東京石
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Tokyoite | |
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分類 | バナジン酸塩鉱物 |
シュツルンツ分類 | 8.BG.05 |
化学式 | Ba2(Mn3+,Fe3+)(VO4)2(OH) |
結晶系 | 単斜晶系 |
単位格子 | a = 9.104Å、b = 6.132Å、c = 7.895Å、β = 112.2° |
モース硬度 | 4.5 - 5 |
光沢 | ガラス光沢 |
色 | 赤黒色 |
条痕 | 濃赤褐色 |
密度 | 4.62 g/cm3 |
文献 | [1][2] |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
東京石(とうきょうせき[3]、tokyoite)は、含水バナジン酸塩鉱物の一種。化学組成は Ba2Mn3+(VO4)2(OH)、結晶系は単斜晶系。ブラッケブッシュ石(brackebuschite)グループ[4]の鉱物の一つであり、東京石のバリウムが鉛に置換するとブラッケブッシュ石[5]に、マンガンが三価鉄に置換するとガマガラ石[6]となる。
産出地
[編集]原産地は東京都奥多摩町白丸鉱山である。後に鹿児島県の大和鉱山でも発見された。イタリアとドイツにも産する[1]。
性質・特徴
[編集]東京石は、濃い赤黒色をしており、マンガン鉱石の茶色と混じって見えにくいことが多い。
白丸鉱山の東京石は小さく、肉眼では見えにくい。大和鉱山で発見された東京石は大きく、肉眼でも容易に識別できる。
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サイド・ストーリー
[編集]東京石の名前の由来は、この鉱物が発見された東京都に因む。松原聰らにより上記のガマガラ石のマンガン置換体として報告され[7]、2003年に承認された。
旧・白丸鉱山は、数年に一度の放水以外はダムに沈んでいる産地であり、前回の放水時(1998年)には多摩石が発見されていた。マンガン鉱山である白丸鉱山では、バリウムを含む重土十字沸石なども発見されているが、バナジウムを含む鉱物は初の発見である。
脚注
[編集]- ^ a b Tokyoite (英語), MinDat.org, 2012年5月25日閲覧。
- ^ Tokyoite (英語), WebMineral.com, 2012年5月25日閲覧。
- ^ 松原聰、宮脇律郎『日本産鉱物型録』東海大学出版会〈国立科学博物館叢書〉、2006年。ISBN 978-4-486-03157-4。
- ^ Brackebuschite Supergroup, mindat.org
- ^ Brackebuschite, mindat.org
- ^ Gamagarite, mindat.org
- ^ 松原、宮脇; et al. 東京都白丸鉱山産ガマガラ石のMn置換体、日本鉱物学会2003年度年会、日本鉱物学会年会講演要旨集
参考文献
[編集]- Satoshi MATSUBARA; et al. (2004). “Tokyoite, Ba2Mn3+(VO4)2(OH), a new mineral from the Shiromaru mine, Okutama, Tokyo, Japan”. Journal of Mineralogical and Petrological Sciences (Japan Association of Mineralogical Sciences) 99 (6): 363-367. doi:10.2465/jmps.99.363. ISSN 1345-6296. NAID 10013710721. JOI:JST.JSTAGE/jmps/99.363.
- 松原聰「小さいけれど中身は濃い―東京石」『新鉱物発見物語』岩波書店〈岩波科学ライブラリー〉、2006年、30-34頁。ISBN 4-00-007455-5。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 大西政之 (2009年10月25日). “日本産新鉱物2”. 大西政之のページ. 2012年5月25日閲覧。
- Brackebuschite Group (英語), MinDat.org, 2012年5月25日閲覧。
- 福岡正人. “Brackebuschite〔ブラッケブッシャイト〕グループ”. 地球資源論研究室. 広島大学大学院総合科学研究科. 2012年5月25日閲覧。