松岡時敏
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松岡 時敏(まつおか ときとし、1815年2月4日(文化11年12月26日)- 1877年(明治10年)11月6日[1][2])は、幕末から明治期の土佐藩士、法制学者、文部官僚。元老院議官。初名・敏[3]。字・欲訥[4]。号・毅軒、毅堂[4]。通称・七助[4]。
経歴
[編集]土佐国高岡郡日下村(現日高村)で、土佐藩郷士・松岡甚吾の長男として生まれる[1][3]。その後、高知城下北奉公人町に転居[1]。江戸に遊学し安積艮斎の指導を受ける[1][4]。安政に入り吉田東洋に用いられ山内容堂の侍読となり、藩の法典『海南政典』と土佐藩史の編纂に従事し、『藩志内篇』を執筆した[1][4]。
明治維新後、新政府に出仕し明治元年11月2日(1868年12月15日)御雇・学校取調御用掛に就任[5]。以後、昌平学校掛、同校頭取心得、学校権判事、学校判事、大学大丞、大史・制度取調専務、文部権大丞兼文部中教授、文部大丞などを歴任し[5]、学校制度の整備を担当[4]。明治5年4月30日(1872年6月5日)左院に転じ中議官に就任。その後、二等議官となり、制度御用掛、職制章程等取調、国憲編纂掛、地方官会議御用掛を務めた[5]。
1875年4月14日、左院が廃止され、同月25日に代って設置された元老院の議官に就任[5]。1877年11月に病のため在任中に死去した[5]。
著作
[編集]- 松岡敏 「南海史略」(平尾道雄ほか編集委員 『皆山集 2 宗教(2) 歴史(1)篇』 高知県立図書館、1975年)
- 高知県立図書館編 『土佐国群書類従 4 伝記部』 高知県立図書館〈土佐国史料集成〉、2001年12月
- 松岡時敏著 『学古賸議』 梅巌堂、1875年11月(2冊)
- 森春濤纂 『新文詩別集 上野博覧会雑詠』 茉莉巷凹処、1877年12月
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 大植四郎編 『明治過去帳』 東京美術、1971年新訂初版(1935年原著私家版)。
- 日本歴史学会編 『明治維新人名辞典』 吉川弘文館、1981年。ISBN 4642031146
- 家臣人名事典編纂委員会編 『三百藩家臣人名事典 6』 新人物往来社、1989年。
- 我部政男、広瀬順晧編 『国立公文書館所蔵 勅奏任官履歴原書 上巻』 柏書房、1995年。ISBN 4760111662
- 『高知県人名事典 新版』編集委員会編 『高知県人名事典 新版』 高知新聞社、1999年。ISBN 4875032854
- 伊藤隆、季武嘉也編 『近現代日本人物史料情報辞典 3』 吉川弘文館、2007年。ISBN 9784642014472
関連文献
[編集]- 細川潤次郎 「故議官松岡君墓誌」(前掲 『新文詩別集 上野博覧会雑詠』)
- 亀山聿三編 『近代先哲碑文集 第卅五』 夢硯堂、1973年10月
- 「松岡毅軒」(寺石正路著 『南学史』 冨山房、1934年5月)
外部リンク
[編集]- 東京大学史料編纂所 所蔵史料目録データベース - 「松岡時敏関係文書」の目録が閲覧できる。
- 憲政資料目録 - 国立国会図書館。「松岡時敏文書」(憲政史編纂会収集文書所収左院・元老院国憲案中)の目録が閲覧できる。
- 渡辺刀水旧蔵諸家書簡文庫目録 - 東京都立中央図書館。松岡書簡・松岡宛書簡が多数含まれる。
- 谷中・桜木・上野公園路地裏徹底ツアー 松岡時敏