柳生忠平
柳生 忠平(やぎゅう ちゅうべい、1976年 (昭和51年) - )は、日本の妖怪画家。
人物
[編集]幼い頃から水木しげるの漫画「ゲゲゲの鬼太郎」が愛読書[2]で「妖怪に会いたい、友達になりたい」と妖怪に対して強い憧れを抱き、妖怪に会いたい一心で妖怪を描き続けていたという[3]。
その絵をある先生に褒められたことが美大を目指すきっかけに[4]なる。宝塚造形芸術大学(現・宝塚大学)に進学し、油彩を専攻した。
1998年大学卒業後、株式会社叶匠寿庵のデザイナーとして和菓子の販促物、パッケージのデザインに携わる[5]。その後2002年に26歳で小豆島に戻った。親族の会社を継ぐための帰郷だったが、「自分はどうしても絵が描きたい。それも昔から身近に感じていた妖怪を。」という思いが募って2005年に妖怪の姿を専門に描く絵描きになることを宣言(「絵描鬼(えかき)」宣言)[2]、妖怪画家として活動をスタートした。
美大で絵画を学んでいたときはぐにゃぐにゃした管のようなものがくっついた抽象的表現で妖怪を描いていたが、抽象表現をやめて浮世絵や漫画、水墨画などの日本美術を手本に勉強しなおし、目に映るもの、耳に聞こえるものから連想した様々な妖怪の絵を描いている[2]。島で妖怪を描いていることから、妖怪をテーマにした街おこしをしようという動きにもつながり、有志で13年に「妖怪造形大賞」を創設。妖怪造形作品のコンテスト「妖怪造形大賞」の審査委員も勤める[2]。2018年2月から小豆島にある妖怪美術館館長に就任。[6]
日本国内のほか台湾でも個展を開催。上海で展示会を開いたり、フランスやイタリアでの個展やアートブックフェアになどのイベントに展示するなど国外でも活動し、「妖怪アート」の魅力を世界に伝えている。2019年にはフランスのノワイエ・シュル・スランにある「ポルテペイント国際アートセンター(La Porte Peinte Centre pour les Arts)」から招聘を受け、約2か月間滞在・作成、30点以上の作品が収蔵、常設展示されている。[7][1]全国から創作妖怪フィギュアを募り、これまで903点以上を集めた[8]。
イベント等で描いているライブペイントのほか、妖怪美術館や個展などで描いている人と対話しながらその内面を描画する「妖怪風似顔絵」が人気[9]。
「柳生忠平」という名前は雅号[10]であり、本名は非公開。
主な個展開催
[編集]- 2006年
- 個展「忠平の妖怪絵展」(小豆島 オリーブの島郵便局)[11]
- 個展「柳生忠平の妖怪絵」(京都 ギャラリー青い風)[11]
- 旧坂出警察署からインスピレーションを受けて作品を作成・展示する「旧坂出警察署お別れプロジェクト」(香川県坂出市 旧坂出警察署)の「独房展 静廻」にてインスタレーションを発表(2006/11~2007/2)[11]
- 2007年
- 2008年
- 個展「宴怪」(京都二条 雨林舎)[11]
- 2009年
- 個展「宴怪」(東京 アトランティコギャラリーSHIBUYA・亀福)[11]
- 2010年
- 企画展「絵描鬼 柳生忠平展」(高松市塩江美術館)[12]
- 「いただきさんアート号製作プロジェクト」(高松市 中央商店街)に「いただきさんアート号 – 柳生兄妹」を出展[11]
- 個展「宴怪」(大阪 ギャラリーあしたの箱)[11]
- 個展「宴怪」(高松市 sottoprodotto)[11]
- 2011年
- 2012年
- グループ展「地平線」(中国上海 雅巣画廊)[11]
- 2013年
- 個展「妖怪絵圖」(香川県小豆郡 MeiPAM)[11]
- 2014年
- 個展「百鬼創造」(南青山 Triplet)ー2014/12/12~12/28[11]
- 2015年
- 個展「百鬼楽楽」(六本木 ストライプハウスギャラリー)[12]ー2015/5/8~5/16[13]
- 個展「柳生忠平展」(台湾 綠光+marüte)[12]
- 2016年
- 2017年
- 個展「妖怪絵圖 まつろわぬものたち」(六本木 ストライプハウスギャラリー)[12]ー2017/5/31~6/14[15]
- 個展「妖怪絵図展」(台湾 田園城市ギャラリー)[12]
- 個展「妖怪製造装置」(京都 京都場)[12] ー2017/10/7~10/29[16]
- 2018年
- 2019年
- 個展「柳生忠平妖怪絵圖」(六本木 ストライプハウスギャラリー)[12] ー2019/6/16~6/26[19]
- 企画展「足助百物語」(豊田市足助町 寿ゞ家(すずや)) 2019/8/3~8/15[20]
- アーティスト・イン・レジテンス「柳生忠平 妖怪絵圖 邂逅」(フランス ノワイエ・シュル・スラン 「ポルテペイント国際アートセンター(La Porte Peinte Centre pour les Arts)」)[12]
- 2020年
- 個展「柳生忠平妖怪絵圖 」(六本木 ストライプハウスギャラリー)[12] ー2020/6/22~6/30[21]
- 個展「モノノケたちがつないだ縁」(敦賀市 きもの庵なご) 2020/9/26~9/27[22]
- グループ展 「百鬼夜行 第二夜 奇々怪々」(京橋 メゾンドネコ)ー2020/10/2~10/6[23]
- 2021年
- 個展「柳生忠平妖怪絵圖 猫目の月」(六本木 ストライプハウスギャラリー) 2021/2/2~2/13[24]
- グループ展 「百鬼夜行 第三夜 荒井良&柳生忠平 2人展」(京橋 メゾンドネコ)ー2021/7/23~7/27[25]
- 三人展 「猫と妖怪〜異界絵本〜」(京橋 メゾンドネコ)ー2021/9/23~9/28[26]
- 2022年
- 個展「柳生忠平妖怪絵圖 猫又の話 」(六本木 ストライプハウスギャラリー) ー2022/2/2~2/12[27]
- グループ展 「百鬼夜行 万妖奇譚」(京橋 メゾンドネコ)ー2022/7/28~8/3[28]
- 個展「柳生忠平妖怪絵圖大洲にて」 (愛媛県大洲市 コミュニティースペースとも家)ー2022/8/5~8/7[29]
- 2023年
- 個展「柳生忠平妖怪絵圖 」(六本木 ストライプハウスギャラリー) ー2023/1/6~1/14[30]
- 企画展「美濃路もののけストリート(仮)」(愛知県清洲市 cafe&galleryMIDORIYA)2023/3/30~4/7[31]
- 企画展「妖怪戯画」(京都府京都市 細辻伊兵衛美術館)ー2023/7/2[32]
- グループ展「異端と怪異のユートピア」(東京 京橋 スパンアートギャラリー)ー2023/7/22~8/1[33]
- グループ展「百鬼行脚」(東京 京橋 メゾンドネコ)-2023/9/13~9/18[34]
- 企画展「ま〜だだ ようかい」(東京 江戸川橋 そよや江戸端)2023/10/17~10/25[35]
- 2024年
脚注
[編集]- ^ a b “瀬戸内国際芸術祭にあわせて開催|妖怪画家・柳生忠平最大規模の企画展|妖縁 youen | 小豆島ヘルシーランド株式会社のプレスリリース”. PR TIMES. 2024年3月25日閲覧。
- ^ a b c d “小豆島の妖怪が描かせる絵 伝承モチーフに創作―日本経済新聞”. 日本経済新聞. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “ON THE TRIP”. ON THE TRIP. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “ゲスト柳生忠平さん | にこにこTHANK YOU”. Ameba. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “瀬戸内国際芸術祭にあわせて開催|妖怪画家・柳生忠平最大規模の企画展|妖縁 youen | 小豆島ヘルシーランド株式会社のプレスリリース”. PR TIMES. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “絵画展「柳生忠平 妖怪絵図」六本木で開催 | 小豆島ヘルシーランド株式会社のプレスリリース”. PR TIMES. 2024年3月25日閲覧。
- ^ 『迷路のまちの小さな美術館の挑戦』同会社千十一編集室、2022年10月20日、213‐221頁。
- ^ “妖怪美術館note”. 妖怪美術館. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “柳生忠平妖怪絵圖/妖怪製造装置 2017”. 京都場. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “「Dreams Come True」清水まり子オフィシャルブログPowered by Ameba”. Ameba. 2024年3月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n “瀬戸内の“迷路のまち”から、東京の南青山へ。生まれたばかりの妖怪たちがやってくる。 - 合名会社 童の夢のプレスリリース”. Value press. 2024年3月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “作家詳細: 柳生忠平”. メゾンドネコ. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “Chubei Yagyu 柳生忠平 2015.05.08-16”. ストライプハウスギャラリー. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “Chubei Yagyu 2016.06.03-15 柳生忠平”. ストライプハウスギャラリー. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “Chubei Yagyu 柳生忠平 2017.06.03-15”. ストライプハウスギャラリー. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “柳生忠平妖怪絵圖/妖怪製造装置 2017 – Kyotoba”. 京都場. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “Chubei Yagyu 柳生忠平 2018.06.2-10”. ストライプハウスギャラリー. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “妖怪画家・柳生忠平が参加!「美濃路もののけストリート(零)」2024年3月30日(土)~4月7日(日) | 小豆島ヘルシーランド株式会社のプレスリリース”. PR TIMES. 2024年4月1日閲覧。
- ^ “Chubei Yagyu 2019.06.16-26 柳生忠平”. ストライプハウスギャラリー. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “アート | 足助百物語 | 日本”. 足助百物語. 2024年3月27日閲覧。
- ^ “Chubei Yagyu 2020.06.22-30 柳生忠平”. ストライプハウスギャラリー. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “妖怪画家・妖怪美術館 館長 柳生忠平公式X(2020/9/11ポスト)”. 柳生忠平. 2024年3月27日閲覧。
- ^ “展覧会詳細: 百鬼夜行第二夜 奇々怪々”. メゾンドネコ. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “Chubei Yagyu 2021.02.02-13”. ストライプハウスギャラリー. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “展覧会詳細: 百鬼夜行第三夜荒井良&柳生忠平 2人展”. メゾンドネコ. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “展覧会詳細: 猫と妖怪 ~異界の絵本展~”. メゾンドネコ. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “Chubei Yagyu 2022.02.02-12 柳生忠平 妖怪絵圖 猫又の話”. ストライプハウスギャラリー. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “展覧会詳細: 百鬼夜行「万妖奇譚」”. メゾンドネコ. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “城下町大洲の夏を妖怪でひんやり楽しむ妖怪イベント!「柳生忠平妖怪絵圖大洲にて」8月5日(金)〜7日(日) | 小豆島ヘルシーランド株式会社のプレスリリース”. PR TIMES. 2024年3月28日閲覧。
- ^ “Chubei Yagyu 柳生忠平 2022.01.06-14 ”. ストライプハウスギャラリー. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “Café&galleryみどりやFacebook”. Café&galleryみどりや. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “細辻伊兵衛美術館”. 細辻伊兵衛美術館. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “異端と怪異のユートピア”. スパンアートギャラリー. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “展覧会詳細: 妖怪行脚”. メゾンドネコ. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “江戸端 @soyoya_edobata… | Instagram”. そよや江戸端. 2024年3月27日閲覧。
- ^ “絵画展「柳生忠平 妖怪絵図」六本木で開催 | 小豆島ヘルシーランド株式会社のプレスリリース”. PR TIMES. 2024年3月25日閲覧。
- ^ “妖怪画家・柳生忠平が参加!「美濃路もののけストリート(零)」2024年3月30日(土)~4月7日(日) | 小豆島ヘルシーランド株式会社のプレスリリース”. PR TIMES. 2024年4月8日閲覧。