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森川家住宅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
森川家住宅
情報
構造形式 木造瓦葺[1]
建築面積 171 m² [1]
階数 平屋建[1]
竣工 1855年
所在地 491-0934
愛知県一宮市大和町苅安賀字北川田1159
座標 北緯35度17分26.4秒 東経136度46分54.6秒 / 北緯35.290667度 東経136.781833度 / 35.290667; 136.781833 (森川家住宅)座標: 北緯35度17分26.4秒 東経136度46分54.6秒 / 北緯35.290667度 東経136.781833度 / 35.290667; 136.781833 (森川家住宅)
文化財 登録有形文化財
指定・登録等日 2008年7月8日[1]
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森川家住宅(もりかわけじゅうたく)は、愛知県一宮市大和町苅安賀字北川田1159にある邸宅登録有形文化財。巡見街道に面している[2][3]

歴史

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主屋の竣工とその後

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森川家は安土桃山時代から続く名家である[4]尾張国中島郡苅安賀村(現・愛知県一宮市)における地主であり、天保年間から明治末期には酒造業を営んでいた[2]

安政2年(1855年)に主屋が建てられ、1869年(明治2年)に改修された[1]。1891年(明治24年)10月28日に発生した濃尾地震や1959年(昭和34年)9月に襲来した伊勢湾台風では被害を受け、かつてあった何棟かの土蔵は失われた[2]

森川勘一郎

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21代当主の森川勘一郎は如春庵という号を持ち、明治後期から昭和にかけての中京地区を代表する茶人とされる[2][4]

かつては敷地内に茶室の舒嘯庵(じょじょうあん)と如春庵(にょしゅんあん)があったが[2]、1994年(平成6年)には舒嘯庵が江南市宮田町に移築され、江南市指定文化財に指定された。1993年(平成5年)には如春庵が名古屋市緑区の加藤振次邸に移築され[5]、2024年(令和6年)には森川如春庵田舎家として名古屋市の覚王山日泰寺に移築された。如春庵という席名は沢庵和尚の掛け軸「如春」から取られている[5]

森川勘一郎は晩年に茶道具や美術品の森川コレクションを名古屋城に寄贈し、2006年(平成18年)には名古屋市博物館に移管されている[6]

近年の動向

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2008年(平成20年)7月8日、主屋、書院、土蔵が登録有形文化財に登録された[7][1]

一宮市は将棋が盛んな土地とされる[8]。2006年(平成18年)には森川家に日本将棋連盟尾張一宮如春庵支部が設立され、同年6月15日には指し染め式が催された[4]。2009年(平成21年)10月6日には石橋幸緒女流王位に清水市代女流2冠が挑む女流王位戦第一局の会場となった[8][3]。2010年(平成22年)3月21日には森川家住宅において、一宮市出身初のプロ棋士である豊島将之五段にうぐいす色の着物が贈呈された[9]

2012年(平成24年)、東郷平八郎直筆の書が森川家住宅で発見された[10]第一次世界大戦勃発後の1915年(大正4年)、日露戦争連合艦隊司令長官を務めた東郷が名古屋株式取引所の高橋彦次郎理事長に贈ったものである。

建築

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  • 主屋 - 木造つし2階建、瓦葺[2]。建築面積171㎡[2]。安政2年(1855年)竣工、1869年(明治2年)改修[2]。正面には出格子を有する[7]
  • 書院 - 木造平屋建、瓦葺[2]。建築面積88㎡[2]。1902年(明治35年)頃竣工[2]
  • 土蔵 - 土蔵造2階建、瓦葺[2]。建築面積51㎡[2]。昭和初期竣工[2]。外壁は白漆喰仕上げである[7]

脚注

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  1. ^ a b c d e f 森川家住宅主屋 文化遺産オンライン
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 森川家住宅主屋、書院、土蔵 愛知県
  3. ^ a b 『保存情報 4』日本建築家協会東海支部愛知県地域会保存研究会、2023年、pp.108-109
  4. ^ a b c 「愛好家の癒やしの場に 古民家で将棋の会 愛知県一宮市・森川家で発足 足遠のく社会人層が狙い」『中日新聞』2006年6月28日。
  5. ^ a b 「茶どころ探訪 45 奇縁の安住先 如春庵、実は松尾流好み」『中日新聞』2004年4月27日。
  6. ^ 森川コレクション 名古屋市博物館
  7. ^ a b c 「墨会館、森川家住宅など 登録文化財 県から新たに5件」『中日新聞』2008年6月21日。
  8. ^ a b 「中部で初の女流王位戦 来月6日 愛知県一宮市で第一局」『中日新聞』2009年9月1日。
  9. ^ 「"勝負和服"で活躍を 一宮出身プロ棋士 豊島五段に支部が贈呈」『中日新聞』2010年3月22日。
  10. ^ 「『困難にくじけてはならぬ』名古屋財界人に 東郷平八郎精魂の書 1915年 日露戦争回顧の世相下」『中日新聞』2012年1月9日。

参考文献

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  • 『保存情報 4』日本建築家協会東海支部愛知県地域会保存研究会、2023年

外部リンク

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