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杉山文野

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
杉山 文野すぎやま ふみの
基本情報
国籍 日本の旗 日本
誕生日 (1981-08-10) 1981年8月10日(43歳)[1][2]
出身地 東京都新宿区[3][2]
身長 163cm[2]
体重 54kg[2]

杉山 文野(すぎやま ふみの、1981年昭和56年〉8月10日[1][2] - )は、日本のトランスジェンダー活動家フェンシング元日本代表[2][4]東京レインボープライド共同代表理事[5][6][7]NPO法人「ハートをつなごう学校」代表[8][9]渋谷区男女平等・多様性社会推進会議委員[1]日本フェンシング協会理事[10]日本オリンピック委員会理事[11]を歴任。性別違和(旧称は性同一性障害)当事者であることを公言しているFTM(Female To Male)。東京都新宿区歌舞伎町出身[3]。著書に『元女子高生、パパになる』[12]などがある。

来歴・人物

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1981年歌舞伎町の老舗とんかつ店・すずやの次女として生まれる[13][14]日本女子大学附属豊明幼稚園日本女子大学附属豊明小学校日本女子大学附属中学校・高等学校卒業[15][16]2000年早稲田大学教育学部に入学し卒業。2004年、同大学院教育学研究科入学。同年に女子フェンシング日本代表となった[1]。そのため、元フェンシング日本代表・太田雄貴とは学生時代から20年以上の付き合い[4]

早稲田大学でジェンダー論を学んだ後、その研究内容と性同一性障害と診断を受けた自身の体験を織り交ぜた『ダブルハッピネス』を2006年に講談社から出版[17](のちに韓国語翻訳[要出典]コミック化された[18])。卒業後、2年間のバックパッカー生活で世界約50か国と南極を巡り、帰国後、大手外食系企業に3年ほど勤め独立[16]。2014年に多様性に富んだ人々がフラットに集まれる場づくりと、多様性に関する講演・研修・企画提案事業の二つの事業を行う株式会社ニューキャンバスを設立[13]

2009年、27歳のときに乳房切除手術をしている[19]。生まれ育った歌舞伎町を拠点とし、街の清掃に取り組むグリーンバード歌舞伎町チーム代表[13]。グリーンバード設立は長谷部健(現渋谷区長)のアイデアでスタートした[13]。長谷部が渋谷区議時代に杉山と親しくなり、同性カップルに証明書を発行する発想が生まれたという[6]。そのため、杉山は2015年より始まった同性パートナーシップ制度の陰の立役者でもあるとされている[6][1]

ゲイである親友の松中権から精子提供を受け、杉山の女性パートナーが体外受精を行った末に2018年に女児を、2020年[注 1]には男児を出産[22][20]。杉山とパートナーが暮らす家を親友が週に数回訪れて娘の世話をする、3人育児を行っている[22][5][20]。東京・渋谷を舞台に活動する「シブヤ大学」の運営メンバー[23]で、NPO法人「ハートをつなごう学校」の代表[8][9]日本フェンシング協会理事[10]も務める。

NPO法人東京レインボープライドでは立ち上げ時から代表を務め、2019年からは山田なつみと共同代表理事[7][24]。2021年6月には日本オリンピック委員会の理事に就任している[11]

著書

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単著

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  • 『ダブルハッピネス』 講談社、2006年5月、ISBN 978-4062130424
  • 『元女子高生、パパになる』 文藝春秋、2020年、ISBN 978-4163912936
  • 『3人で親になってみた』 毎日新聞出版、2021年、ISBN 978-4620326764

原案

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共著

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伝記

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  • 『壁を乗り越えて ― フジコ・ヘミング・坪倉優介・熊本県立盲学校・杉山文野・千葉智子 ―』 学習研究社〈感動ストーリーズ 1〉2009年2月、ISBN 9784055006088

主な出演歴

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脚注

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注釈

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  1. ^ 2021年出産としている出典[20]もあるが、杉山本人のインスタグラムの投稿[21]に倣った。
  2. ^ 執筆者 - 山本敦久、杉山文野、岡田桂、渡部麻衣子、標葉靖子、隠岐さや香、久保友香、関根麻里恵、田中東子重田園江山本由美子、門林岳史、竹﨑一真(NCID BC13888552)。

出典

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  1. ^ a b c d e inc, newcanvas. “杉山文野 | プロフィール”. newcanvas. 2020年12月26日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h LGBT活動家 杉山 文野(FUMINO SUGIYAMA)”. CULTURE. ap entertainment. 2021年9月25日(UTC)閲覧。
  3. ^ a b ハートネットTV”. NHK. 2015年3月26日閲覧。
  4. ^ a b 大日方航 (2018年5月7日). “太田雄貴がLGBTに興味を持ったきっかけは、友人の女性フェンシング選手が男性になったことだった”. SPREAD. 2020年12月26日閲覧。
  5. ^ a b 3人で親になりました──新しいファミリーの広がり”. GQ JAPAN. 2020年12月26日閲覧。
  6. ^ a b c トランスジェンダーの杉山さん、半生をつづった新刊「元女子高生、パパになる」:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2020年12月26日閲覧。
  7. ^ a b 中村千晶 (2021年3月4日). “「元女子高生、パパになる」の杉山文野さん 日本女子大付属 友人の一言で自分がこの世に生まれ出た”. EduA. 朝日新聞社. 2023年9月2日(UTC)閲覧。
  8. ^ a b ハートをつなごう学校”. NPOポータルサイト. 内閣府. (2020年2月4日) 2021年9月25日(UTC)閲覧。
  9. ^ a b c 【出演者インタビュー】杉山文野さん「LGBTの理解が広まって"話題になることもなくなる"世の中に」”. NHK福祉情報サイト ハートネット. 日本放送協会. (2015年5月11日) 2021年9月25日(UTC)閲覧。
  10. ^ a b 役員一覧”. 公益社団法人日本フェンシング協会. 2021年9月26日(UTC)閲覧。
  11. ^ a b 円谷美晶 (2021年8月21日). “「ここがスタート」祭典があぶり出した日本の「多様性」の現在地”. 毎日新聞. 2021年9月26日(UTC)閲覧。
  12. ^ 五十嵐大 (2020年10月25日). ““ふつうの家族”とはなにか? パパになった“元女子高生”による、感動の自伝”. ダ・ヴィンチニュース. KADOKAWA. 2021年9月25日(UTC)閲覧。
  13. ^ a b c d LGBTがわざわざ語られなくても済む社会を目指して 杉山文野さん -”. ライフネットジャーナル オンライン (2018年11月9日). 2020年12月26日閲覧。
  14. ^ 600年以上の歴史を持つ「十二社 熊野神社」例大祭という伝統行事を受け継いでいく歌舞伎町の若手たち”. 歌舞伎町文化新聞 (2019年1月11日). 2020年12月26日閲覧。
  15. ^ 異見交論39 「安心して学べるキャンパス、ハードよりハートで」LGBT当事者として 杉山文野氏”. 読売新聞教育ネットワーク. 2020年12月26日閲覧。
  16. ^ a b 杉山 文野”. LGBTER|エルジービーター. 2020年12月26日閲覧。
  17. ^ ISBN 978-4062130424
  18. ^ ISBN 978-4063654608
  19. ^ 「自分らしく」 垣根を越えて交わろう”. 47NEWS. 2020年12月26日閲覧。
  20. ^ a b c ゲイの親友の精子提供でトランスジェンダーの僕、彼女は3人で親になった”. CREA. (2023年6月16日) 2023年9月2日(UTC)閲覧。
  21. ^ 2020年12月28日投稿”. 杉山文野Instagram(@fuminosigoyama) (2020年12月28日). 2021年6月25日閲覧。[信頼性要検証]
  22. ^ a b 杉山文野. “トランスジェンダーの僕とパートナー、ゲイの親友。なぜ「3人で親になる」ことを選んだのか”. 文春オンライン. 2020年12月26日閲覧。
  23. ^ NETWORK, シブヤ大学 | SHIBUYA UNIVERSITY. “杉山 文野”. シブヤ大学 | SHIBUYA UNIVERSITY NETWORK. 2020年12月26日閲覧。
  24. ^ MINA OBA (2022年4月15日). “「プライドフェスティバル」3年ぶりのリアル開催!──「365日、皆が自分らしく生活できる未来をつくりたい」”. Vogue. 2023年9月2日(UTC)閲覧。
  25. ^ トランスジェンダー・杉山文野が語る「まずできるところから」マイノリティーの方と共生する社会”. 日テレTOPICS. 日本テレビ. (2021年2月26日) 2021年9月25日(UTC)閲覧。
  26. ^ ハートネットTV WEB連動企画チエノバ(2015年5月7日放送回)”. TV-Ranking. (2017年6月1日) 2021年9月26日(UTC)閲覧。
  27. ^ a b エピソード - カラフルファミリー”. 日本放送協会. 2023年9月2日(UTC)閲覧。

外部リンク

[編集]

(講演動画)