李小牧
り こまき リー・シャム 李小牧 | |
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生誕 |
1960年8月27日(64歳) 中国・湖南省長沙市 |
国籍 | 中国→ 日本(2015年取得) |
別名 | 歌舞伎町案内人 |
職業 |
観光ガイド 作家 ジャーナリスト |
団体 |
湖南菜館(経営) 日中韓文化交流協会(理事) |
活動拠点 | 日本・東京新宿歌舞伎町 |
配偶者 | なし |
子供 | 3人、うち1名は日向滉一 |
補足 | |
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李 小牧(り こまき[1]、中:リー・シャム[2]、Lee Xiaomu[3]、1960年8月27日[4] - )は、日本のガイド、および、作家、ジャーナリスト[5]。“歌舞伎町案内人”の異名で知られる[6]。選挙に出馬することもあってか中国語の発音で呼ばないよう求めている。[7]
中国・湖南の出身で、1988年に日本へ渡り東京・新宿歌舞伎町でガイド業に従事[8]。外国人専門の観光ガイドを行う傍ら作家としても活動し、ニューズウィーク日本版などの雑誌にコラムを寄稿、ほか、「日中韓文化交流協会」の理事長などを務める[9]。
自著にベストセラー作『歌舞伎町案内人』(角川書店)や『新宿歌舞伎町アンダーワールドガイド』(日本文芸社)など[10]。2014年時点で日本語の著書10冊超[11]。一部は中国でも出版されている[12]。
来歴
[編集]中華人民共和国・湖南省長沙市に出生[13]。父親は人民解放軍の軍人で、母親は資産家の娘であった。子供の頃、江青が普及させようとしていた革命バレエを踊る歌劇団を見たことがきっかけで、のちにバレエダンサーを志す。6歳の頃、中国では文化大革命が起こった。父親は文化大革命において、毛沢東を支持する造反派の重鎮であり、走資派を弾圧していた。湖南省最大の組織「湘江風雷」という派閥に所属しており、そこのナンバー3の地位にあったが、林彪が起こしたクーデター事件の影響で失脚、裕福であった一家は一気に極貧となった。その時、李が踊ったり歌ったりする様子を見て母が喜ぶのを見たことが、歌舞団でダンサーをめざす動機の一つとなったという。父親は幸い一年半後に名誉回復され、家に戻ってきた[14]。
中国国内でバレエダンサーや文芸新聞記者などの職を経験後、1988年に私費留学生として訪日[15]。訪日当日に訪れた新宿歌舞伎町の雰囲気に魅了され、一週間後、宿泊していた歌舞伎町内のラブホテルの清掃員に就業。東京モード学園でファッションを学ぶ傍ら、中国のファッション誌『時装』の東京特派員や在日中国人向け新聞『僑報』の発行人を務めた。
服飾の勉強と併行しながら歌舞伎町の路上で中国や台湾、香港からの観光客を飲食店や風俗店に案内するアルバイトを開始、このガイド業が軌道に乗り、やがては本業となる[16]。2002年にはその体験をもとにデビュー作『歌舞伎町案内人』を執筆、後に映画化もされている。2004年から『ニューズウィーク日本版』で毎月1本のコラム連載を開始[17]。
2007年、生まれ故郷にあたる中国・湖南の料理を扱うレストラン「湖南菜館」を新宿歌舞伎町の一番街に開業[18]。メニューはすべて中国の料理人が調理している。店の壁にはジャッキー・チェンとのツーショット写真が飾られている。
渡日26年目にあたる2014年には、日本への帰化、ならびに東京・新宿区議員選挙への出馬を皮切りとする政界進出の意向を発表[19]。2015年、2月に帰化[20]。同年の第18回統一地方選挙で新宿区議に立候補した[21]が落選した。
2016年、日本・中国合作で自身のドキュメンタリー映画『選挙に出たい』(邢菲監督)が制作され、2017年に北京国際映画祭の中国外国合作長編部門や山形国際ドキュメンタリー映画祭の日本プログラム部門、マカオ国際映画祭のドキュメンタリー部門に出品された。2018年の座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルではコンペティション部門入賞を果たし、同年12月1日よりポレポレ東中野をはじめとした日本国内の映画館で上映が行われた[22]。2018年11月、公開を前に歌舞伎町で行われたトークショーで李は19年4月の統一地方選挙に出馬することを正式表明、「すでに1回選挙に出たことで、私は勝っている」と語った。[23]
2019年の第19回統一地方選挙でも新宿区議に立候補したが、再度落選した。
近年はアメリカに亡命した中国人実業家・郭文貴を「中国民主化の星」と絶賛し[24]、郭文貴に近い海外中国人YouTuber・路徳の息子と義母の日本での難民申請にも手助けしたと本人は公表した[25]。
2023年の第20回統一地方選挙でも新宿区議に立候補(三度目)したが、落選した[26]。
私生活
[編集]2012年時点で結婚歴6回、うち中国人の前妻との間に1子、日本人の前妻との間に1子、現中国人妻との間に1子、計3人の子供(いずれも息子)がいる[27]。前妻(日本人)との間の一子はNHK等のテレビ番組への子役としての出演などで知られる日向滉一[28]。中国語(普通話)と出身地の湖南語(長沙語)の他に、広東語と日本語に堪能で、上海語や閩南語にも精通しているマルチリンガルである[29]。
著作
[編集]単著
[編集]- 『歌舞伎町案内人』(2002年・角川書店) ISBN 4047914274
- 『新宿歌舞伎町アンダーワールドガイド』(2003年・日本文芸社) ISBN 4537251670
- 『歌舞伎町案内人365日』(2004年・朝日新聞社) ISBN 4022579676
- 『歌舞伎町の中国女』(2005年・バジリコ) ISBN 4901784625
- 『歌舞伎町の住人たち』(2005年・河出書房新社) ISBN 4309017282
- 『歌舞伎町案内人 II』(2005年・角川書店) ISBN 4047915122
- 『歌舞伎町案内人〈2〉バックストリートの掟』(2007年・角川書店) ISBN 404373302X
- 『歌舞伎町案内人の恋』(2009年・河出書房新社) ISBN 4309019099
- 『歌舞伎町より愛をこめて 路上から見た日本』(2009年・阪急コミュニケーションズ) ISBN 4484092468
共著
[編集]- 『歌舞伎町事変1996〜2006』(写真:権徹・2006年・ワニマガジン社) ISBN 4898299814
- 『常識外日中論』(共/加藤嘉一・2011年・メディア総合研究所) ISBN 4944124457
- 『中国を変えた最強メディア 微博(ウェイボー)の衝撃』(共/蔡成平・2012年・阪急コミュニケーションズ) ISBN 4484122324
出演
[編集]映画
[編集]出典
[編集]- ^ 『中国人の私が帰化して新宿区議選に出る理由(1/4)』 2015年4月16日 東洋経済オンライン
- ^ 『「怪しい日中関係の裏側」李小牧さん』 2012年9月5日 くにまるジャパン
- ^ 『'Kabukicho guide' offers punters a walk on the wild side』 2002年9月29日 ジャパン・タイムズ
- ^ 『湖南菜館 メニュー:李小牧について』 ぐるなび
- ^ 『歌舞伎町案内人の中国語を読む!(1/2)』 2005年2月10日 All About
- ^ 『"歌舞伎町案内人"による歌舞伎町ガイド [男の夜遊び](1/2)』 2007年8月30日 All About
- ^ “初の中国出身議員を目指す:「歌舞伎町案内人」・李小牧さん”. nippon.com (2019年1月10日). 2019年3月4日閲覧。
- ^ 『李小牧が選ぶ 歌舞伎町事件ワースト3』 2012年1月19日 日刊SPA!
- ^ 『在日中国人が提案、「日本のAV女優とご対面ツアー」で論議―中国版ツイッター』 2012年5月2日 レコードチャイナ
- ^ 『歌舞伎町ガイド李小牧氏に防犯ガイドが直撃!Part1. 歌舞伎町案内人が見た防犯カメラ(1/5)』 2003年11月10日 All About
- ^ 『「歌舞伎町の毛沢東になる」新宿で出馬目指す中国人の真意』 AERA 2014年7月9日 dot.
- ^ 『【中国BBS】歌舞伎町案内人・李小牧ってどう思う?』 2013年1月30日 サーチナ
- ^ 『混歌舞伎町 李小牧兩岸上流通吃』 2015年3月23日 中国時報
- ^ “イ文革に翻弄された私の少年時代” (日本語). ニューズウィーク日本版. (2015年9月3日) 2015年9月5日閲覧。
- ^ 『李小牧さん、帰化して2カ月で新宿区議選に出馬へ「中国に大きなインパクトを」』 2015年4月16日 ハフィントンポスト
- ^ 『中国出身「歌舞伎町案内人」が出馬 海江田氏も助言』 AERA 2015年4月1日 dot.
- ^ 『from中国 性事も政治も自由に言える』 2015年1月7日 朝日新聞デジタル
- ^ 『「歌舞伎町案内人」の李小牧さん、故郷の中国・湖南料理店を開く』 2007年8月29日 新宿経済新聞
- ^ 『『歌舞伎町案内人の決断! 私は日本人になる!』ゲスト:李小牧さん』 2014年4月2日 くにまるジャパン
- ^ 『朝日新聞 2015年4月10日』 : “2015 統一地方選 少数派の声 訴えたい > 異文化間の「壁」取り払う 新宿区議選へ > 李小牧氏(54)” 藤原学思 朝日新聞社
- ^ 『“歌舞伎町案内人”日本帰化の中国人男性が統一地方選で東京・新宿区議選に出馬へ=「中国には選挙すらない」「これぞ民主国家!」―中国ネット』 2015年3月22日 レコードチャイナ
- ^ ““歌舞伎町案内人”李小牧のドキュメンタリー「選挙に出たい」公開”. 映画ナタリー. (2018年10月23日) 2019年1月11日閲覧。
- ^ “初の中国出身議員を目指す:「歌舞伎町案内人」・李小牧さん”. nippon.com (2019年1月10日). 2019年3月1日閲覧。
- ^ Company, The Asahi Shimbun. “米大統領選の闇と中国民主化運動のヒーローの正体 怪物、郭文貴の謎/上 - 清義明|論座 - 朝日新聞社の言論サイト”. 論座(RONZA). 2020年12月15日閲覧。
- ^ “6歳の中国人の日本への難民申請を手伝ったら、炎上した”. Newsweek日本版 (2018年8月20日). 2020年12月15日閲覧。
- ^ “[https://www.city.shinjuku.lg.jp/kusei/senkyo_kaihyo_r05kugi.html 【開票結果・確定】新宿区議会議員選挙 令和5年4月23日(日曜)]”. 新宿区 (2023年4月24日). 2023年4月24日閲覧。
- ^ 『微博が埋めてくれた21年間の空白』 2012年7月2日 李小牧 ニューズウィーク日本版
- ^ 『日本歌舞伎町案内人李小牧:把日子过成传奇(图)』 2011年3月9日 新浪網
- ^ 李小牧 舞伎町案内人 (角川文庫) 文庫 – 2004年3月25日.
外部リンク
[編集]- 『李小牧 公式Webサイト』 公式ウェブサイト
- 『-:-:- 歌舞伎町案内人--李小牧公式サイト -:-:-』 旧公式ウェブサイト
- 『李 小牧 (り こまき) (@leekomaki)』 公式ツイッター
- 『新宿案内人李小牧的微博』 公式微博
- 『理事ご挨拶』 - NPO法人日中韓国文化交流協会
- 『李小牧』 - 「ニューズウィーク日本版」の連載
- 『李小牧』 - 「日刊大衆」の連載