井町若宮にある古墳。形状は前方後円墳。若宮古墳群を構成する古墳の1つ。国の史跡に指定されている。
概要
[編集]古墳名 | 墳丘 | 埋葬施設 | 築造時期 | 史跡 | 備考 | |
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月岡古墳 | 前方後円墳 | 95m | 竪穴式石室ほか (長持形石棺) |
5c中 | なし | 出土品は重要文化財 |
塚堂古墳 | 前方後円墳 | 91m | 横穴式石室2基 | 5c後半 | なし | |
日岡古墳 | 前方後円墳 | 74m | 横穴式石室 | 6c初頭 | 国史跡 | 装飾古墳 |
福岡県南部、筑後川南岸の台地上に築造された古墳である。月岡古墳・塚堂古墳とともに若宮古墳群を形成する。1887年(明治20年)に発掘されて石室の装飾が発見されている。
墳形は前方後円形で、墳丘主軸を東西方向として、前方部を西方向に向ける。墳丘周囲には一重の周濠が巡らされる。埋葬施設は両袖式の横穴式石室で、南西方向に開口した(現在は羨道部で閉塞、玄室天井が崩落して開口)。玄室・羨道からなる単室構造の装飾石室で、玄室奥壁に赤・白・緑色の3色の顔料で6個の大型同心円文が描かれるほか、石室全面に幾何学的文様・具象的文様が描かれる。石室内の副葬品は詳らかでない。
築造時期は、古墳時代後期の6世紀初頭頃と推定される。若宮古墳群では、月岡古墳・塚堂古墳に後続する最後の首長墓である。代表的な装飾古墳の1つであり[1]、壁画系の装飾古墳では初期段階のものとして、古墳時代当時の装飾を考察するうえで重要視される古墳になる[2]。
古墳域は1928年(昭和3年)に国の史跡に指定されている。現在では石室は覆屋内で保存されているが、覆屋内への立ち入りは制限され、毎月第3土曜日の古墳見学時に公開されている。
遺跡歴
[編集]- 1887年(明治20年)、発掘・石室装飾の発見、馬具片の採集(坪井正五郎、1889年に報告)。
- 発掘後、多少の修理のうえで石室の閉鎖。
- 1925年(大正14年)刊行の『史蹟名勝天然紀念物調査報告書』第1輯で報告。
- 1928年(昭和3年)2月7日、国の史跡に指定。
- 1964年(昭和39年)、コンクリート製石室覆屋の設置。
墳丘
[編集]墳丘の規模は次の通り[1]。
- 墳丘長:約74メートル
- 後円部 直径:約40メートル
- 前方部 幅:約35メートル
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前方部から後円部を望む
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後円部から前方部を望む
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前方部入り口
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表採埴輪片
吉井歴史民俗資料館展示。
埋葬施設
[編集]埋葬施設としては両袖式横穴式石室が構築されており、南西方向に開口した(現在は羨道部で閉塞、玄室天井が崩落して開口)。玄室・羨道からなる単室構造の石室である。石室の規模は次の通り[3]。
- 石室全長:現在5.1メートル
- 玄室:長さ4メートル、幅2.1メートル(奥壁)・2.8メートル(最大)、高さ約2.3メートル
石室の石材は安山岩の割石。玄室は胴張りの平面形を呈する。玄室の奥壁には、幅2.2メートル以上・高さ1.9メートル以上の大石1石をほぼ垂直に立てて鏡石とした上に、2-3段の割石を積み、石棚も設ける。側壁はやや持ち送って内傾する[3][2]。
石室の壁面では多数の装飾が描かれている。奥壁には、赤・白・緑の3色の顔料を使用して6個の大型同心円文のほか蕨手文・連続三角文などを配する。また側壁には、同心円文・三角文のような幾何学的文様や、盾・靫・大刀などの武器・武具や魚・船・馬・獣などの具象的文様が色を使い分けて描かれる[2]。
文化財
[編集]国の史跡
[編集]- 日岡古墳 - 1928年(昭和3年)2月7日指定[4]。
関連施設
[編集]- 吉井歴史民俗資料館(うきは市吉井町) - 日岡古墳の出土品を保管・展示。
脚注
[編集]参考文献
[編集](記事執筆に使用した文献)
- 史跡説明板(うきは市教育委員会、2006年設置)
- 筑後川流域装飾古墳同時公開解説シート
- 原田道雄「日岡古墳」『日本古墳大辞典』東京堂出版、1989年。ISBN 4490102607。
- 「日岡古墳」『福岡県の装飾古墳(全国の装飾古墳3)』熊本県立装飾古墳館〈平成9年度開館5周年特別企画〉、1997年 。 - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。
- 「若宮古墳群」『福岡県の地名』平凡社〈日本歴史地名大系41〉、2004年。ISBN 4582490417。
- 「日岡古墳」『国指定史跡ガイド』講談社。 - リンクは朝日新聞社「コトバンク」。
関連文献
[編集](記事執筆に使用していない関連文献)
- 坪井正五郎「筑後國日の岡にて古代紋樣の發見」『東洋學藝雜誌』第6巻第88号、東京社、1889年1月、35-41頁。
- 「筑後日ノ岡の石槨內面模樣」『考古學雜誌』第4巻第12号、考古學會、1914年8月5日、783-784頁。
- 「日ノ岡、月ノ岡古墳」『史蹟名勝天然紀念物調査報告書』 第1輯、福岡県、1925年。 - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。
- 『吉井町誌』 第1巻、吉井町、1977年。
- 『若宮古墳群1 -月岡古墳・塚堂古墳・日岡古墳-』吉井町教育委員会〈吉井町文化財調査報告書第4集〉、1989年。
- 『若宮古墳群2 -塚堂古墳・日岡古墳-』吉井町教育委員会〈吉井町文化財調査報告書第6集〉、1990年。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 日岡古墳 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- 日岡古墳 - 福岡県教育庁教育総務部文化財保護課「福岡県の文化財」
- 若宮古墳群(日岡・月岡・塚堂古墳) - うきは市ホームページ