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松村文夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
松村 文夫(まつむら ふみお)
生誕 日本の旗 日本
居住 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニュージャージー州
国籍 日本の旗 日本
研究分野 細胞生物学
研究機関 基礎生物学研究所アメリカ合衆国コールド・スプリング・ハーバー研究所アメリカ合衆国ラトガース大学
出身校 東京大学名古屋大学大学院
博士課程
指導教員
秦野節司
主な業績 細胞分裂における細胞骨格関連タンパク質リン酸化
プロジェクト:人物伝
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松村 文夫(まつむら ふみお)は、細胞生物学者。細胞分裂における細胞骨格関連タンパク質リン酸化 の研究で著名。日本の大学・大学院出身で、30歳前後に渡米し、1995年からアメリカ合衆国ラトガース大学教授分子生物学生化学[1]。理学博士。秦野節司の直弟子。

研究

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多くの動物細胞基質に接着し扁平の形(細胞伸展)している。細胞分裂するときだけ、基質から離れ、球状の形になる。細胞分裂に伴う、基質からの解離と形状の変化の生化学的仕組みを、タンパク質リン酸化の視点から、松村は1つ1つ解明した。

カルデスモン(caldesmon)はマイクロフィラメントアクチン線維)とカルモジュリン(calmodulin)に結合するタンパク質だが、細胞分裂の時にマイクロフィラメントから解離することを発見した[2]。解離は、Cdc2キナーゼ がカルデスモンをリン酸化することで起こることも発見した[3]

また、細胞分裂する時、特異的にmyosin-targeting subunit of myosin phosphatase (MYPT)がリン酸化されることを発見[4]

さらに、焦点接着(focal adhesion)に存在するリン酸化タンパク質であるFAK(focal adhesion kinase)は、細胞分裂する時、特異的にセリン残基がリン酸化されることを発見した[5]。このリン酸化によって、細胞が接着面から離れて丸い形状になる。

略歴

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脚注

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  1. ^ Fumio Matsumura, PhD”. 2016年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月27日閲覧。
  2. ^ Yamashiro S, Yamakita Y, Ishikawa R, Matsumura F. (Apr 1990). “Mitosis-specific phosphorylation causes 83K non-muscle caldesmon to dissociate from microfilaments”. Nature 344: 675-678. PMID 2157986. 
  3. ^ Yamashiro S, Yamakita Y, Hosoya H, Matsumura F. (Jan 1991). “Phosphorylation of non-muscle caldesmon by p34cdc2 kinase during mitosis”. Nature 349: 169-172. PMID 1986309. 
  4. ^ Totsukawa G, Yamakita Y, Yamashiro S, Hosoya H, Hartshorne DJ, Matsumura F. (1999). “Activation of myosin phosphatase targeting subunit by mitosis-specific phosphorylation”. J Cell Biol. 144 (4): 735-744. PMID 10037794. 
  5. ^ Yamakita Y, Totsukawa G, Yamashiro S, Fry D, Zhang X, Hanks SK, Matsumura F. (Jan 1999). “Dissociation of FAK/p130(CAS)/c-Src complex during mitosis: role of mitosis-specific serine phosphorylation of FAK”. J Cell Biol. 144 (2): 315-324. PMID 9922457. 

外部リンク

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