歌川貞芳
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歌川 貞芳(うたがわ さだよし、生没年不詳)とは、江戸時代の大坂の浮世絵師。
来歴
[編集]歌川国貞の門人、のちに歌川貞升に絵を学ぶ。大坂の人。俗称は肥後屋貞七郎。画姓に歌川を称し貞芳、魁春亭、梅窓園、葵生斎、国瓢亭、五飄亭、五瓢亭と号す。戯作者として梅窓園琴金とも称した。大坂島の内心斎橋通に住む。作画期は天保8年(1837年)から嘉永6年(1853年)の頃にかけてで、役者絵や根本、絵本の作画、また摺物を手がけた。
作品
[編集]- 『傾城遊山桜』二編13冊 ※根本、天保10年(1839年)刊行。挿絵を歌川貞広とともに描く。
- 『敵討高音皷』二編10冊 ※根本、天保12年(1841年)刊行
- 『英傑三国誌伝』3冊 ※絵本、嘉永3年(1850年)刊行
- 『よしこの五十三駅』(よしこのごじゅうさんつぎ)1冊 ※歌謡書
- 『なげ扇源氏よしこ』1冊 ※弘化4年(1847年)刊行
- 『浪花夢』三巻5冊 ※平亭銀鶏作。人情本、天保6年(1835年)刊行。挿絵を貞広とともに描く。
- 「三味線を持つ芸妓立像」 大判錦絵上下2枚継 ※天保末年
- 「御暇乞きやうげん 奴蘭平・尾上多見蔵 悴しげ蔵・尾上和市」
- 「加藤正清・初代片岡市蔵」 大判錦絵 ※嘉永3年10月、筑後芝居『八陣守護城』より
- 「江戸名所高輪之図」 団扇絵 ※天保10年
- 「おはん・尾上菊五郎 長右衛門・中村歌右衛門」 大判錦絵 ※天保13年
参考文献
[編集]- 井上和雄編 『浮世絵師伝』 渡辺版画店、1931年 ※国立国会図書館デジタルコレクションに本文あり[1]。
- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年 ※45頁