欲 (仏教)
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仏教用語 チャンダ | |
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パーリ語 | chanda |
サンスクリット語 | छन्दः |
チベット語 |
འདུན་པ། (Wylie: 'dun pa; THL: dünpa) |
中国語 | 欲(T) / 欲(S) |
日本語 |
欲 (ローマ字: Yoku) |
朝鮮語 |
욕 (RR: yok) |
英語 |
intention, interest, desire to act, aspiration |
仏教における欲(よく)、チャンダ (巴: Chanda)とは、意図、関心、行動したいという願望を指す[1] 。
アビダルマにおいて、チャンダは以下とされている。
- 上座部仏教アビダルマにおける六雑心所のひとつ。その伝統においてチャンダは、対になって組合わされる要因に応じて、プラスまたはマイナスの結果をもたらす可能性をもつ。
- 説一切有部アビダルマにおける十大地法(mahā-bhūmika)のひとつ[2]。
- 大乗仏教アビダルマにおける別境心所(viṣayaniyata)のひとつ。
- チベット仏教サマタ瞑想における、8つの解毒剤の一つ。
また以下の複合語を形成する。
- kama-chanda (欲愛,貪欲) - カーマ(五感)からの情報を恋しがる。五蓋、五下分結のひとつ[2]。
- chanda-raga - 阿毘達磨倶舎論では「chanda-rāga が取(upādāna)である」と説く[2]。
脚注
[編集]- ^ Gethin 2001, p. 83.
- ^ a b c 梶 哲也「説一切有部における欲(chanda)」『対法雑誌』第1巻、2020年、doi:10.34501/abhidharmastudies.1.0_45、NAID 130007883100。
参考文献
[編集]- Gethin, R.M.L. (2001), The Buddhist Path to Awakening, Oneworld Publications, ISBN 978-1851682850