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樺俊雄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

樺 俊雄(かんば としお、1904年3月2日 - 1980年12月23日)は、日本哲学者社会学者。立正大学教授・中央大学教授・神戸大学教授・東京外国語大学教授・創価大学教授を歴任。

数学教育近代化の先駆的役割を果たした数学者樺正董の孫。安保闘争で死亡した東京大学の女子学生樺美智子の父でもある。

経歴

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東京府平民・会社重役樺剛の長男[1][2]

1927年京都帝国大学文学部哲学科卒、東京帝国大学大学院入学。1928年立正大学講師1933年 立正大学教授[3]

戦後1947年 中央大学教授[3]1950年神戸大学教授、1952年東京外国語大学教授、1955年、再び中央大学教授[3]1971年創価大学教授[3]

1960年、娘で共産主義者同盟(ブント)の活動家だった樺美智子安保闘争で圧死、『最後の微笑』を出版しベストセラーになった[3]。墓所は多磨霊園

人物

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趣味は、音楽絵画旅行[2]宗教天台宗[2]。住所は、東京都武蔵野市吉祥寺[2]

家族・親族

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樺家

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(鳥取県鳥取市立川町大阪府東京都武蔵野市吉祥寺[2]
祖父・樺正董
  • 祖父・正董(数学者)
文久3年(1863年6月生 - 大正14年(1925年)12月没
明治17年(1884年)11月生[1]大阪府平民樺正董長男[1]。東亜貿易、日本曹達、沼田商店各(株)取締[1]

親戚

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著書

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  • 『ギリシア哲学思潮』社会学徒社 1929年
  • 『哲学の諸問題』巌翠堂書店 1931年
  • 『歴史哲学概論』理想社 1935年(新興哲学叢書)
  • 『哲学史提要』同文館 1936年
  • 『世界観の問題』三笠書房 1938年
  • 『人間学序説』同文館 1938年
  • 『歴史における理念』理想社出版部 1940年
  • 『内省と建設』三笠書房 1941年
  • 『新しき倫理のために』育英書院 1942年
  • 『文化と技術』鮎書房 1943年
  • 『哲学と時代精神』生活社 1943年
  • 『歴史的意識』育英書院 1943年
  • 『歴史哲学序説』理想社 1943年
  • 『文化と伝統の問題』卍書林 1946年(まんじ選書)
  • 『新しい社会』交通協力会 1946年(新時代叢書)
  • 『新時代の文化』愛育社 1946年
  • 『世界観の社会学』夏目書店 1947年
  • 『哲学と時代精神』九十九書房 1947年
  • 『歴史哲学』小石川書房 1948年
  • 『歴史社会学の構想』青也書店 1950年
  • 『文化社会学』創元社 1951年
  • 『歴史主義』教育書林 1952年
  • 『社会思想史の構想』法律文化社 1954年(新文化選書)
  • 『現代の社会』松沢書店 1958年
  • 『最後の微笑 樺美智子の生と死と』文芸春秋新社 1960年
  • 『現代人の思想と行動』中央大学出版部 1962年
  • 『現代社会学 現代の状況と課題』創文社 1962年
  • 『入門社会学』東洋経済新報社 1965年
  • 『社会学用語解説』東洋経済新報社 1966年
  • 『歴史と歴史主義』理想社 1967年(哲学全書)
  • 『革命の幻想 激動期の現実と理論』1968年(有信堂学生叢書)
  • 『社会学の基礎』有信堂 1969年
  • 『現代における人間疎外』未来社 1969年
  • 『黒い足音 東欧の旅より』パピルス 1969年
  • 『歴史は繰り返すか 現代史エッセー』勁草書房 1979年3月
  • 『初歩の社会学』第三文明社 1979年7月(レグルス文庫)

共編著

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  • 『新時代の文化』愛育社 1946年
  • 『科学教養講座 社会科学篇 第2』三笠書房 1948年
  • 堀真琴,加茂儀一共編『近代思想講座』六和商事出版部 1947年
  • 阿閉吉男共編『社会学通論』同文館 1950年
  • 『クライネス社会学辞典』創元社 1952年
  • 『社会学の一般知識』鷺の宮書房 1956年
  • 阿閉吉男共編『社会学』同文館 1957年
  • 『社会学読本』東洋経済新報社 1957年
  • 『新撰社会学辞典』中央経済社 1959年
  • 『近代社会思想史』中央経済社 1959年
  • 阿閉吉男共編『社会学概論』勁草書房 1960年
  • 樺光子共著『死と悲しみをこえて』雄渾社 1967年
  • 『史的唯物論と社会学』法政大学出版局 1968年
  • 田野崎昭夫『社会学 1968年4月-9月』NHKサービスセンター 1968年4月 (NHK大学講座)
  • 小山弘健共編『反安保の論理と行動』有信堂 1969年
  • 石川晃弘共編『現代とマルクス主義社会学』社会評論社 1972年
  • 『マスコミの報道と自由 マス・メディアの分析』有信堂 1974年
  • 『都市と農村の社会学 日ソ社会学論集』法政大学出版局 1978年7月(叢書・現代の社会科学)

翻訳

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記念論集

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  • 歴史社会学とその周辺 樺俊雄博士古稀記念論文集編集委員会 中央大学出版部 1975年

参考文献

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脚注

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  1. ^ a b c d e f g h 『人事興信録. 6版』(大正10年)か三四
  2. ^ a b c d e f g h i 第二十一版 人事興信録 』(昭和36年)か一〇一
  3. ^ a b c d e 樺俊雄の墓
  4. ^ 『因伯時報』(大正十五年四月十一日号) では「(正董の)嗣子・氏は器械輸入商として発展し…」と紹介されている。