旧中村家住宅 (長野県)
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旧中村家住宅 | |
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所在地 | 長野県大町市美麻 |
類型 | 農家 |
形式・構造 | 木造、寄棟造、茅葺 |
延床面積 | 278m2 |
建築年 | 1698年 |
文化財 | 国の重要文化財 |
旧中村家住宅(きゅうなかむらけじゅうたく)は、長野県大町市美麻にある歴史的建造物(民家)で、国の重要文化財に指定されている。
概要
[編集]建築年代のわかる民家としては長野県で最も古く、保存状態もよい。17世紀後期の上層農民の居住生活を知るためのよい資料である。1780年(安永9年)に建築された土蔵も古いほうに入る。1993年(平成5年)11月に県宝に、1997年12月に土蔵を含めて国の重要文化財に指定された[1]。1996年に中村家から美麻村に譲渡され、その後の市町村合併で大町市の所有になっている。
主屋
[編集]主屋の建築年代は、中村家の年代記によって確認されている。間口14間(約27.72m)、奥行6間の茅葺寄棟造で、建築当時の手斧削りの柱もよく残っている。棟上部には煙出しが、正面右手には武士が来たときに使われる式台が、右手の大きな戸は日常の人や馬の出入口であった。内部には、土間、馬屋、板の間、茶の間、客座敷、寝間、麻掻場などを備え、これは当時の上層農民住宅の特徴でもあるとされる。栗材・桂材が多く用いられている。 広い土間は作業場でもあった。筵やねこを敷いた土座があり、地面に掘った炉も備えている。
土蔵
[編集]急勾配の茅葺置き屋根で、3尺(約99cm)間隔で立てられた栗材の柱は、その屋根を支える梁をしっかり支えている。
十王堂
[編集]敷地内には十王堂があり、木造の十王像や地蔵菩薩像が安置され、堂の前には多くの石造物が建てられているなど、仏教信仰が厚かったことがうかがわれる。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 『大町・安曇の昭和史』郷土出版社、1999年、214~215ページ