横小路泰義
人物情報 | |
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生誕 |
1961年??月??日[1] 大阪 |
居住 | 日本 |
出身校 | 京都大学 |
学問 | |
研究分野 | ロボット工学、バーチャルリアリティ |
研究機関 |
京都大学 カーネギーメロン大学 神戸大学 |
博士課程指導教員 | 吉川恒夫 |
指導教員 | 花房秀郎、中村仁彦 |
博士課程指導学生 | 土橋宏規[2][注釈 2] |
学位 | 工学博士(京都大学) |
主な業績 | 遠隔マスタースレーブ、折り紙折りロボット |
学会 | 日本機械学会、計測自動制御学会、システム制御情報学会、日本ロボット学会、日本バーチャルリアリティ学会、バイオメカニズム学会、IEEE[1][3] |
主な受賞歴 | 計測自動制御学会論文賞、日本ロボット学会論文賞、日本バーチャルリアリティ学会論文賞、システム制御情報学会論文賞 |
公式サイト | |
複雑系機械工学研究室 |
横小路 泰義(よここうじ やすよし、1961年(昭和36年)生まれ[1])は、日本の工学者。専門は、ロボット工学・バーチャルリアリティ。博士(工学)(京都大学)[4]。ロボットの遠隔操縦やハプティックデバイス、ロボットハンドの研究に従事し、折り紙折りロボットなどで実績がある[5]。京都大学助手、助教授、准教授を務めた後、神戸大学教授[1][6][3]。レスキューロボットコンテストにも貢献している[7][8]。
来歴・人物
[編集]中学生時代は自動車が好きで、大学は機械工学科を選択。パソコンにも興味を持ち、研究室配属でロボット系の研究室を選択する[9]。研究室では吉川恒夫や中村仁彦の下で研究を進め、博士課程を中退して工学部オートメーション研究施設 助手に就任(後、工学部応用システム科学教室 助手)。この間、「辣腕」という名称のテレロボットシステムを開発している[10]。また、ロボットの運動学や動力学に関する研究にも関わっている[11][12][13][14][15][16]。
1991年9月には、論文博士にて工学博士の学位を取得[4]。1992年には工学部機械工学教室助教授に昇進する。引き続き吉川研究室で研究を続けるが、1994年から1996年までカーネギーメロン大学に客員として滞在している[17]。この際、WYSIWYFディスプレイ(What You See Is What You Feel)を提案・開発している[18]。ロボット研究のみならず、バーチャルリアリティに関する研究も盛んに行っている[19]。
大都市大震災軽減化特別プロジェクトにおいて、横小路はヒューマンインターフェースグループとして活動し、カメラシステムの研究にも取り組んだ[20]。また、2005年からは所属が大学院工学研究科機械工学専攻になる[6](後、准教授)。なおこの時、教授の吉川が定年により立命館大学に転出している[21][22][注釈 1]。この間、折り紙折りロボット[24]やロボットハンド[25]、自動車の操作系[26]の研究に取り組んでいる。なお、折り紙折りロボットは専用ハードウェア、人間による教示を特徴としている[5][24]。
2009年より神戸大学大学院工学研究科機械工学専攻教授に就任する[3]。レスキューロボットコンテストでは副実行委員長[7]、実行委員長[8]を歴任し、日本ロボット学会ではフェローに選出されている。また、三菱電機との共同研究で、組み立て作業のためのハンドや把持の研究にも取り組んでいる[2][25]。
主な受賞歴
[編集]- 1991年 - 計測自動制御学会 1991年度論文賞[27][注釈 3]
- 2000年 - 日本バーチャルリアリティ学会 論文賞[28][注釈 4]
- 2008年 - 日本ロボット学会 第22回論文賞[29][注釈 5]
- 2010年 - 日本ロボット学会 第24回論文賞[29][注釈 6]
- 2016年 - システム制御情報学会 論文賞[30][注釈 7]
著作
[編集](学位論文)
- 『Analysis and design of master-slave teleoperation systems』京都大学〈博士論文(乙第7628号)〉、1991年9月24日。doi:10.11501/3086114 。 日本語題名『マスタ・スレーブ型遠隔操縦システムの解析と設計』
(共著)
- 『計測工学』 朝倉書店、2014年、ISBN 9784254201598[注釈 8]
(主な解説)
- 「ロボットアーム制御の高速計算アルゴリズム」『機械の研究』第43巻第1号、1991年1月、173-182頁。
- 「テレオペレーション,VR,ロボティクスから人間を理解する」『計測と制御』第45巻第12号、2006年12月、1036-1041頁。
- 「テレオペレーションから機械メディアへの展開」『システム/制御/情報』第44巻第12号、2000年12月、702-709頁。
- 「レスキューロボットの操縦インタフェース ―大大特「ヒューマンインタフェースグループ」の研究紹介―」『日本ロボット学会誌』第22巻第5号、2014年7月、566-569頁。
- 「テレオペレーション制御の現状と今後」『日本ロボット学会誌』第27巻第4号、2009年、405-409頁。
- 「テレロボティクスと教示」『日本ロボット学会誌』第30巻第6号、2012年、602-605頁。
- 「折り紙を折るロボット」『日本ロボット学会誌』第31巻第4号、2013年、334-340頁。
- 奥川雅之、土井智晴、横小路泰義「レスキューロボットコンテストにおけるロボットの設計」『設計工学』第50巻第5号、2015年5月、235-241頁。
- 土井智晴、奥川雅之、横小路泰義「レスキューロボットコンテスト ―技術を学び 人と語らい 災害につよい世の中をつくる―」『建設機械施工』第67巻第781号、一般社団法人日本建設機械施工協会誌、2015年3月、46-50頁。
(記事)
- 「(コラム)レゴ自動車製作記」第27巻第5号、2009年。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ a b 後に、松野文俊が教授に就任している[23]。
- ^ 主査は横小路研究室の後に教授になった松野文俊[注釈 1]だが、実質的な指導は横小路(出典の博士論文の謝辞を参照)[2]。
- ^ 受賞論文 - 横小路泰義、吉川恒夫「マスタ・スレーブ型遠隔操縦システムの操作性」、『計測自動制御学会論文集』、第26巻第5号、1990年、572-579頁。[27]
- ^ 受賞論文 - 横小路泰義、菅原嘉彦、吉川恒夫「画像と加速度計を用いたHMD上での映像の正確な重ね合わせ」、『日本バーチャルリアリティ学会論文誌、第4巻第4号、1999年、589-598頁。[28]
- ^ 受賞論文 - Emmanuel B. Vander Poorten and Yasuyoshi Yokokohji Feeling a rigid virtual world through an impulsive haptic display, Advanced Robotics, Vol.21, No.12, (2007), pp.1411-1440.[29]
- ^ 受賞論文 - 田中健太、木原康之、横小路泰義「人間の直接教示動作の統計的性質に基づいた折り紙ロボットの目標軌道とセンサフィードバック則生成法」、『日本ロボット学会誌』第27巻第6号、2009年、685-695頁。[29]
- ^ 受賞論文 - 土橋宏規、神岡渉、深尾隆則、横小路泰義、野田哲男、長野陽、永谷達也「組立作業のための平行スティック指汎用ハンドによる三次元形状部品の把持の最適化」、『システム制御情報学会論文誌』第28巻第6号、2015年、258-266頁。[30]
- ^ 初版は2002年に昭晃堂から刊行されていた(ISBN 4-7856-9065-8)。共著者は鈴木亮輔、神野郁夫、小寺秀俊、田中功、冨井洋一、中部主敬、箕島弘二。
出典
[編集]- ^ a b c d 横小路泰義 2000, p. 709.
- ^ a b c 土橋宏規『ロボットセル生産システムのための汎用ハンドに関する研究』京都大学博士学位論文(甲第16796号)、2012年3月26日。
- ^ a b c 横小路泰義 2012, p. 605.
- ^ a b 横小路泰義 1991.
- ^ a b 夢ナビ(折り紙).
- ^ a b 横小路泰義 2006, p. 1041.
- ^ a b “第13回レスキューロボットコンテスト 実行委員会”. 第13回>組織. Rescue Robot Contest (2013年9月6日). 2016年5月7日閲覧。
- ^ a b “第15回レスキューロボットコンテスト 実行委員会”. 第15回>組織. Rescue Robot Contest (2014年11月23日). 2016年5月7日閲覧。
- ^ 夢ナビ(VR), 先生の学問へのきっかけ.
- ^ 横小路泰義 1993.
- ^ 機械の研究 1991.
- ^ 吉川恒夫、横小路泰義「シリアルリンク型ロボットマニピュレータのリンク座標系に関する考察」、『計測自動制御学会論文集』第24巻第12号、1988年12月、1343-1345頁。
- ^ 中村仁彦、横小路泰義、花房秀郎、吉川恒夫「ロボットマニピュレータの運動学と動力学の統合化計算」、『計測自動制御学会論文集』第23巻第5号、1987年、491-498頁。
- ^ 吉川恒夫、横小路泰義、豊嶋毅「宇宙用多腕型ロボットの運動制御のための効率的計算法」、『日本ロボット学会誌』第10巻第5号、1992年、639-647頁。
- ^ 吉川恒夫、横小路泰義、渡辺直満「駆動冗長性をもつ閉リンク機構の動力学解析」、『日本ロボット学会誌』第11巻第6号、1993年、913-917頁。
- ^ 吉川恒夫、中村仁彦、横小路泰義「DSPによる多関節マニピュレータの動的制御のための実時間計算」、『日本ロボット学会誌』第6巻第3号、1988年、175-183頁。
- ^ 横小路泰義 2000.
- ^ 吉川恒夫 2000, p. 118.
- ^ 吉川恒夫 2000, pp. 116–118.
- ^ 横小路泰義 2004.
- ^ 吉川恒夫「随想 研究教育雑感」『京都大学工学広報』第44号、2005年10月、2015年6月29日閲覧。
- ^ 吉川恒夫(インタビュアー:道木加絵、佐野明人)「制御理論とロボット工学の研究の面白さ」『日本ロボット学会誌』第30巻第9号、2012年11月、865-868頁。
- ^ “過去のメンバー”. 研究室メンバー. 京都大学松野研究室. 2016年9月11日閲覧。
- ^ a b 横小路泰義 2013.
- ^ a b 土橋宏規、横小路泰義、野田哲男、奥田晴久「準静的押し操作解析に基づく多指ハンドによる把持シミュレーションと対象物体の許容初期誤差範囲の導出」、『日本ロボット学会誌』第28巻第10号、2010年、1201-1212頁。
- ^ 矢舩資洋、横小路泰義「コラム軸アシスト型電動パワーステアリング装置(C-EPS)における目標操舵角 ―トルク特性の実現手法―」、『自動車技術会論文集』第40巻第1号、2009年、9-14頁。
- ^ a b “学会賞受賞者”計測自動制御学会、2016年9月11日閲覧。
- ^ a b “論文賞”、日本バーチャルリアリティ学会、2016年9月11日閲覧。
- ^ a b c d “学会誌論文賞”、表彰、日本ロボット学会、2016年9月11日閲覧。
- ^ a b “2016年度学会各賞”システム制御情報学会、2016年9月11日閲覧。
参考文献
[編集]- 横小路泰義「京都大学工学部機械工学教室吉川研のテレロボットシステム ―辣腕―」『日本ロボット学会誌』第11巻第6号、1993年、830頁。
- 吉川恒夫「京都大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 吉川研究室」『日本バーチャルリアリティ学会誌』第5巻第2号、2000年12月、116-118頁、ISSN 1342-6680。
- 日本ロボット学会 監修、オーム社 編「Massage18 横小路 泰義」『ロボット研究者からのメッセージ』オーム社、2007年7月。ISBN 978-4-274-20424-1 。
- “講義No.04229 ロボットとバーチャルリアリティの接点”. 夢ナビ. Frompage. 2016年5月7日閲覧。
- “講義No.05786 人間のすごワザ「折り紙」を、ロボットに伝授する方法”. 夢ナビ. Frompage. 2016年5月7日閲覧。
外部リンク
[編集]- 神戸大学 大学院工学研究科 機械工学専攻設計生産講座 複雑系機械工学研究室 - 研究室のサイト
- 横小路 泰義 神戸大学 教授 - 研究室内の個人ページ
- 横小路 泰義(よここうじ やすよし) - 学科内の個人ページ
- 横小路泰義 - researchmap
- 横小路泰義 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
- 「人間の直接教示動作の統計的性質に基づいた折り紙ロボットの目標軌道とセンサフィードバック則生成法」、『日本のロボット研究開発の歩み』、日本ロボット学会 - 動画も閲覧可。